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第5章 将馬side
(2)将馬side
しおりを挟む「……ふ~ん。
ハンカチって、これ?」
俺は里奈のパーカーのポケットから涼にもらったらしきハンカチを取り出して、彼女の目の前で握り潰すと……。
ガードレールの反対側の海岸に、投げ捨てた。
「……。
酷いよ……っ、将ちゃん……」
暫く呆然としていた里奈が、呟いた。
「っ……なんで?こんな酷い事……するのっ?」
涙を浮かべながら、俺を一度見て……。
里奈は涙を拭うと、俺が捨てたハンカチを拾いに行こうと駆け出した。
なんで、こんな事をするか?……って?
そんなんっ、決まってるだろッ!?
もう、止められなかった。
里奈に気付いていほしくて、苦しくて……。
大好きで大好きで仕方ない気持ちが、言葉より先に行動で溢れる。
俺は、俺の前を横切ろうとした里奈を捕まえて……。
両肩を掴むと、強引に唇を奪った。
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