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2章:少女は女神に出会う
Ⅰ
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目を開いた瞬間広がった景色は、キラキラと輝く星空の海だった。
音もなく、深い紺色の夜空の絨毯に、星が果てしなく広がり、優しく輝く光景は息を飲むほど綺麗。
・・・ここは、どこなんだろう?
私は、確かに、死んだはず。
16年間という長いようで短い人生を、確かに終えたんだ。
とすると・・・ここは・・・お空?
魂は星になって輝くって、絵本で読んだことあるけど・・・本当だったとか?
綺麗な景色が目に入った瞬間、私の頭の中にたくさんの疑問が渦巻いた。
魂だけになったってことは、もしかして体も苦しくないのかな?
試しに手をグーパーとしてみたり、ぴょんぴょん全力でその場で跳んでみる。
・・・確かに、手足も自由に動くし、激しく動いても苦しくならない。
いつもと違う体。
できなかった事が、できるようになってる!!!
嬉しい!・・・嬉しい、けど・・・。
キョロキョロと辺りを見渡す。
誰も・・・いない。
ここはとても綺麗だけど、なんだか寂しい。
そう思った瞬間、私の心に一抹の不安が過ぎった。
・・・もしかして、私は、ここでずっと彷徨い続けるのかな?
そう思うと、悲しみより絶望が心の中に広がった。
せめて、せめて、1人ぐらい、ひとが、人がいて欲しかった。
そしたら、沢山遊べたのかもしれないのに・・・。
やりたかったこと、できたかもしれないのに・・・。
いろんな「かもしれない」が、頭に浮かんでは消えていく。
「はああ・・・。」
つい、ため息をついてしまい、慌てて息を止める。
ため息をついたら、幸せが逃げちゃう!!
お母さんとお父さんに教えてもらったこと。
ため息は、幸せを貯めるために、絶対につかないって・・・一緒に頑張ろうって、小さい時から言ってくれた・・・。
・・・・・・どれだけ息を止めても苦しくならない。
それと同時に、本当に自分は死んだのだと改めて自覚をする。
「あらあら、ここにいたのね~。」
突然、真後ろから間延びした声がした。
私はびっくりして慌てて振り返る。
そこに居たのは、キラキラと腰まで伸びた輝く金色の髪に、本で見た青いサファイヤの宝石のように輝く瞳をした絶世の美女だった。
その姿に、私はつい見惚れてしまい、声をかけるのを忘れてしまう。
「ん?どうしたの~?・・・あ、もしかして私の美しさに見惚れちゃったかしら~?」
ひらひらと私の目の前で手を振った後、悪戯っ子のような表情をした美女さん。
私はそんな美女さんを見ながら、どんな顔をしても美女は様になるなと、考えてしまった。
・・・って、そんなことを考えている場合ではなかった!
「はっ、あの、美女さん!私はこれからどうなりますか!?」
あるというのなら天国と地獄どちらに行くのか、それともこのままここで彷徨い続けるのかと色々と不安が過ぎる。
「落ち着いて~・・・ふふっ、まあ~不安になるのは仕方ないわね。でも、あなたは天国にも地獄にもましてやここで彷徨い続けることは無いわ~。」
私の考えを読みとったのか、そう答えてくれた美女さんに驚きと共に困惑した。
決して考えを読みとられたから困惑したわけじゃない。
美女さんの、『天国にも地獄にもましてや彷徨い続けるわけじゃない』という答えに困惑したのだ。
そして、不安と戸惑いが私の心を埋め尽くす。
じゃあ、私はこのままどうなるの?
消えてなくなるってこと?
・・・・・・命みたいに?それは、ちょっと、悲しいかも。
悲しくなって俯いていると、美女さんが私の頭をぽんぽんと優しく撫でてくれた。
「大丈夫よ~。消えてなくなりはしないわ~。」
そう言って優しく微笑む美女さん。
「あ、でも、そうね~。消えてなくなるって言うのはあながち間違ってはいないわね~。」
美女さんは頬に人差し指を当てて、のんびりと言った。
「!!?え、どっち!?」
私は思わず大きな声でツッコんでしまった。
「ん~そうね~。あたりでもなくハズレでもなくって感じかしらね~。」
???えっと~・・・つまり、どういうこと?
