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8話 王立学園で2
しおりを挟む新入生が入学して3か月が過ぎ、授業が終わると図書館に行くのが日課のリュウトは、この日も図書館に来ていた。
読みたい本を探していると、表紙が破れかけている表紙には何も書かれていない、所々が虫に食われて破れている薄い古い本を見つけた。
開いてみると、中に題名が【神話】と書かれている。
興味を持ち、本を手に取って椅子に座り読み始めると所々虫が食ったのか文字が読めない場所もある。
此の世界は、昔々に創造の女神様が作り出した世界で、最初に大陸を作り。
生命の因子を大陸に撒いて千年後に人族、エルフ族、獣人族、ドワーフ族、少数民族、等の人類族が誕生するようにしました。
作り出した世界に、天使族から優秀な天使を選び、色んな能力を与えて△▽△▽人族として、生まれたばかりの此の世界を守る役目を与えた。
△▽△▽族は、種族としては数が少なく、
大陸の△▽△▽地方に隠れ住んで、此の世界の危機に現れて世界を神の代わりに守る様にしたのである。
その後に、創造の女神様の住む天界に異変が起き。
【此の世界の管理を任せて欲しい】
と要求する△▽△▽天使が現れて、創造の女神様に、世界の管理は神の仕事と言われて、此の言い出した△▽△▽天使は、仲間を募り、無謀にも自分たちの意見を通す為に、仕えるべき神々に対して戦いを挑んだのだ。
神々に負けて拘束され、天使の位と力を半減されて、堕天使とされて天界から追放された。
本を、半分位の此処まで読むと、図書館の係員が時間ですので閉館しますと言われて、本を元の本棚に戻して自宅に帰ったのでした。
次の日の放課後に、昨日の本の続きを読もうと思い。
図書館に行き、昨日に置いた本棚に行くと、あの本は無く、図書館の係員に聞くと、係員は怪訝そうに。
「そんな本は見た事がありませんよ」
「えっ? でも僕が昨日半分まで読んだのですが、薄い古い本で表紙には何も書かれてなく、所々虫に食われてある本ですが」
「そんな古くて破れかけた本なら、復元させて展示しますから、そんな本は、あるはずがありませんよ、もしかしたら夢をみたのではいのですか?」
係員に言われて、腑に落ちないので、よく探したが本当にあの本は見つからずに、狐に化かされた気分だったのだ。
しかし、あの本に書かれていた神話は、忘れる事が出来ずに彼の心に刻まれた。
此の事をナナファーナとダンライに話すべきか迷ったが、信用されずに馬鹿にされると思い話さなかったのでした。
座学は余りにも簡単過ぎて、その時間の教科書に、図書館から借りた魔法の本を挟んでバレないように読んでいる。
魔法の座学でも習ったが、魔法を発動させる時は、命令文を唱えるのが当たり前で、生活魔法で薪に火をつける時は。
「火を点火せよ」飲み水を出すときは「飲み水を出したまえ」と言う風に、命令するような言葉で魔法を発動するのが常識で、僕の様に無詠唱で魔法を発動出来る人はいないのでした。
魔法の座学は問題無いが、魔法の実技は学園長から許可が下りないので、いつも見学だけなので退屈なのだ。
休日や時間の空いている時は、自宅の裏山で色んな魔法を練習し、剣の素振りも真剣を使い毎日続けて素早く木を切る訓練もしている。
剣も普通の人には見えない位の速さで木を切る事が出来るようになった。
そんなある日に、いつもの3人で昼食を食べている時に、ダンライが。
「毎年恒例の野外実習は、クラス20人を4人ずつの5班に分けて、課題を出してその課題を達成しないと、卒業の点数が貰えないらしい。僕たち3人に、もう一人クラスの誰かを入れてないといけないから、ナナファーナとリュウトに心当たりの人はいないか」
ナナファーナと僕も、A組のクラスメートを思い浮かべたが、3人共、余り付き合いが無いので3人で此の班に合いそうな人を探す事にした。
