魔眼姫戦記 -Record of JewelEyesPrincesses War-

ひろすけほー

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独立編

第四話「最嘉と純白の連なる刃」

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 第四話「最嘉さいか純白の連なる刃ホーリーブレイド

 呼び出された屋上で久鷹くたか 雪白ゆきしろと話した後、俺は携帯電話で一年の鈴原すずはら 真琴まことを屋上に呼び出した。

 そして――

 俺が連絡した時に真琴まことは授業中であったのにも拘わらず、直ぐに屋上に駆けつけて来る。

 こういう時に向こうの世界と違って文明の利器は非常に重宝すると思う。

 こういう物が向こうの世界でも使えたら……

 なんて誰もが考えてきた事だろう。

 ――

 「…………」

 それは扨置さておき……

 今、俺の目の前には黒髪ショートカットの少女、鈴原すずはら 真琴まことがいる。

 再び説明するならば、俺の側近といえる人物は主に二人だ。

 一つ年上の”宗三むねみつ いち”と一つ年下の”鈴原すずはら 真琴まこと”であり、どちらも俺の従兄妹いとこである。

 そのどちらもが優秀で頼りになる忠臣だが、若干の問題が無いワケでも無い。

 それは……まぁ、直ぐに解るだろう。


 ――鈴原 最嘉オレの側近は有能だが……


 「……でだ、真琴まこと、大体のあらましは理解したか?」

 「はい、完璧に!」

 俺を捕らえた敵国の将、久鷹くたか 雪白ゆきしろと、俺の事となると見境が無くなる鈴原すずはら 真琴まことをいきなりじかに引き合わせると色々と問題がありそうな気がしたので……

 今は南阿なんあの”純白の連なる刃ホーリーブレイド”たる久鷹くたか 雪白ゆきしろには一時的に席を外してもらっていた。

 「なら今から……」

 「ラ、ラブレター貰ったんですよねっ!?!最嘉さいかさまぁぁっ!!」

 ――いや……そっちじゃなくて

 「違うって。これは交戦中である南阿なんあの”純白の連なる刃ホーリーブレイド”こと”久鷹くたか 雪白ゆきしろ”にだな……」

 今回の件である、俺がわざと捕虜となった狙いを一通り説明したのだが……

 それを聞いた後の黒髪ショートカット少女、鈴原すずはら 真琴まことが放った第一声はそれだった。

 「それは……その、理解しましたが……あの」

 モゴモゴとハッキリしない口調で恨めしそうに俺を見上げる大きめの黒い瞳。

 あの負けいくさの顛末と経緯はまんで話した。

 ある程度は作戦だった事と、今からその続きに取りかかることを……

 基本、頭の回転が速い真琴まことならしっかりと理解出来ているはずだ。

 「でも……その……じょ、女性から手紙を貰ったのは事実で……」

 「……」

 ――本当に俺中心だな、真琴まことは……

 俺は軽く溜息をいてから、それも仕方がないかとポケットに突っ込んでいた白い封筒を取り出す。

 「…………」

 それを見た真琴まことは真意を問うかのように俺の顔を凝視してくる。

 「だから、恋文ラブレターじゃないって。見て見ろ」

 「い、良いんですか?」

 「まぁな、そもそも今回は作戦内容を真琴まことに話してなかった俺にも非があるし……って、そうだ!後でいちにもちゃんと謝っとけよ?」

 真琴まことの事は勿論、宗三むねみつ いちと同様に信頼してはいるが、今回は事前に時間があまり無かった事と情報が漏れることを極力防ぐためにいくさに同行するいち以外には作戦内容を伝えていなかった。

 だが、それによって宗三むねみつ いちは――

 朝方、この鈴原すずはら 真琴まことによって結構な鉄拳制裁を加えられたらしい。

 いちもそんな状況なら内容を真琴まことに話せば良いのに……

 ほんとに融通が利かない真面目まじめ男だ。


 「……それは……は、はい」

 ばつが悪そうに目をらしながら頷き封筒を受け取る少女。

 「失礼……します」

 真琴まことは遠慮がちに、時折、俺の方をチラチラ盗み見ながら手紙に目を通す。

 ――いやいや、ホントにそんな大層なものじゃないって……

 「……」


 ”拝啓 清秋せいしゅうの候、貴国もますますご繁栄のこととお慶び申し上げます”

 ”平素は格段のご厚情を賜り、厚くお礼申しあげます”

 ”さて、この度は先の戦にて捕虜となられた鈴原すずはら様におかれましては、是非に拝聴致したい案件がございます”

 ”つきましては勝手ながら本日、早朝に屋上にてお待ち申し上げております”

 ”時節柄、皆様のご健勝とご活躍をお祈り申しあげます”

 ”敬具”

 ”十月二十日 久鷹くたか 雪白ゆきしろ

 ”鈴原すずはら 最嘉さいか様”


 「…………」

 「…………」

 微妙な沈黙が屋上を支配する。

 「おかしいです……これ」

 「だよな?やっぱりおかしいよなぁ」

 手紙の内容を読み終って暫くのち、真っ当な反応を示した少女に俺は大きく頷いた。

 ――そうだ、俺も最初は我が目を疑ったものだ

 けど、相手とは初対面みたいなものだし、あんまりツッコむ所じゃないのかなぁとか、気を遣ったりして流してたけど……

 ――ああっ!こんな事なら思いっきりツッコんでおいたら良かったぁっ!!

