この夏が終わっても

第６章 里奈side

（１）里奈side

【お盆明け/学校】

「みんな！ニュースニュース！
私達、夏祭りのステージに立てる事になったよ！」

「えっ？っ……ぇえッ？！」

部室で楽器の準備をしていた私とグループのメンバーは、清香ちゃんの報告に驚きの声を上げた。

近所の公園で毎年8月の最後に行われる夏祭り。その催しステージに、うちの高校から何組か参加出来る事は知っていた。
けど。大体は二年や三年の先輩達が優先で、私達一年生がステージに立てるなんて異例な事だ。
今回だって、確かすでにもう参加するグループは決まっていた筈なのに……。


「先輩グループの一組がね、都合が悪くて出られなくなったんだって！
その代わりに、私達のグループにって先生が推してくれたの！」

私達が参加出来るようになった経由を、清香ちゃんがとても嬉しそうに話してくれる。
清香ちゃんの歌声、すごく綺麗だから先生達も認めてくれてるんだよね。