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8話 新たな生活
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「へへっ、流石だなフェリちゃん。正直、開いた口が塞がらないけど頑張ってくれよ。応援してるぜ」
「フェリ、よくやったな。まさか、ここまでとは思ってなかったが……流石はクレルモン公爵家で錬金術師をやれていただけはあるのかもしれんな。今のお前としては、本意ではないだろうが……母さん、リシューには伝えておくから心配するな。偶には手紙を書いておくれ」
「本当にありがとう、父さん、カウフマンさん!」
私は錬金術師の試験に合格し、二人との別れ際に、深々と頭を下げてお礼を言った。二人の協力がなければ、試験を受けるだけでも苦労してただろうから猶更だ。私は本当に父さん達に感謝していた。あ、ちなみにリシューと言うのは私の母さんの名前だ。
それが昨日の話になる……。
現在、私は王宮に個室に居た。最初に寝泊りをした部屋とは別で、私の私物を自由に置いて良いとのことだ。つまりは私の部屋のようなもので……。
「あの、ラクアさん……本当にこの部屋を自由に使って良いんですか?」
「もちろんでございます、フェリ様。フェリ様は王宮の錬金術師になられますので。遠慮なくお使いくださいませ。それから、私共、使用人もご自由にお使いください」
なんて答えれば良いのか分からないラクアさんの言葉に、私は何も言えなかった。ハッキリ言うと、クレルモン公爵での待遇とは違い過ぎるからだ。
一室を与えられると言っても、この部屋は広すぎる……ベッドは3人くらい寝られそうだし、なぜか廊下にもあるはずのトイレやお風呂まで完備されているんだから。流石にお風呂に関しては大浴場ほど広くはないけれど。それでも、一人で使うには十分過ぎるわ。
「フェリ様は一般の方ですので驚きになるかもしれませんが……王宮の錬金術師はこのくらいの待遇が普通でございます」
「そうなんですか?」
「はい、クレルモン公爵のところで働いていらっしゃった時はどうだったのですか?」
あ……答えにくい質問が来てしまった。まあ、驚き過ぎている私のせいなんだけれど。私は簡単にクレルモン公爵で仕事をしていた時のことを思い出すことにした。流石にラクアさんの質問を無視するわけにはいかないし。
「ええと……個室ではありましたけど、ここよりももっと狭かったです。トイレとかお風呂も部屋にはなかったですし……」
流石に一般人からすればそれが普通なんだけど、ラクアさんは少し驚いているようだった。
「左様でございますか……クレルモン公爵ほどのお方が、王宮クラスの部屋を用意出来ないとは思えないのですが。しかも、フェリ様程の逸材を相手にして……」
答えにくい……非常に答えにくいわ。クレルモン公爵の悪口を迂闊に言うわけにはいかないし……難しい状況だ。回答だけを言うなら、クレルモン公爵は私が平民だから粗末な部屋を宛がったということなんだろうけど。
「そ、それよりもラクアさん! 今日から錬金が始まるんですよね?」
私は無理矢理に話題を変えることにした。あのままの話題が続くのは良くない気が下から。
「そうでした、本日から始まります。今回の募集には87名の参加者が居たのです。まだ打ち切っていませんので、増える可能性はありますが」
「87名……結構、多いんですね」
「ええ、ただ残念ながら、合格者はフェリ様を入れて10名になっております」
「そ、そうなんですか……?」
「はい……皆さま、今一歩のところで合格を勝ち取れなかったわけでして」
今までで87人が応募して10人しか受かっていない……思いの外、狭き門のようね。クレルモン公爵のところの錬金術師の人数とそう変わらない気がする。
私は後任で入って来たという伯爵令嬢のことが心配になっていた。大丈夫なのかと……。まあ、クレルモン公爵がハッキリと言うくらいだから相応の実力者なんだろうけど。
「それではフェリ様、錬金施設へご案内いたします」
「あ、仕事場ですね。よろしくお願いいたします」