 ――くそっ!ストレスたまるなぁぁ!

 ――てか、久鷹くたか 、雪白ゆきしろ!得意先に手紙かよ!お前はサラリーマンか?

 ――”皆様のご健勝とご活躍”って!敵の陣営の繁栄願っちゃ駄目だろう!?

 「…………」

 ――けど、もし真剣マジだったら不器用にもほどがある。不憫なほどに……

 しかるべき時にしかるべき”ツッコミ”を出来なかった欲求不満でモヤモヤしている俺に黒髪ショートカット美少女は”うんうん”と同意して頷いてくれたのだ。

 ――やっぱり持つべきものは優秀な家臣だよな……

 「そうですよ。差出人は女性なんですから文末は”かしこ”ですよね?」

 「って!そこかぁぁいぃっ!!?」

 俺の消化不良だった”ツッコミ”は、かなりの周回遅れで尚且なおかつ違う種目にゴールしていた。

 「え……ええと?」

 「いや、もういい……というか、これでわかってくれただろう?この手紙は……」

 不思議そうな表情かおをする真琴まことから俺は手紙を取り戻すと、ポケットに無造作に詰め込む。

 途端に俺のポケットの中でクシャクシャになる手紙。

 ――ふふ、これが俺のせめてもの復讐だ

 鈴原すずはら 最嘉さいかの復讐は”ささやか”だった。


 「これで理解わかったろう?」

 「はい!私の最嘉さいかさまに色目を使う不届き者は久鷹くたか 雪白ゆきしろという女なんですね!」

 「…………頼むから会話をしよう、真琴まこと

 俺の側近は有能だが……少々問題があった。

 「?」

 「と、兎に角、真琴まことは”純白の連なる刃ホーリーブレイド”こと久鷹くたか 雪白ゆきしろとの密約の場所を大至急セッティングしてくれ」

 「は、はい、承知致しました」

 未だ不可解そうである真琴まことに俺はそう伝えた後で直ぐにさっき聞き出したばかりの久鷹くたか 雪白ゆきしろの携帯電話に連絡をする。

 プルルル――カチャ!

 「鈴原すずはらだ。さっきの件だが……ん?なんだ?なんか後ろが騒がしいけど!?」

 「最嘉さいかさま?」

 スマートフォンのスピーカーから聞こえる通話先の状況に異変を感じる俺、そしてその反応を見て隣で真琴まことが首を傾げる。

 「…………って!ば、ばか!お前なんで教室に居るんだよっ!…………はぁ?臨海高校ここの数学は難しい?授業まで受けたのか!…………いや、もう何もするな!今からそこに行くからジッとしてろっ!」

 ピッ!

 俺は通話を切ると雑に携帯電話それをポケットに押し込んだ。

 「最嘉さいかさま……何が?」

 「いや、こっちは俺がなんとかする。真琴まことはさっきの件を頼んだぞ!」

 大きめの瞳をパチクリさせる真琴まことを残して俺は小走りに屋上を去る。

 「あ、最嘉さいかさま!そんなに走られたら御御足おみあしがっ!」

 ――

 ダダダッ

 タッタッ

 タッ……

 最初は勢い込んだものの、直ぐに速度を落とす俺の足。

 ――くっ!感情に囚われてちょっとばかり無理をしすぎたか……

 結局、俺は校舎二階の二年の教室が並ぶ廊下を少しだけ早足で歩く為体ていたらくに落ち着いていた。

 最初は確かに走っていたんだが、ものの数秒でこのザマだ。

 まぁ、それは俺自身が一番、わかっていた事なんだが……

 ――

 その後――

 俺は心持ち熱を帯びた右膝辺りに違和感と少々の鈍痛を感じながらもなんとか一限目後の休憩時間内に目的の教室前に到着していた。


 「……」

 ――で、案の定だ

 ザワザワ!

