54 / 85
第2章 七魔編-七魔団結成-
[第10話:Nox Ante Dimicationem]
しおりを挟む_
BOX・FORCE本部正面に、7人の黒いローブの人影が集まった。
その姿は、各々メンバーと初対面の頃から大きく変化し、風格や姿形そのものが"悪魔"と化していた。
「…まさか、ここを攻める日が来るなんてな…。」
チャンはそう呟いた。
彼はかつて所属していた組織に、今は敵対しようとしている立場であるという不安を隠せずにいた。
「あれ?ビビってんの?アジア1位?のくせに。」
チャンの横に並び、大きなハンマーを肩に担いだ
道影は、チャンを煽ってみせた。
彼は、"交戦"など日常茶飯事と捉えている。
その道影の堂々たる姿は、"咬惡須"のリーダーから"七魔団"の団員へと風格が変わっていた。
「…大丈夫だ。俺たちは今から、真の"悪魔"を制裁する。俺たちの"悪魔"の力は、最強だ。」
真ん中に立っている樫間が、羽織っている黒いローブのフードを外した。
その青白い髪が、夜風に靡いている。
それを合図にするかのように、全員がローブのフードを外した。
そして各々、"七魔箱"を解放した。
「…準備はいいか?"七魔団"。…フォーメーション、"Diaboli(デォアボリ)"っ!」
樫間が両手に手にした白と黒の剣"アスモレウス"の持ち手を握りしめて、力強く叫んだ。
「「「了解っ!!」」」
"七魔団"は、BOX・FORCE本部に向かって走り出した…。
_
こうして、"七魔団"は"BOX・FORCE"に奇襲を仕掛け、"BOX・FORCE"に衝撃を与える事に成功したのであった。
_
_
一方、同じ頃
東京渋谷区初台_
「…間違いねぇ…。この感じ…近くにいるのか…?」
大通り沿いの歩道を、1人の男が必死に走っていた。
長く伸びた前髪が左右に揺れ、身に纏っている緑色のツナギは、所々汗で染みていた。
すると、男はふと何かに気が付きその足を止めた。
大通りの路肩に停められた、青のスカイラインGT-Rに寄りかかる1人の人物が、その男の姿を見ていた。
その人物はこう呟いた…。
「…久しぶりだネ…。」
_
片や、同時刻
新宿_
一面ガラス張りのその部屋からは、東京の街が一望できた。
とあるビルの最上階。
夜景の広がるその景色を眺めている人物がいた。
「…世界のシナリオが、大きく動き始める時が来た…。」
都会の光が一面に広がっているその景色を見下ろしながら、その人物はそう言った。
すると、その人物のいる部屋のドアが開いた。
その人物はドアの方をチラッと振り向くと、再び目線を窓の外へ向けた。
微かに灯る部屋の灯りのお陰で、その窓にドアから入ってくる別の人物の姿が映っていた。
部屋にいた人物は、一言だけ呟く。
「…やぁ、君たち。待っていたよ。」
_
七魔編-序篇- ~終~
_
次回、七魔編-七魔団vs BOX・FORCE- ~開幕~
_
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
アラフォーリサの冒険 バズったSNSで退職からリスタート
MisakiNonagase
恋愛
堅実な会社員として働いてきた39歳のリサ。まだまだ現役の母親と二人暮らしで高望みしなければ生活に困ることはなく、それなりに好きなことを楽しんでいた。
周りが結婚したり子育てに追われる様子に焦りがあった時期もあるなか、交際中の彼氏と結婚の話しに発展した際は「この先、母を一人にできない」と心の中引っ掛かり、踏み込めないことが続いてきた。
ある日、うっかりモザイクをかけ忘れインスタグラムに写真を上げたとき、男性から反応が増え、下心と思える内容にも不快はなく、むしろ承認欲求が勝り、気に入った男性とは会い、複数の男性と同時に付き合うことも増え、今を楽しむことにした。
その行動がやがて、ネット界隈で噂となり、会社の同僚達にも伝わり…
リサは退職後、塞ぎ込んでいたが、同じような悩みを抱えていたカナリア(仮名)と話すようになり立ち上がった。ハローワーク経由で職業訓練を受講したり、就活したり、その間知り合ったり仲間と励まし合ったり、生きる活力を取り戻していく…
そして新たな就業先で、メール室に従事する生涯枠採用の翔太という男性と知り合い、リサの人生は変わる…
全20話を予定してます
冴えない建築家いずれ巨匠へと至る
木工槍鉋
ファンタジー
「建築とは、単なる箱を作ることではない。そこに流れる『時』を設計することだ――」
かつてそう語り、伝説の巨匠と呼ばれることになる男も、かつては己の名前に怯えるだけの冴えない二級建築士だった。
安藤研吾、40代。独立したものの仕事はなく、下請けとして「情緒のない真四角な箱」の図面を引き続ける日々。そんな彼が恩師に教えられた座標の先で迷い込んだのは、昭和初期を彷彿とさせる、魔法のない異世界だった。
現代の建築知識、そして一釘一釘を大切にする頑固大工との出会い。 「便利さ」ではなく「住む人の幸せ」を求めて、研吾は廃村に時計台を建て、水路を拓き、人々の暮らしを再生していく。
異世界で「百年の計」を学んだ研吾が現実世界に戻ったとき、その設計は現代の建築界をも揺るがし始める。 これは、一人の男が仕事への誇りを取り戻し、本物の「巨匠」へと駆け上がるまでの、ひたむきな再建の記録。
女神の白刃
玉椿 沢
ファンタジー
どこかの世界の、いつかの時代。
その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。
女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。
剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。
大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。
魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。
*表紙絵は五月七日ヤマネコさん(@yamanekolynx_2)の作品です*
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる