同じ幼馴染でも天地の差のようです

ルイス

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2話 理不尽 その2

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「お前は本当に穀潰しの役立たずだな……今まで育ててやった恩を忘れおって!」

「そ、そんな……お父様……」

 私の味方になってくれると思っていたお父様から、信じられない言葉が返って来た……これはなんと返したら良いのだろうか。私の頭は混乱していた。


「これだから女とという生き物は嫌いなんだ……自分達は弱い生き物だから、庇護されて当然と思っているからな」

「お、お父様……決してそのようなことは……!」

「うるさい! お前は私や先代から必死で築き上げて来たベルン家というブランドに泥を塗ったのだ! ただで済むと思うなよ!」


 お父様は逆上している……これ以上、反論しては本当に拳が飛んできそうだった。これがお父様の本性……私のことは娘として愛していることなどなかったと言うの? ショック過ぎるわ……。

「本当に申し訳ありません……お父様」

「ふん、もういい。部屋に戻っていろ。今後の処分に関しては追って話す」

「わ、わかりました……」


 処分……? 婚約破棄をされたのは私の方なのに処分を受けないといけないの? 通常はアクウィル様に抗議するものだと思うけれど。ただ、お父様の態度が怖かったのでそれ以上聞くことが出来なかった……。


----------------------


「まあ! お嬢様が婚約破棄をされたの? 信じられない……!」

「ちょっと、声が大きいわよ……!」

「あ、ごめんなさい」


 部屋の外では使用人達が私のことで話しているようだ。興味本位で話しているのが良く分かる……使用人が私の敵ということはないだろうけれど、味方とも考えにくかった。何かあった場合、お父様の怒りに触れることになるから。私はどうしたら良いのだろうか……。

「次のパーティーの予定が入っているんだっけ……あまり、悲しんでばかりはいられないのよね……」


 貴族令嬢としてパーティーに参加し人脈を広げることは、非常に重要なことだ。婚約破棄という不名誉を受けてしまったけれど、なんとか挽回していかなければならない。

 それなのに、お父様のあの態度は何だったのだろうか……私の中に大きな悲しみが生まれ始めていた。

 私の味方になってくれそうな人物は誰だろう? 兄さまや姉さまも当てには出来ない。元々、仲が良いというわけではないから……そうなると、幼馴染のリオンかしら?

 彼となんとか連絡を取れないかな……次のパーティーで再会出来ると良いけれど。そんな偶然があるわけはないけれど、私の期待が見事的中することになるとは、この時は予想していなかった。
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