次の日に気になるクラスメートたちを鑑定してみる事にして、最初にナナファーナとダンライ鑑定すると。
ナナファーナ・オスガン、
オスガン王国、第一王女、
年齢、16歳
種族、人族
魔力、300
能力、 4
聖、水の属性
職業、聖女
ダンライ・ランキン
ランキン公爵家、長男
年齢、 16歳
種族、人族
魔力、300
能力、 4
火、雷の属性
職業、剣神
ナナファーナとダンライの鑑定の結果は、やはり職業は、自己紹介の時に言った天使教から授かったのと違い、ナナファーナが魔法士で聖の属性⇒が【聖、と水の属性で職業、聖女】
ダンライが剣士で、水の属性が⇒【火と雷の属性で剣神】
「2人とも魔法の属性が一つと違い二つの属性だったのだ」
その他の気になるクラスメートを鑑定すると体格の良い、此の国では珍しい黒髪の女性のステータスが。
サヨナァ・シャロム
シャロム辺境伯家、長女
年齢、 16歳
種族、人族
魔力、300
能力、 4
水、土の属性
職業、魔法槍士
何と、やはり二つの魔法の属性を持っていたのだ。
天使教から授けられる魔法の属性は、一つだけのはずなのにと思い、此の事を本人たちに話す訳にも行かずに悩み、龍神教会の司祭長ザガントに相談する事にしたのだ。
学園の帰りに龍神教会に行き、サガントにクラスメートを鑑定した結果を話すとサガントは。
「やはりそうですか。でも、生死を共にする位信用出来る様になるまでは、話さない方が良いと思いますが、それにしても・・・・・・・・」
最後の方が聞こえなかったので。
「ん? 何か言いましたか」
「いえ、それよりもリュウト様は、学園生活を楽しんで信用出来る仲間を作って下さい」
サガントの言葉が腑に落ちなかったが、いつもの事なので時期が来たなら話してくれると思い、自宅に帰った。
次の日の昼食時に、いつもの3人で食事を終わると、ナナファーナとダンライに。
「シャロム辺境伯は、どんな人なの?」
「シャロム辺境伯は、国境を守るシャロム領の領主で、剣の達人でお父様とは学園の同級生で親友みたいよ」
「そうなんだ。あのさ、シャロム辺境伯令嬢のサヨナァ様を僕たちの班に入れる事はどうかな?」
「そうか、サヨナァ嬢なら良いかも知れないな、僕は何度か話した事があるから誘ってみるよ」
その日の放課後に、ダンライがサヨナァ嬢を連れて来て、ナナファーナと僕に紹介して。
「サヨナァが僕たちの班に入る事になったよ」
「私は、シャロム辺境伯の長女のサヨナァ・シャロムです。ナナファーナ様の班にお誘いいただきありがとうございます。宜しくお願い致します」
「こちらこそ、私たちの班に入ってくれてありがとうございます、宜しく。リュウト貴方がサヨナァを班に入れようと言い出した癖に、挨拶をしなさいよ」
「僕は、リュウト言い、平民なのに、何故か此のグループにいます。宜しくお願い致します」
「貴方が噂のリュウトね、どうして私に目を付けたのかしら、もしかして私を口説くつもりなの?」
「えっ? そんなつもりは微塵もありません。単純に戦力に成ると思ったからです」
「貴方ね、そんな事を言われたら、私に女の魅力がないみたいでしょう。少しはお世辞でも良いから気のあるような言い方をしなさいよ」
「ウッフフ、そうね、リュウトは女心をもう少し勉強しなさいよ」
「うん、全くだ! リュウト、サヨナァに謝れ」
リュウトは、3人に女心を知らないと言われて、前世も含めると42年間、女性と付き合った経験が無く、童貞の自分が女心を分かるはずもないと思いながら。
「サヨナァ様すみませんでした、もう少し女心を勉強します」
「アッハハ、リュウトは思ったより真面目なのね、女心なんかを勉強しなくて良いわよ。それより私に様は付けないで、2人と同じく呼び捨てでサヨナァと呼びなさい」
こうして、男みたいな性格のサヨナァが仲間になったのである。
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