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23話 真相 その1
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(ニーナ視点)
「ネプト国王陛下はアーチェのことを、知らず知らずの間に傷付けていたようですね。可哀想なアーチェ……」
「そうだな、そうかもしれん……」
「……!」
アーチェをこちら側に引き入れるには、ネプト国王陛下に罪悪感を持たせるのが一番のようね。私はあくまでも、アーチェの味方をしてあげれば良いのよ。
それにしても……あのジョンという人物がネプト国王陛下だったなんて、本当に驚きだわ。7年前のスラム街では、当時は王子殿下だった彼と、伯爵令嬢のアーチェが逢引きしていたようなものなんだから……。
「アーチェ、私はあなたのことが本当に心配だったのですよ? あの屋根の崩落事故を聞いて……あなたが巻き込まれたのではないかと。無事であるという情報が届くまで、いてもたってもいられませんでした」
「ニーナ……ええ、あの時は本当に心配を掛けたわね。そのことに関しては感謝しているわ」
「ええ……」
感謝? どうしてそんなに薄い反応なのかしら。もっと私に縋りつくように感謝するべきなのに……。aなたは私の元に来るべきなのよ……あの時、ジョンがそれを邪魔していたけれど。そのジョンはネプト国王陛下だった……私にとって、これほどの驚きはないわ。
「ねえ、ニーナ。聞きたいことがあるのだけれど」
「どうしましたか、アーチェ?」
「どうしてあなたは、あんなに驚いていたの? ネプト様の正体がジョンであった事実は、あなたにとって、そこまで重要ではないと思うのだけれど」
「そ、それは……! 幼馴染のあなたをネプト国王陛下は傷付けたのですよ? 一言くらい申し上げたくなるのは、普通でしょう?」
「本当にそれだけ?」
な、何を言っているのよアーチェは……。おかしい、彼女はまるで私を疑っているかのようだ。ネプト国王陛下を責めようと考えていたのに、私が責められているような気がしてしまう。
「ウォーレス、何か知っているんじゃないの? さっきから凄い汗を流しているけれど」
「えっ……? あ、いや……!」
アーチェに指摘され、私もウォーレスに視線を合わせた。さっきまで黙っていた彼だけれど、今は明らかに焦った表情になっている。
「ウォーレス……何か知っていることがあるなら話して」
「い、いや……私は何も知らないよ。本当だ……」
「ウォーレス殿、私の前で嘘を吐けばどうなるか……しっかりと考えてから話した方が良いぞ? なんとなくだが推測は出来るのだ。あの崩落事件は人為的な操作があったのではないかと、言われているからな」
ネプト国王陛下がそこまで話すと、ウォーレスはパニック状態になって叫び出した。この男……本当に使えないわ。こんなにメンタルが弱いとは……。
「こ、国王陛下……! わ、私は何も知りません! 本当です! ただ、知っているのは、ニーナがジョンのことを煙たがっていたというだけで……」
「ちょ、何を言っているのですか!? 煙たがっていたのは、あなたも同じでしょう!」
「それはそうだけど、君の態度は尋常ではなかっただろ……!」
まさか、こんな状況の時にそんな話を持ち出してくるなんて……! ウォーレスは本当に愚か者だ……!
どうする? アーチェもネプト国王陛下も私を見ている……どうやって切り抜ければ……。
「ネプト国王陛下はアーチェのことを、知らず知らずの間に傷付けていたようですね。可哀想なアーチェ……」
「そうだな、そうかもしれん……」
「……!」
アーチェをこちら側に引き入れるには、ネプト国王陛下に罪悪感を持たせるのが一番のようね。私はあくまでも、アーチェの味方をしてあげれば良いのよ。
それにしても……あのジョンという人物がネプト国王陛下だったなんて、本当に驚きだわ。7年前のスラム街では、当時は王子殿下だった彼と、伯爵令嬢のアーチェが逢引きしていたようなものなんだから……。
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「ニーナ……ええ、あの時は本当に心配を掛けたわね。そのことに関しては感謝しているわ」
「ええ……」
感謝? どうしてそんなに薄い反応なのかしら。もっと私に縋りつくように感謝するべきなのに……。aなたは私の元に来るべきなのよ……あの時、ジョンがそれを邪魔していたけれど。そのジョンはネプト国王陛下だった……私にとって、これほどの驚きはないわ。
「ねえ、ニーナ。聞きたいことがあるのだけれど」
「どうしましたか、アーチェ?」
「どうしてあなたは、あんなに驚いていたの? ネプト様の正体がジョンであった事実は、あなたにとって、そこまで重要ではないと思うのだけれど」
「そ、それは……! 幼馴染のあなたをネプト国王陛下は傷付けたのですよ? 一言くらい申し上げたくなるのは、普通でしょう?」
「本当にそれだけ?」
な、何を言っているのよアーチェは……。おかしい、彼女はまるで私を疑っているかのようだ。ネプト国王陛下を責めようと考えていたのに、私が責められているような気がしてしまう。
「ウォーレス、何か知っているんじゃないの? さっきから凄い汗を流しているけれど」
「えっ……? あ、いや……!」
アーチェに指摘され、私もウォーレスに視線を合わせた。さっきまで黙っていた彼だけれど、今は明らかに焦った表情になっている。
「ウォーレス……何か知っていることがあるなら話して」
「い、いや……私は何も知らないよ。本当だ……」
「ウォーレス殿、私の前で嘘を吐けばどうなるか……しっかりと考えてから話した方が良いぞ? なんとなくだが推測は出来るのだ。あの崩落事件は人為的な操作があったのではないかと、言われているからな」
ネプト国王陛下がそこまで話すと、ウォーレスはパニック状態になって叫び出した。この男……本当に使えないわ。こんなにメンタルが弱いとは……。
「こ、国王陛下……! わ、私は何も知りません! 本当です! ただ、知っているのは、ニーナがジョンのことを煙たがっていたというだけで……」
「ちょ、何を言っているのですか!? 煙たがっていたのは、あなたも同じでしょう!」
「それはそうだけど、君の態度は尋常ではなかっただろ……!」
まさか、こんな状況の時にそんな話を持ち出してくるなんて……! ウォーレスは本当に愚か者だ……!
どうする? アーチェもネプト国王陛下も私を見ている……どうやって切り抜ければ……。
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