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第5章 将馬side
(2)将馬side
しおりを挟む「!……将、ちゃん」
里奈は傍に居る俺に気付いて驚いた表情をすると、ほんのりピンクに染まった頬を隠すように慌てて自分の手で覆おうとした。
涼とキスして照れた顔を隠そうとするその行動が許せなくて……。
俺は里奈の手を思いっきり掴んで握り締めた。
「!っ……いたッ。
しょ、将……ちゃん?」
怯えた表情で俺を見る里奈の瞳。
さっき、涼とは微笑ってたクセにっ……。
頭から消えない二人が一緒にいる光景に、今まで我慢していた気持ちが噴き出した。
「……あ、ごめん。
私、またっ……将ちゃんって、呼んで」
里奈が俺の機嫌を取ろうとしてるけど、無駄だ。もう、俺だって最後に好きにさせてもらう。
俺は里奈の顔を見ないまま強引に手を引いて、中庭から連れ出した。
……
…………。
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