文字サイズ
小
中
大
特大
13 / 17
13話 ダブルパンチ
私達3人は遊戯施設を後にし、貴族街の端へと移動した。なるべく人気のない場所に。遊戯施設であれ以上話していると目立ってしまうし、流石にクローヴィスが可哀想だと思えたから。
ただし、人気のないところに移動してからは、容赦なく攻撃を開始した。
「アルカと婚約してるくせに、なぜ私の交友関係に手を出してくるの? 明らかにおかしいでしょ? アルカに悪いとか、そういう感情はあなたにはないのかしら?」
「そ、それはもちろんあるさ……! でも、アルカよりも前に君とは婚約していたのだから……」
「アルカより前に婚約していたから、何なの?」
「レレイには、ずっと僕のことを引きづっていて欲しいな……と思ってしまって……」
私はクローヴィスの言葉に失笑してしまった。私は彼の中で、ずっと都合の良い女だったのだから。一般人であれば、この手のタイプの人間が多そうだけれど、まさか貴族の立場でこんな男が居るとは思わなかったわ。貴族は無駄にプライドが高いから、弱音を見せたくない人間が多いはずなんだけれど。
ここまでハッキリと言えるなんて……我が幼馴染ながら、最低な人間のようね。
「いい加減にしてよね……!」
「いい加減にしてもらいましょうか、クローヴィス殿」
「えっ……?」
私と同時に怒りの言葉を発する人物が居た。ラインハルト様だ。彼からは、今までの穏やかな表情が完全に消えていた。
「本当に情けない……伯爵令息とは思えない振る舞いの数々。幼馴染であり婚約者でもあった人物を、まるで道具か何かのように思っている言動。そして、自分は成長する気はないが相手には必要以上に求めてしまう性格……どれをとっても最低の部類です。その全てを兼ね備えている人間は、なかなか居ないと言えるでしょう」
「ラインハルト様……? ぼ、僕はただ……! レレイに戻って来てほしくて……!」
「彼女はあなたとやり直す気など、微塵もないように感じますが?」
「そ、そんな……!? 僕がこんなに頼んでいるのに……! レレイ!」
クローヴィスは目に涙を浮かべて私を見ている。しかし、そんな懇願をされても私が言えることは1つしかない。私は首を左右に振りながら答えた。
「無理に決まっているでしょう、クローヴィス? お願いだから分かって……今のあなたがするべきことは、成長でしょう? アルカを大切にしてあげて……お願いだから。私のことをまだ愛しているというなら、それだけは守って欲しいわ」
「レレイ……」
クローヴィスは完全に自分を否定されたショックからか、その場に崩れ落ちてしまった。私とラインハルト様のダブルパンチ……その威力は非常に高く、彼は完全にノックダウンしたようだ。
ただし、人気のないところに移動してからは、容赦なく攻撃を開始した。
「アルカと婚約してるくせに、なぜ私の交友関係に手を出してくるの? 明らかにおかしいでしょ? アルカに悪いとか、そういう感情はあなたにはないのかしら?」
「そ、それはもちろんあるさ……! でも、アルカよりも前に君とは婚約していたのだから……」
「アルカより前に婚約していたから、何なの?」
「レレイには、ずっと僕のことを引きづっていて欲しいな……と思ってしまって……」
私はクローヴィスの言葉に失笑してしまった。私は彼の中で、ずっと都合の良い女だったのだから。一般人であれば、この手のタイプの人間が多そうだけれど、まさか貴族の立場でこんな男が居るとは思わなかったわ。貴族は無駄にプライドが高いから、弱音を見せたくない人間が多いはずなんだけれど。
ここまでハッキリと言えるなんて……我が幼馴染ながら、最低な人間のようね。
「いい加減にしてよね……!」
「いい加減にしてもらいましょうか、クローヴィス殿」
「えっ……?」
私と同時に怒りの言葉を発する人物が居た。ラインハルト様だ。彼からは、今までの穏やかな表情が完全に消えていた。
「本当に情けない……伯爵令息とは思えない振る舞いの数々。幼馴染であり婚約者でもあった人物を、まるで道具か何かのように思っている言動。そして、自分は成長する気はないが相手には必要以上に求めてしまう性格……どれをとっても最低の部類です。その全てを兼ね備えている人間は、なかなか居ないと言えるでしょう」
「ラインハルト様……? ぼ、僕はただ……! レレイに戻って来てほしくて……!」
「彼女はあなたとやり直す気など、微塵もないように感じますが?」
