2 / 7
2話 理不尽 その2
しおりを挟む
「お前は本当に穀潰しの役立たずだな……今まで育ててやった恩を忘れおって!」
「そ、そんな……お父様……」
私の味方になってくれると思っていたお父様から、信じられない言葉が返って来た……これはなんと返したら良いのだろうか。私の頭は混乱していた。
「これだから女とという生き物は嫌いなんだ……自分達は弱い生き物だから、庇護されて当然と思っているからな」
「お、お父様……決してそのようなことは……!」
「うるさい! お前は私や先代から必死で築き上げて来たベルン家というブランドに泥を塗ったのだ! ただで済むと思うなよ!」
お父様は逆上している……これ以上、反論しては本当に拳が飛んできそうだった。これがお父様の本性……私のことは娘として愛していることなどなかったと言うの? ショック過ぎるわ……。
「本当に申し訳ありません……お父様」
「ふん、もういい。部屋に戻っていろ。今後の処分に関しては追って話す」
「わ、わかりました……」
処分……? 婚約破棄をされたのは私の方なのに処分を受けないといけないの? 通常はアクウィル様に抗議するものだと思うけれど。ただ、お父様の態度が怖かったのでそれ以上聞くことが出来なかった……。
----------------------
「まあ! お嬢様が婚約破棄をされたの? 信じられない……!」
「ちょっと、声が大きいわよ……!」
「あ、ごめんなさい」
部屋の外では使用人達が私のことで話しているようだ。興味本位で話しているのが良く分かる……使用人が私の敵ということはないだろうけれど、味方とも考えにくかった。何かあった場合、お父様の怒りに触れることになるから。私はどうしたら良いのだろうか……。
「次のパーティーの予定が入っているんだっけ……あまり、悲しんでばかりはいられないのよね……」
貴族令嬢としてパーティーに参加し人脈を広げることは、非常に重要なことだ。婚約破棄という不名誉を受けてしまったけれど、なんとか挽回していかなければならない。
それなのに、お父様のあの態度は何だったのだろうか……私の中に大きな悲しみが生まれ始めていた。
私の味方になってくれそうな人物は誰だろう? 兄さまや姉さまも当てには出来ない。元々、仲が良いというわけではないから……そうなると、幼馴染のリオンかしら?
彼となんとか連絡を取れないかな……次のパーティーで再会出来ると良いけれど。そんな偶然があるわけはないけれど、私の期待が見事的中することになるとは、この時は予想していなかった。
「そ、そんな……お父様……」
私の味方になってくれると思っていたお父様から、信じられない言葉が返って来た……これはなんと返したら良いのだろうか。私の頭は混乱していた。
「これだから女とという生き物は嫌いなんだ……自分達は弱い生き物だから、庇護されて当然と思っているからな」
「お、お父様……決してそのようなことは……!」
「うるさい! お前は私や先代から必死で築き上げて来たベルン家というブランドに泥を塗ったのだ! ただで済むと思うなよ!」
お父様は逆上している……これ以上、反論しては本当に拳が飛んできそうだった。これがお父様の本性……私のことは娘として愛していることなどなかったと言うの? ショック過ぎるわ……。
「本当に申し訳ありません……お父様」
「ふん、もういい。部屋に戻っていろ。今後の処分に関しては追って話す」
「わ、わかりました……」
処分……? 婚約破棄をされたのは私の方なのに処分を受けないといけないの? 通常はアクウィル様に抗議するものだと思うけれど。ただ、お父様の態度が怖かったのでそれ以上聞くことが出来なかった……。
----------------------
「まあ! お嬢様が婚約破棄をされたの? 信じられない……!」
「ちょっと、声が大きいわよ……!」
「あ、ごめんなさい」
部屋の外では使用人達が私のことで話しているようだ。興味本位で話しているのが良く分かる……使用人が私の敵ということはないだろうけれど、味方とも考えにくかった。何かあった場合、お父様の怒りに触れることになるから。私はどうしたら良いのだろうか……。
「次のパーティーの予定が入っているんだっけ……あまり、悲しんでばかりはいられないのよね……」
貴族令嬢としてパーティーに参加し人脈を広げることは、非常に重要なことだ。婚約破棄という不名誉を受けてしまったけれど、なんとか挽回していかなければならない。
それなのに、お父様のあの態度は何だったのだろうか……私の中に大きな悲しみが生まれ始めていた。
私の味方になってくれそうな人物は誰だろう? 兄さまや姉さまも当てには出来ない。元々、仲が良いというわけではないから……そうなると、幼馴染のリオンかしら?
