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番外編 〜涼side〜
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しおりを挟む「あ~あ、ほんっと里奈ちゃん相手だとあいつは表情緩みっぱなしだよな」
「いいじゃない!ようやく素直になったんだから」
ツンデレのツンがなくなって、すっかりデレしかなくなった将馬君を見て、僕達は微笑った。
夏が終わって秋が来て……。
僕もまた、変わっていけたらいいなと思う。
「みんな、わりっ!今から里奈と会うから行くわ!」
「あ~はいはい」
「は~い、またね!」
「里奈ちゃんによろしく、将馬君」
一旦電話を切って戻って来た将馬君を見送る言葉を掛けると、「おう!」と返事をして席を離れようとした彼が「あ、そうだ」と振り返り僕を見る。
「涼!ダチなんだから、君とかもう付けんなよな?」
「!……え?」
「……将馬でいいから。じゃな!」
ニッと意地悪そうに笑う眩しい笑顔。
夏が終わって、新しい季節が来たのだと実感した。
「ーーうん!またな、将馬!」
大切にしよう。
過去に捉われず、過ぎ行く季節を、これからの未来を、いつでも愛おしいと思えるように……。
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