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49話 ナチラス聖国の大聖堂に乗り込む決意をする

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 ドアイル帝国とバンダイ公国の戦いから、1か月が過ぎた。

 堕天使であるサリスン・ナチラス教皇が支配するナチラス聖国の動きは無く静かすぎて不気味な感じだった。

 それから、しばらくしてサスハが報告に来て。

「聖国が動かない理由が分かりました。魔物の召喚を聖国の郊外の荒れ地でしているのを見つけて観察した所、SS級魔物の召喚をする訓練をしていてSS級魔物の召喚が出来るようになったら動き出すみたいです」

「召喚魔法を使うのは、教皇自らしているのか?」

「召喚魔法は、50人の巫女がしていました。S級魔物を千体の召喚が可能みたいです。SS級魔物の召喚が出来るのは、あと半年位は掛かるらしいと話していました」

「そうか、巫女か・・・・・・その巫女たちから目を離さないようにサスハの部下たちに命じてくれ」

 リュウトは、堕天使の支配するナチラス聖国とドアイル帝国と戦えば、両国の罪の無い国民や操られて戦わされている兵士たちの事を考え戦争を避けて堕天使と、その配下たちだけと戦う方法はないか考えていたのだ。

 だが、いくら考えても、やっぱり強行突破するしかないと思い、リュウトは、1人で聖国の大聖堂に乗り込む事を決意した。

 仲間たちや皆を巻き込まない為に、内緒で1人で大聖堂に行くつもりだったがサビオ俺の部屋に来て。

「リュウト、やっぱり。1人で聖国の大聖堂に乗り込むつもりか?」

「いや、そんな事をするつもりは無いが、サビオはどうしてそう思うのだ」

「私が、何年生きていると思う。2千年前には、前龍神王と一緒に堕天使と戦った経験もあるので今のリュウトが何を考えているか位は、お見通しだ。此処、2~3日のリュウトの様子を見ていたら、何を考えているかわかるさ」

「・・・・そうか!・・皆に黙っている気は無さそうだな」

「当たり前だろう。こんな時にこそ一緒に戦うのが仲間と違うのか。それにリュウトに置いて行かれたと知ったら皆は、直ぐに追いかけるのは目に見えているはずだ」

「分かった! 皆に話すよ」

 リュウトは、サビオに言われて以前にダンライが一蓮托生だと言った言葉を思い出し。皆を巻き込まない様にと思ったのは、自分の独りよがりだと気づき。

 必ず堕天使たちを倒すために皆で協力して総力を挙げて戦う準備を始めたのだ。



 2日後にリュウトの作戦を説明して不測の事態に備える為に会議を開いた。

 王国からは、バイセラ・オスガン国王とランキン宰相、ジャンク・カルカ将軍、ガンゾイ・シャロム辺境伯。

 公国からは、ナルアン・パイオニ国王と軍務大臣ザーガイ・ガオンそれに仲間が移転扉城に集まりリュウトが。

「此の儘では、4か国が戦争に巻き込まれて大陸中の国民が甚大な被害に合い尊い命が失われるだろう。だから、堕天使の本拠地である聖国の大聖堂に乗り込んで堕天使と配下の魔人と巫女たちに決戦を挑み倒すつもりだ。それについて皆の意見を聞きたい」

 公国の軍務大臣のザーガイが手を挙げて。

「リュウト様の案には賛成ですがわしたちは、どうすれば良いのですか」

「不測の事態に備えて欲しい。もしかしたなら、魔物を召喚して公国と王国を襲わせるかも知れないのでシャロム辺境伯、ザーガイ、ジャンクには、それに備えていつでも戦えるように準備をお願いしたい」

 3人が同時に。

「分かりました。任せて下さい」

 それから、細かい事まで打ち合わせを話し合い、作戦を実行に移す事にしたのだ。

 大聖堂に乗り込むのは、リュウトと、ナナファ―ナとライナにサヨナァとダンライ、サビオ、諜報部のハンドイ、サスハ、サイゾィの8人だ。

 決行の前夜に8人が集まり話をしているとナファ―ナが。

「絶対に無理をしないで必ず全員が無事に帰って来られるようにしましょう」

 サヨナァとライナが。

「当たり前よ! 無事に帰って合同で結婚式を上げなくちゃねー」

 サビオが悲しそうに。

「おいおい、私は相手がいないのに置いてきぼりか」

「2千年以上も生きていて彼女の1人もいないとは、リュウトよりヘタレがいるとは思わなかったよ」

「おい、ダンライ俺がヘタレなのは認めるが2千年の眠りから覚めたばかりのサビオに彼女がいないのは仕方ないだろう。所でサビオは眠りにつく前も彼女がいなかったのか」


「いたが、彼女は、私を振って違う男と結婚しやがった。俺の方が優しくていい男なのに何であんな男と結婚したのか今でも分からん」

「え~! サビオ振られたの~~~」

「五月蝿いー!・・古傷をえぐるな」

 サビオの思わぬ告白に全員がお腹を抱えて笑い転げたたのだ。

 あれはサビオが明日の戦いに緊張している皆の緊張を解くための演技だと思い。伊達に2千年以上生きていないと思い感謝したのだ。

 その晩にベッドに横になったが明日の事を考えると眠れずにいた。

 部屋のドアをノックしてナナファ―ナが。

「チョツトお邪魔して良いですか」

 こんな時間に何事かと思い。

 ドアを開けるとナナファ―ナとライナがネグレジェ姿で部屋に入って来たのだ。

 リュウトは、2人の体のラインが透けて見えるお揃いのネグレジェ姿に見入り、慌てて目を逸らして。

「ど、どうしたの?」

 2人は、微笑みながら。

「明日の事を考えると眠れなくてリュウトと3人で寝る事にしたのよ。一緒に寝ましょう」

 リュウトは、気が動転して、そのまま2人に腕を取られてベッドに連れていかれ。

 両側に2人の美女に腕を抱かれて弾力のある胸を押し付けられ、心臓が早鐘を打って頭が混乱したのだ。

 意に反して下半身が反応したが2人はスヤスヤと寝息を立てて眠りにつき、リュウトも明日の事を考える事も出来ずに何時しか眠りについたのである。

 朝に気が付くと2人の姿は無く、狐に包まれた気分だったのだ。
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