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14話 王族 その1
しおりを挟む「凄いです……ベノム第三王子殿下やバール第四王子殿下がここにいらっしゃるなんて……!」
「まあ……一応は私の主催だからな。弟たちを呼ぶのは対して難しくはないさ」
「それは確かに、そうかもしれませんが……」
それでも私は王族の方々が、これほどの人数で舞踏会に参加している事実に驚きを隠せなかった。彼ら以外にもリュート王女殿下の姿もあったから余計に。
「王族の方々が、ユアン様以外に3名も……これは壮観かと思われます!」
「そうか……? それなら、いいんだが……」
ユアン王子殿下にとってみれば、当たり前のことなのかもしれない。でも、私にとっては壮観以外の何物でもなかった。ただ、気になることもある。それは……メープルの視線だ。
「ユアン様、メープルの視線が怪しく感じられるのですが……」
「シャルナも感じていたか。私も少し、危険な予感がしていた」
「……」
ユアン王子殿下も私と同じ考えを持っているようだった。メープルは何やら、リシド様と話しているようだけど、明らかに視線は彼に向いておらず、王族の方々に向かっている。メープルが何を考えているのか……私は容易に想像が出来てしまった。
「ユアン様……申し訳ありません」
「シャルナ? なぜ、突然謝っているんだ?」
「いえ……ユアン様もお気づきかと思われますが、私の妹が……その」
私は妹の態度が余りに情けなく、はっきりとユアン王子殿下に謝罪することが出来なかった。軽く頭を抱えてしまう事態と言えるだろう。
「メープルの件は、シャルナが謝罪することではないだろう? あくまでも彼女自身の問題だ」
「それはそうかもしれませんが……」
私には昔からメープルと一緒に居たのに、彼女の暴走を止められなかったという負い目がある。両親の育て方以外に、私自身の態度もメープルの現在に繋がっているのではないか……そんな負い目を持っていた。
「私の育て方も、メープルがわがままになってしまった要因だと思います……」
「いや、それに関してはメープル自身の問題だろう。彼女も物事の分別が付く16歳なのだから」
「ユアン様……」
私はユアン王子殿下の温かい言葉に、思わず涙を流してしまった。妹のメープルやリシド様だけでなく、両親も味方ではない……そんな四面楚歌の状態で、唯一と言える味方の存在。私にとっては何よりも嬉しいものだ。
「それよりも、シャルナ。彼女が動き出したみたいだぞ」
「メープル……」
先ほどまでリシド様と会話をしていたメープル。ベノム第三王子たちにあからさまに接近を開始したようだった。予断を許さない状況が続いている……。
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