前世で人生の落伍者だった俺が貧乏男爵家に生まれて前世の知識を使っていたら最強の近代国家になっていた。

黒ハット

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第4話、ギフ王都に行く

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 今日はいよいよ成人の儀に参加する為にギフ王都に出発する日だ。

 この領地からギフ王都までは馬車で10日間の旅になるが、途中に盗賊やモンスターが出るので警護の兵士10人も連れて行く。

 俺は領地から出るのは初めてなので旅の途中で見る、この世界がどんなものか知れるのでワクワクしている。

 領地を出ると寒々とした荒れ地でその荒れ地が2日間も続き夜はテントの中で寝ている。

 道は勿論舗装などされていなく雨が降れば泥濘が出来るので馬車では進めないので雨が降らない事を願っている。

 3日目に子爵領に入ったが領都は一言で言えば汚い街で道路には糞尿やゴミで嫌な匂いがするほどだ。

 その後の領地の街も同じで余りにも不潔でこれでは衛生状態が悪く病気が蔓延して早死にするはずだ。

 俺の領地も衛生状態が悪いので帰ったら街を作り直して上下水道を整備するつもりだ。

 道中、盗賊なども出なく弱いモンスターは何度か出たが、護衛の兵士が倒して予定通り10日目にはギフ王都が見えて来た。



 王都には大きな門が二つあり平民の通る門には大勢の人が並んでいたが、俺たちの馬車は貴族専用の門から直ぐに街に入れた。

 街に入ると驚いた。

 何故かと言うと王都の街も今までの街と同じで、道路には至る所に糞尿やゴミが捨てられていたのだ。

 川にも糞やゴミが浮いているがその川で洗濯して、驚いた事にその汚い水を飲み水にしているのには驚いた。

 道を歩いている人はそれが当たり前なのか気にしている人はいないみたいだ。

 平民街を抜けると貴族街で、川にも糞やゴミが流れていて平民街よりは少ないが道路には糞尿やゴミが捨てられていたのには呆れたのだ。

 他の国は知らないがアルジェ王国は不衛生で食糧不足なので子供が5歳までに半分が亡くなり、平均寿命が50歳と短いのも当たり前だ。

 こんな国を近代化など問題が山積で何十年かかるか分からないので頭が痛い。

 俺たちは宿舎の王宮に行くと、まるで別世界で門にはまるでお伽の世界のような赤い帽子を被り、赤い騎士服を着て金色の鎖を付けた兵士が門を警備している。

 門の中に入ると広い公園のような庭には季節の花々が咲き乱れ、中央には川が流れていて王宮はこれでもかと言う程豪華な作りでこれも税金で作ったと思うと、平民は貧しい暮らしをしているので怒るよりも呆れたのだ。

 宿舎も広く豪華で俺たちの屋敷の何倍も広くもう何も言えないくらいだ。

 父上も同じ思いなのかただ一言。

「税金の無駄使いだ」と言っていた。

 二日後に成人の儀が豪華な大広間でおこなわれ全国の貴族の成人になる子供が参加すると言っていたが、人数は思ったより少なく50人くらいだ。

 大広間に椅子は用意されていなく絨毯に座って待っていると、司会者が。

「今からバサラ・アルジェ陛下がお出ましになるので平伏して陛下の許可が出るまで頭を上げないで待ちなさい」

 まるで土下座をして待てと言うのか、嫌になるぜ。

 暫くすると陛下が入って来て。

「皆の者! 面を上げよ」

 やっと許可が出て頭を上げると、でっぷりと肥えた狸みたいな親父がキンキラキンの豪華な衣装を着ていたのは余りにも似合わなく不細工で不謹慎だが笑えた。

 最も俺はそんなことはおくびにも出さずにいたが、その狸おやじが。

「皆の者! 初めて会うが余がこの国の国王のバサラ・アルジェである。成人おめでとう。今後は国の為に誠心誠意尽くしなさい。お祝いの食事を用意しているので存分に楽しみなさい。以上だ」

 俺は茶番劇に呆れて言葉もなかったのだ。

 その後、教会の司祭長が一人ずつ個室に呼び鑑定魔法で見てスキルを教えていたが、中には魔法を使えないと言われて泣き出す者もいた。

 貴族の子供で魔法を使えない者は平民に追放する親もいると聞いてビックリした。

 俺は隠ぺい魔法でステータスの数字を低くしてスキルは平凡な木魔法にしておいたので、目立つこともなく終わった。

 こんな馬鹿な成人の儀に強制的に参加させられてその為の費用と時間が勿体なかった。

 それよりも領地開発していた方が余程良かった。

 父上は貴族の義理と情報を入れる為に高位の貴族の挨拶回りで3日間は王都に滞在したが、俺は汚い王都を見て回る気もなく宿舎でのんびりしていた。

 3日目に余りにも暇なので商店街を見て回る事にした。

 店を見て回ると、食料品店には品数も量も少なく値段も高くこれでは平民が飢えるのも当然だと思った。

 調味料は岩塩と辛子だけで砂糖はなかったが、岩塩の値段が高かったのは驚いて味付けが薄い理由が分かった。

 歩いていると冒険者ギルドを見つけて中に入ってみると、魔石の買い取り場があるのを見て、そう言えば魔法の練習でモンスターを倒して魔石を空間カバンに入れていたことを思い出し売ることにした。

 魔石は30個あるので全部売ると何と、250万ルフにもなりビックリした。

 領地を開発するにはお金もいるので領地に帰ったらモンスターを沢山狩り、空間移転で王都のギルドに来て魔石を売って開発費用を作る事にした。

 流石に王都だけあって街には獣人族、エルフ族、ドワーフ族も見かけたが、首に奴隷の首輪をつけている奴隷も多い。

 その晩普段は無口な父上が。

「リュウト、成人したから言うが、お前は何故そんなに何種類の魔法が使えるのだ。常識では考えられん。それに高熱を出してからのリュウトは別人みたいだ」

 俺は遅かれ早かれこの世界と違う文明の進んだ世界の記憶を持っている事と、ローラ女神の使徒だと言う事を言わなければいけないので良い機会なので父上に全てを話した。

 父上は俺が話し終えると暫く考えてから。

「この世界を変えるのは容易な事ではないがわしも協力するから思うようにしなさい」

 俺の御伽噺のような話を信じてくれたと言うより、俺を信じてくれて協力すると言った、父上は懐の広い人で俺はこの人の子供に生まれて良かったと感謝したのだった
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