彼となんとか連絡を取れないかな……次のパーティーで再会出来ると良いけれど。そんな偶然があるわけはないけれど、私の期待が見事的中することになるとは、この時は予想していなかった。
0
あなたにおすすめの小説
殿下はご存じないのでしょうか?
7
恋愛
「お前との婚約を破棄する!」
学園の卒業パーティーに、突如婚約破棄を言い渡されてしまった公爵令嬢、イディア・ディエンバラ。
婚約破棄の理由を聞くと、他に愛する女性ができたという。
その女性がどなたか尋ねると、第二殿下はある女性に愛の告白をする。
殿下はご存じないのでしょうか?
その方は――。
久しぶりに会った婚約者は「明日、婚約破棄するから」と私に言った
五珠 izumi
恋愛
「明日、婚約破棄するから」
8年もの婚約者、マリス王子にそう言われた私は泣き出しそうになるのを堪えてその場を後にした。
婚約破棄が私を笑顔にした
夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」
学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。
そこに聖女であるアメリアがやってくる。
フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。
彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。
短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。
飽きたと捨てられましたので
編端みどり
恋愛
飽きたから義理の妹と婚約者をチェンジしようと結婚式の前日に言われた。
計画通りだと、ルリィは内心ほくそ笑んだ。
横暴な婚約者と、居候なのに我が物顔で振る舞う父の愛人と、わがままな妹、仕事のフリをして遊び回る父。ルリィは偽物の家族を捨てることにした。
※7000文字前後、全5話のショートショートです。
※2024.8.29誤字報告頂きました。訂正しました。報告不要との事ですので承認はしていませんが、本当に助かりました。ありがとうございます。
悪役令嬢と呼ばれた彼女の本音は、婚約者だけが知っている
当麻月菜
恋愛
『昔のことは許してあげる。だから、どうぞ気軽に参加してね』
そんなことが書かれたお茶会の招待状を受け取ってしまった男爵令嬢のルシータのテンションは地の底に落ちていた。
実はルシータは、不本意ながら学園生活中に悪役令嬢というレッテルを貼られてしまい、卒業後も社交界に馴染むことができず、引きこもりの生活を送っている。
ちなみに率先してルシータを悪役令嬢呼ばわりしていたのは、招待状の送り主───アスティリアだったりもする。
もちろん不参加一択と心に決めるルシータだったけれど、婚約者のレオナードは今回に限ってやたらと参加を強く勧めてきて……。
※他のサイトにも重複投稿しています。でも、こちらが先行投稿です。
※たくさんのコメントありがとうございます!でも返信が遅くなって申し訳ありません(><)全て目を通しております。ゆっくり返信していきますので、気長に待ってもらえたら嬉しかったりします。
恩知らずの婚約破棄とその顛末
みっちぇる。
恋愛
シェリスは婚約者であったジェスに婚約解消を告げられる。
それも、婚約披露宴の前日に。
さらに婚約披露宴はパートナーを変えてそのまま開催予定だという!
家族の支えもあり、婚約披露宴に招待客として参加するシェリスだが……
好奇にさらされる彼女を助けた人は。
前後編+おまけ、執筆済みです。
【続編開始しました】
執筆しながらの更新ですので、のんびりお待ちいただけると嬉しいです。
矛盾が出たら修正するので、その時はお知らせいたします。
幼馴染、幼馴染、そんなに彼女のことが大切ですか。――いいでしょう、ならば、婚約破棄をしましょう。~病弱な幼馴染の彼女は、実は……~
銀灰
恋愛
テリシアの婚約者セシルは、病弱だという幼馴染にばかりかまけていた。
自身で稼ぐこともせず、幼馴染を庇護するため、テシリアに金を無心する毎日を送るセシル。
そんな関係に限界を感じ、テリシアはセシルに婚約破棄を突き付けた。
テリシアに見捨てられたセシルは、てっきりその幼馴染と添い遂げると思われたが――。
その幼馴染は、道化のようなとんでもない秘密を抱えていた!?
はたして、物語の結末は――?
婚約破棄でかまいません!だから私に自由を下さい!
桗梛葉 (たなは)
恋愛
第一皇太子のセヴラン殿下の誕生パーティーの真っ最中に、突然ノエリア令嬢に対する嫌がらせの濡れ衣を着せられたシリル。
シリルの話をろくに聞かないまま、婚約者だった第二皇太子ガイラスは婚約破棄を言い渡す。
その横にはたったいまシリルを陥れようとしているノエリア令嬢が並んでいた。
そんな2人の姿が思わず溢れた涙でどんどんぼやけていく……。
ざまぁ展開のハピエンです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる