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第2話、王宮にて,1
しおりを挟む目を覚ますと、見た事も無い綺麗な部屋でフカフカのベッドで私は寝ていました。
私は、死んで此処は天国なのかしらと思いました。
確か、馬車に乗せられて魔物の住む森に捨てられたはずです。
最後の願いを神様が聞いてくれたのでしょうか?、苦しまずに死ねて、神様がお詫びに天国に送ってくれたのだろうと思いました。
目覚めて少しすると綺麗なお姉さまが来て。
「目覚めましたか、身体の加減はいかがですか、痛い所は有りませんか?」
私は、綺麗なお姉さまはどうしてこんな事を聞くのだろうと思い。
「あのぅー、此処は天国では無いのですか?
私は死んだはずなのですが」
「ウフフ、貴女は死んでいませんし、ちゃんと生きていますよ。私は、今日から貴女のお世話をする侍女のサヨと言います、宜しくね、貴女のお名前は何とおっしゃいますの?」
私は、生まれてから、あの虐待されていた2人しか知らないで生きて来たので、どうしていいのか分からずに困ってしまい。
「あのぅー、すみません、名前は有りません、生まれてからお前と呼ばれて、今まで名前を呼ばれた事が無いので」
侍女のサヨお姉さまは驚いた顔をして。
「チョット待っていてね」
少しすると、とても綺麗な大人の女性と、物凄く綺麗な絵本の中の王子様みたいな2人を連れてサヨお姉さまが戻ってきたのです。
大人の綺麗な女性が、優しく話しかけてくれたのです。
「貴女は、今までどんな暮らしをしていたの?分かる事だけで良いから話してくれるかしら」
私は、生まれてから今までトイレ以外は本の沢山ある埃まみれの図書室の隅の中で暮らしていて、窓から外を見る以外に外に出たことが無く、毎日のように鞭や棒で殴られて早く死ねと罵られて、窓から見ていた季節が12回位変わったので年齢は多分12歳で今回は森の中に捨てられた事を話しました。
サヨお姉さまが涙を流して私を抱きしめて。
「可哀そうに、酷い虐待を受けていたのね、だから身体中が傷だらけなのね」
王子様みたいな男の人が。
「育った家の事は覚えていないかな?例えば虐めていた人の名前とか、何でも良いけれど」
考えましたけれど、何も聞いた事が無いので、いつも虐めていた人の名前も聞いた事が無いので。
「ゴメンナサイ、何も聞いた事が無いし、何も知らないのです」
大人の綺麗な女性が。
「フゥー、困ったわね、身元が分かりそうも無いわね」
「あのぅー、此処は何処なのでしょうか?」
サヨお姉さまが。
「此処は王宮よ、王太子様が森で貴女を見つけて連れて来たのよ」
「ええー、王宮なんですか?もしかして二人は、王妃のスズリャ・アスクルト様と王太子のトムウッド・アスクルト様なんですか」
「えっ? 君は何で僕たちの名前を知ってるの?」
「私は、図書室の中で暮らしていたので、図書室の本を10年以上も何回も何回も繰り返し読んで、この国の歴史や文化、貨幣、経済、農漁業、計算の仕方を知りました」
トムウッド王太子様が驚いて。
「君は、独学で文字を覚えて本を読んでいたのかい?」
「はい、何となく絵本を見ている内に文字を覚えました」
スズリャ王妃様は驚いて。
「貴女はまだ多分12歳なのに、もしかして天才かも、じゃぁ、本で読んで覚えた経済の事を話してくれる」
私は本で読んだ経済の仕組みを話して流通の仕組みを話し,魔法具でもっと早く物を大量に運べるように出来ればもっと良いのにと話しました。
「信じられないが、この子は12歳とは思われない、学園の教授クラスの知識の持ち主だ、母上この子を王宮で育てましょう」
「そうね、陛下にも相談して、この子の将来を考えてあげなくてわね。サヨ、今日より貴女をこの子の専属の侍女にします、面倒を見てあげてね」
「はい、かしこまりました。誠心誠意お仕えいたします」
私には何が何だかわかりませんが、どうやら孤児院とかには預けられないみたいなのです。
その後に、王太子様を部屋から追い出して、王妃様が私を裸にして、身体中の傷を調べてから、強い治癒魔法を掛けて下さいました。
お陰で顔は勿論、身体中の傷が無くなり、痛みも消えて気分が良くなりました。
応援ありがとうございます!
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