「そ、そんな……!? 僕がこんなに頼んでいるのに……! レレイ!」
クローヴィスは目に涙を浮かべて私を見ている。しかし、そんな懇願をされても私が言えることは1つしかない。私は首を左右に振りながら答えた。
「無理に決まっているでしょう、クローヴィス? お願いだから分かって……今のあなたがするべきことは、成長でしょう? アルカを大切にしてあげて……お願いだから。私のことをまだ愛しているというなら、それだけは守って欲しいわ」
「レレイ……」
クローヴィスは完全に自分を否定されたショックからか、その場に崩れ落ちてしまった。私とラインハルト様のダブルパンチ……その威力は非常に高く、彼は完全にノックダウンしたようだ。
感想 45
あなたにおすすめの小説
私はあなたの前から消えますので、お似合いのお二人で幸せにどうぞ。
私には10歳の頃から婚約者がいる。お互いの両親が仲が良く、婚約させられた。
いつも一緒に遊んでいたからこそわかる。私はカルロには相応しくない相手だ。いつも勉強ばかりしている彼は色んなことを知っていて、知ろうとする努力が凄まじい。そんな彼とよく一緒に図書館で楽しそうに会話をしている女の人がいる。その人といる時の笑顔は私に向けられたことはない。
そんな時、カルロと仲良くしている女の人の婚約者とばったり会ってしまった…
【完結】美しい人。
「あなたが、ウイリアム兄様の婚約者? 」
「わたくし、カミーユと言いますの。ねえ、あなたがウイリアム兄様の婚約者で、間違いないかしら。」
「ねえ、返事は。」
「はい。私、ウイリアム様と婚約しています ナンシー。ナンシー・ヘルシンキ伯爵令嬢です。」
彼女の前に現れたのは、とても美しい人でした。
記憶がないなら私は……
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。 *全4話
婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました
私セイシェル・メルハーフェンは、
あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。
ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。
けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。
『我慢するしかない』
『彼女といると疲れる』
私はルパート様に嫌われていたの?
本当は厭わしく思っていたの?
だから私は決めました。
あなたを忘れようと…
※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。
わたしにはもうこの子がいるので、いまさら愛してもらわなくても結構です。
伯爵令嬢のリネットは、婚約者のハワードを、盲目的に愛していた。友人に、他の令嬢と親しげに歩いていたと言われても信じず、暴言を吐かれても、彼は子どものように純粋無垢だから仕方ないと自分を納得させていた。
けれど。
「──なんか、こうして改めて見ると猿みたいだし、不細工だなあ。本当に、ぼくときみの子?」
他でもない。二人の子ども──ルシアンへの暴言をきっかけに、ハワードへの絶対的な愛が、リネットの中で確かに崩れていく音がした。
旦那様は私より幼馴染みを溺愛しています。
旦那様はいつも幼馴染みばかり優遇している。
疑いの目では見ていたが、違うと思い込んでいた。
そんな時、二人きりで激しく愛し合っているところを目にしてしまった!?
大好きな恋人が、いつも幼馴染を優先します
騎士のロバートに一目惚れをしたオリビアは、積極的なアプローチを繰り返して恋人の座を勝ち取ることに成功した。しかし、彼はいつもオリビアよりも幼馴染を優先し、二人きりのデートもままならない。そんなある日、彼からの提案でオリビアの誕生日にデートをすることになり、心を浮き立たせるが……。
貴方の運命になれなくて
運命の相手を見つめ続ける王太子ヨアニスの姿に、彼の婚約者であるスクリヴァ公爵令嬢リディアは身を引くことを決めた。
ところが婚約を解消した後で、ヨアニスの運命の相手プセマが毒に倒れ──
「……君がそんなに私を愛していたとは知らなかったよ」
「え?」
「プセマは毒で死んだよ。ああ、驚いたような顔をしなくてもいい。君は知っていたんだろう? プセマに毒を飲ませたのは君なんだから!」