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15話 王国側の危機 その4
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「それで? カインさんとはどういう関係なんですか?」
「ちょ、ちょっとミシディア……オヤジみたいなノリになってるわよ……」
ライズさんはめずらしく、焦った様子で私からの質問の嵐を回避していた。お互いお風呂に入り、今日は同じ寝室で寝ることになっているけれど、夜はまだまだ始まったばかり……。
「二人とも22歳なんですよね? そのくらいの年齢なら、もうすでに子供とか考えてるんですか?」
貴族ならともかく、一般人としてはやや早い年齢かな。私は構わず聞いてみることにした。
「そもそも、それが勘違いだから。私とカインはそういう関係ではないの」
「えっ、そうなんですか?」
「そうよ、だからミシディアの完全な勘違いになるわね」
あっと、これは恥ずかしいかも……でも、レッドブラックは二人はカインさんとライズさんだけの冒険者チームのはず。結成から何年か経過しているはずだから、そっち系の話が出て来てもおかしくない。カインは二枚目だし、ライズさんも美人……オマケにこの服装だし。
「本当に色恋沙汰は起きなかったんですか?」
私は不思議になって聞いてみた。恥ずかしがる様子もなく、ライズさんは首を横に振っている。
「ないわね。私もカインもそういう感情はなかったと思うわ。もちろん信頼できる仲間ではあるけど。私たちの目標はエキストラダンジョンを含めた未踏遺跡の踏破だったから」
あくまでも冒険を目的としてのコンビ結成ということか……それならば、余程のことがない限り、恋愛には発展しないのかもしれない。そっか、なんだか勿体ないような気もするけど……そうなんだ。
「ふふ、ミシディア。カインのこと、少しだけ気になっているでしょ?」
「えっ!? な、なんのことですか……!?」
私はライズさんの見事な切り返しに、付いて行くことが出来なかった。しまった……と思ったけど、もう遅い。彼女のターンになってしまったのだから……。
「一目惚れでもしたのかしら? 私に遠慮しているように感じたけれど……」
「あ、それは、その……えと、なんというか……」
ヤバい……全部バレてた。一目惚れとは言っても、まだ本気で好きになったとかじゃないと思うけど。ライズさんに遠慮していたというのは事実ね。これが人生経験の違い……3歳しか違わないはずなのに、それ以上の開きを感じてしまった。
「でも、わかったでしょう? 私に遠慮することは何もないって」
「は、はい……」
「応援しているわよ。上手く行くかは別にしてね。その気があるなら、挑戦してみなさい」
「あ、ありがとうございます」
なんだか応援されることになってしまった……ライズさん良い人過ぎるし。
と、そんな和やかなムードが流れ始めた時だった。勢いのあるノックと共に、カインさんが私達の部屋に入って来たのは……。
----------------------------------------------------
「大変だ、二人とも」
「どうかしたの、カイン?」
冷静沈着ではあるけれど、少し声色がいつもとは違うカインさん。一体、何があったのかとライズさんは立ち上がっていた。
「ギルドからの報告が入った……どうやら、オボンヌ宮殿が何者かに襲撃されたらしい」
「ええっ!?」
「なんですって……?」
オボンヌ宮殿が襲撃された……? 私はカインさんの報告に言葉を失ってしまった……。彼らが危惧していたことが現実に起きてしまったんだ……。
「ちょ、ちょっとミシディア……オヤジみたいなノリになってるわよ……」
ライズさんはめずらしく、焦った様子で私からの質問の嵐を回避していた。お互いお風呂に入り、今日は同じ寝室で寝ることになっているけれど、夜はまだまだ始まったばかり……。
「二人とも22歳なんですよね? そのくらいの年齢なら、もうすでに子供とか考えてるんですか?」
貴族ならともかく、一般人としてはやや早い年齢かな。私は構わず聞いてみることにした。
「そもそも、それが勘違いだから。私とカインはそういう関係ではないの」
「えっ、そうなんですか?」
「そうよ、だからミシディアの完全な勘違いになるわね」
あっと、これは恥ずかしいかも……でも、レッドブラックは二人はカインさんとライズさんだけの冒険者チームのはず。結成から何年か経過しているはずだから、そっち系の話が出て来てもおかしくない。カインは二枚目だし、ライズさんも美人……オマケにこの服装だし。
「本当に色恋沙汰は起きなかったんですか?」
私は不思議になって聞いてみた。恥ずかしがる様子もなく、ライズさんは首を横に振っている。
「ないわね。私もカインもそういう感情はなかったと思うわ。もちろん信頼できる仲間ではあるけど。私たちの目標はエキストラダンジョンを含めた未踏遺跡の踏破だったから」
あくまでも冒険を目的としてのコンビ結成ということか……それならば、余程のことがない限り、恋愛には発展しないのかもしれない。そっか、なんだか勿体ないような気もするけど……そうなんだ。
「ふふ、ミシディア。カインのこと、少しだけ気になっているでしょ?」
「えっ!? な、なんのことですか……!?」
私はライズさんの見事な切り返しに、付いて行くことが出来なかった。しまった……と思ったけど、もう遅い。彼女のターンになってしまったのだから……。
「一目惚れでもしたのかしら? 私に遠慮しているように感じたけれど……」
「あ、それは、その……えと、なんというか……」
ヤバい……全部バレてた。一目惚れとは言っても、まだ本気で好きになったとかじゃないと思うけど。ライズさんに遠慮していたというのは事実ね。これが人生経験の違い……3歳しか違わないはずなのに、それ以上の開きを感じてしまった。
「でも、わかったでしょう? 私に遠慮することは何もないって」
「は、はい……」
「応援しているわよ。上手く行くかは別にしてね。その気があるなら、挑戦してみなさい」
「あ、ありがとうございます」
なんだか応援されることになってしまった……ライズさん良い人過ぎるし。
と、そんな和やかなムードが流れ始めた時だった。勢いのあるノックと共に、カインさんが私達の部屋に入って来たのは……。
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「大変だ、二人とも」
「どうかしたの、カイン?」
冷静沈着ではあるけれど、少し声色がいつもとは違うカインさん。一体、何があったのかとライズさんは立ち上がっていた。
「ギルドからの報告が入った……どうやら、オボンヌ宮殿が何者かに襲撃されたらしい」
「ええっ!?」
「なんですって……?」
オボンヌ宮殿が襲撃された……? 私はカインさんの報告に言葉を失ってしまった……。彼らが危惧していたことが現実に起きてしまったんだ……。
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