「畏まりました」
今日から新しい生活が始まると言っても過言ではないかもしれない。私は緊張しながらも楽しみにしていた。
「フェリ、よくやったな。まさか、ここまでとは思ってなかったが……流石はクレルモン公爵家で錬金術師をやれていただけはあるのかもしれんな。今のお前としては、本意ではないだろうが……母さん、リシューには伝えておくから心配するな。偶には手紙を書いておくれ」
「本当にありがとう、父さん、カウフマンさん!」
私は錬金術師の試験に合格し、二人との別れ際に、深々と頭を下げてお礼を言った。二人の協力がなければ、試験を受けるだけでも苦労してただろうから猶更だ。私は本当に父さん達に感謝していた。あ、ちなみにリシューと言うのは私の母さんの名前だ。
それが昨日の話になる……。
現在、私は王宮に個室に居た。最初に寝泊りをした部屋とは別で、私の私物を自由に置いて良いとのことだ。つまりは私の部屋のようなもので……。
「あの、ラクアさん……本当にこの部屋を自由に使って良いんですか?」
「もちろんでございます、フェリ様。フェリ様は王宮の錬金術師になられますので。遠慮なくお使いくださいませ。それから、私共、使用人もご自由にお使いください」
なんて答えれば良いのか分からないラクアさんの言葉に、私は何も言えなかった。ハッキリ言うと、クレルモン公爵での待遇とは違い過ぎるからだ。
一室を与えられると言っても、この部屋は広すぎる……ベッドは3人くらい寝られそうだし、なぜか廊下にもあるはずのトイレやお風呂まで完備されているんだから。流石にお風呂に関しては大浴場ほど広くはないけれど。それでも、一人で使うには十分過ぎるわ。
「フェリ様は一般の方ですので驚きになるかもしれませんが……王宮の錬金術師はこのくらいの待遇が普通でございます」
「そうなんですか?」
「はい、クレルモン公爵のところで働いていらっしゃった時はどうだったのですか?」
あ……答えにくい質問が来てしまった。まあ、驚き過ぎている私のせいなんだけれど。私は簡単にクレルモン公爵で仕事をしていた時のことを思い出すことにした。流石にラクアさんの質問を無視するわけにはいかないし。
「ええと……個室ではありましたけど、ここよりももっと狭かったです。トイレとかお風呂も部屋にはなかったですし……」
流石に一般人からすればそれが普通なんだけど、ラクアさんは少し驚いているようだった。
「左様でございますか……クレルモン公爵ほどのお方が、王宮クラスの部屋を用意出来ないとは思えないのですが。しかも、フェリ様程の逸材を相手にして……」
答えにくい……非常に答えにくいわ。クレルモン公爵の悪口を迂闊に言うわけにはいかないし……難しい状況だ。回答だけを言うなら、クレルモン公爵は私が平民だから粗末な部屋を宛がったということなんだろうけど。
「そ、それよりもラクアさん! 今日から錬金が始まるんですよね?」
私は無理矢理に話題を変えることにした。あのままの話題が続くのは良くない気が下から。
「そうでした、本日から始まります。今回の募集には87名の参加者が居たのです。まだ打ち切っていませんので、増える可能性はありますが」
「87名……結構、多いんですね」
「ええ、ただ残念ながら、合格者はフェリ様を入れて10名になっております」
「そ、そうなんですか……?」
「はい……皆さま、今一歩のところで合格を勝ち取れなかったわけでして」
今までで87人が応募して10人しか受かっていない……思いの外、狭き門のようね。クレルモン公爵のところの錬金術師の人数とそう変わらない気がする。
私は後任で入って来たという伯爵令嬢のことが心配になっていた。大丈夫なのかと……。まあ、クレルモン公爵がハッキリと言うくらいだから相応の実力者なんだろうけど。
「それではフェリ様、錬金施設へご案内いたします」
「あ、仕事場ですね。よろしくお願いいたします」
「畏まりました」
今日から新しい生活が始まると言っても過言ではないかもしれない。私は緊張しながらも楽しみにしていた。
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