 白金プラチナの髪と瞳が美しい少女の席周りには見事な人集ひとだかりが出来ている。

 「あの馬鹿、極秘裏にって事を知らないのか」

 これでよく諜報活動なんてしようと思ったものだと、呆れながら俺はその教室内に居る白金しろい美少女の元へ急ぐ。

 よっ!――はっ!――このっ!……と、

 興味本位の野次馬達をかき分けるのは今の状態の俺には中々の苦労だ。

 「久鷹くたかさんは今までどうして通学しなかったの?」

 「ばか!失礼だろ!それより久鷹くたかさん、すごく綺麗だよね?モデルとかしてる?」

 「ねぇねぇ、学校で分からない事があったら私に聞いてよ、結構顔が広いんだよ」


 ――大人気だな……

 いや、それも当然だろう。

 転校初日から一切登校していなかった謎の生徒が突然現れた。

 しかもその人物は超の付く美人で……

 「…………」

 諜報活動なんて目立たないのが大前提だ。

 ほんと、素性隠す気あるのか?こいつ……

 ――で、当の本人はと言うと……

 「……」

 返事をするどころか愛想笑いもしやしない。

 人形のように感情の無い表情かおでただ座っているだけだ。

 「はぁ……」

 俺は頭を抱えながら野次馬と化した学友共をかき分け、くだんの彼女の前に出る。

 「おい、お前なんのつもりだよ!」

 「……あっ……さいか」

 現れた俺の姿に緊張感の無い声を上げる白金プラチナの美少女。

 途端に”おおぉぉっ!!”と、どよめきが上がる。

 ――返事しただけでこれかよ……天然記念物並の有り難さだな

 だが……

 「”あっ、さいか”じゃない!」

 「?」

 「だ・か・らぁっ!なんで授業を受けてんだって聞いてんだよっ!」

 俺の苛立ちを抑えきれない問いかけに暫し思考する白金プラチナの瞳。

 「お前……」

 「…………………………がくせい……だから?」

 席に座ったまま、少し小首を傾げた白金プラチナの瞳の美少女はそう答えた。

 おおぉぉっ!!と再びどよめきが上がる。

 ――ぐっ……やりにくい!

 俺は目前の白金しろい美少女に視線で伝えることにした。

 「…………」
 (兎に角、来い!交渉のセッティングは出来ている)

 白金プラチナの瞳はこう返してきた。

 「……」
 (でも、もうすぐ二限目の授業が……)

 ぷちっ!

 俺の中でなにかが切れる音がした。

 「…………」

 ぷにっ!

 「ひゃっ!」

 俺は彼女の白い頬をつねり上げたのだった。

 そして、戦場で恐れられる武人”純白の連なる刃ホーリーブレイド”からは想像も出来ない可愛らしい悲鳴。

 おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!

 その様子に、今までで一番の歓声が上がっていた……って、もういいわっ!!

 「いいから来いっ!くそ、お前とはトコトン話し合う必要があるようだな!」

 マシュマロのように柔らかく滑らかな手触りを密かに堪能しつつも、俺はそれを誤魔化すように声を荒げていたのだった。


 ――

 ――自己嫌悪だ……

 ――ガラにも無い事をした


 今は未だ目立つわけには行かない。

 如何いか臨海りんかい領内だとはいえ……

 「…………」

 早々に彼女を連れて学校を出た俺は肩を落として”とぼとぼ”と歩いていた。

 ――なのにさっきの俺の行動は何だ?

 目立ちすぎる彼女を抑えに行って……

 ――これじゃあミイラ取りがミイラに、だ

 俺はそんな自己嫌悪に陥るながらも、後ろをついてくる少女のほうを振り向く。

 「わかってるのか?お前にとっても目立つのは不味まずいんだぞ」

 ――――――――あれ?

 振り向いた俺はある違和感を感じた。

 「お前……いま、笑ってなかったか?」

 「?」

 俺の後ろを二、三歩離れて歩く白金プラチナの美少女は”ふるふる”と首を横に振る。

 ――いいや、確かに笑っていた。というか……微笑んでた?

 いったい、なんのつもりだ?

 腑に落ちない俺はもう一度、彼女の端正な顔をマジマジ見るが……

 「……」

 彼女はもう普段通り、感情の薄い人形のような澄まし顔で歩いている。

 「…………まぁ、いい」

 少し気にはなったが……

 俺は現状いまはそれを捨て置くことにする。

 「…………」

 「…………」

 その後、俺と久鷹くたか 雪白ゆきしろは特に会話も無く歩き、数分後には目的地に着いていた。

 ――

 目前には全国チェーンのファミリーレストラン”ゲスト”の入り口。

 「…………ふぁぁ??」

 そしてその有名なオレンジ色の看板を物珍しそうに見上げる久鷹くたか 雪白ゆきしろ

 「意外だと思うだろうけど場所は此所ここだ。此所ここはSUZUHARAの系列会社でな、色々と融通が利くんだ。勿論貸し切りだしセキュリティも万全に……」

 ――あれ?

 ――なんだ?えらい熱心に看板を見ているが……

 ファミレスの看板がそんなに珍しいだろうか?


 「”純白の連なる刃ホーリーブレイド”、どうかしたか?」

 ふるふる――

 俺の怪訝な視線に彼女はなんでも無いと頭を振った。

 白金プラチナの長い髪が光糸こうしの束となり空気を抱いてバラけ、サラサラと宙に舞う。

 「…………うっ」

 間抜けにも思わず見蕩みとれる俺だ。

 「ううん、行こう」

 その時、デレてグダグダな俺の耳に入った彼女の声は……

 気のせいだったかも知れないが――


 彼女には珍しく弾むように軽やかな響きだった……気がした。

 第四話「最嘉さいか純白の連なる刃ホーリーブレイド」END


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