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第6章 里奈side
(1)里奈side
しおりを挟む「ごめん、なさいっ……。ごめっ……ッ」
私はきっとこの先何かある度に、涼さんに優しくされる度に、将ちゃんと重ねてしまう。
こんなにも将ちゃんていっぱいな気持ちで、他の人と付き合うなんて出来ない。
「……うん、そうだよね。
……。返事は、分かってたよ」
何度も謝る私に、涼さんが言った。
「だって……。
里奈ちゃんの恋は、まだ終わってないんでしょ?」
その問い掛けに顔を上げると……。
いつもみたいに優しく微笑む涼さん。
「まだ、自分の気持ち……伝えてないよね?」
涼さんの言葉に、目が醒める。
なんでこんなに苦しいのか。
たくさん泣いてもスッキリしなかったのか……。
やっと、分かった。
「男ってね、結構鈍いんだよ?
ハッキリ言ってやらないと分からないんだ。
里奈ちゃんなら、将馬君の事。誰よりも分かってるでしょ?」
涼さんは、まるで背中を押してくれるみたいに言った。
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