混乱してうーんと考えていると、ふふっと美女さんの笑い声が聞こえた。
なんで笑ったんだろう?と思いながら美女さんを見ると、美女さんはニコニコしながら口を開き放った言葉は・・・。
「あなたには、転生をしてもらおうかなって思っているのよ~。」
ということだった。
その口調は、まるで世間話をするおばさん達みたいに軽いものだった。
音もなく、深い紺色の夜空の絨毯に、星が果てしなく広がり、優しく輝く光景は息を飲むほど綺麗。
・・・ここは、どこなんだろう?
私は、確かに、死んだはず。
16年間という長いようで短い人生を、確かに終えたんだ。
とすると・・・ここは・・・お空?
魂は星になって輝くって、絵本で読んだことあるけど・・・本当だったとか?
綺麗な景色が目に入った瞬間、私の頭の中にたくさんの疑問が渦巻いた。
魂だけになったってことは、もしかして体も苦しくないのかな?
試しに手をグーパーとしてみたり、ぴょんぴょん全力でその場で跳んでみる。
・・・確かに、手足も自由に動くし、激しく動いても苦しくならない。
いつもと違う体。
できなかった事が、できるようになってる!!!
嬉しい!・・・嬉しい、けど・・・。
キョロキョロと辺りを見渡す。
誰も・・・いない。
ここはとても綺麗だけど、なんだか寂しい。
そう思った瞬間、私の心に一抹の不安が過ぎった。
・・・もしかして、私は、ここでずっと彷徨い続けるのかな?
そう思うと、悲しみより絶望が心の中に広がった。
せめて、せめて、1人ぐらい、ひとが、人がいて欲しかった。
そしたら、沢山遊べたのかもしれないのに・・・。
やりたかったこと、できたかもしれないのに・・・。
いろんな「かもしれない」が、頭に浮かんでは消えていく。
「はああ・・・。」
つい、ため息をついてしまい、慌てて息を止める。
ため息をついたら、幸せが逃げちゃう!!
お母さんとお父さんに教えてもらったこと。
ため息は、幸せを貯めるために、絶対につかないって・・・一緒に頑張ろうって、小さい時から言ってくれた・・・。
・・・・・・どれだけ息を止めても苦しくならない。
それと同時に、本当に自分は死んだのだと改めて自覚をする。
「あらあら、ここにいたのね~。」
突然、真後ろから間延びした声がした。
私はびっくりして慌てて振り返る。
そこに居たのは、キラキラと腰まで伸びた輝く金色の髪に、本で見た青いサファイヤの宝石のように輝く瞳をした絶世の美女だった。
その姿に、私はつい見惚れてしまい、声をかけるのを忘れてしまう。
「ん?どうしたの~?・・・あ、もしかして私の美しさに見惚れちゃったかしら~?」
ひらひらと私の目の前で手を振った後、悪戯っ子のような表情をした美女さん。
私はそんな美女さんを見ながら、どんな顔をしても美女は様になるなと、考えてしまった。
・・・って、そんなことを考えている場合ではなかった!
「はっ、あの、美女さん!私はこれからどうなりますか!?」
あるというのなら天国と地獄どちらに行くのか、それともこのままここで彷徨い続けるのかと色々と不安が過ぎる。
「落ち着いて~・・・ふふっ、まあ~不安になるのは仕方ないわね。でも、あなたは天国にも地獄にもましてやここで彷徨い続けることは無いわ~。」
私の考えを読みとったのか、そう答えてくれた美女さんに驚きと共に困惑した。
決して考えを読みとられたから困惑したわけじゃない。
美女さんの、『天国にも地獄にもましてや彷徨い続けるわけじゃない』という答えに困惑したのだ。
そして、不安と戸惑いが私の心を埋め尽くす。
じゃあ、私はこのままどうなるの?
消えてなくなるってこと?
・・・・・・命みたいに?それは、ちょっと、悲しいかも。
悲しくなって俯いていると、美女さんが私の頭をぽんぽんと優しく撫でてくれた。
「大丈夫よ~。消えてなくなりはしないわ~。」
そう言って優しく微笑む美女さん。
「あ、でも、そうね~。消えてなくなるって言うのはあながち間違ってはいないわね~。」
美女さんは頬に人差し指を当てて、のんびりと言った。
「!!?え、どっち!?」
私は思わず大きな声でツッコんでしまった。
「ん~そうね~。あたりでもなくハズレでもなくって感じかしらね~。」
???えっと~・・・つまり、どういうこと?
混乱してうーんと考えていると、ふふっと美女さんの笑い声が聞こえた。
なんで笑ったんだろう?と思いながら美女さんを見ると、美女さんはニコニコしながら口を開き放った言葉は・・・。
「あなたには、転生をしてもらおうかなって思っているのよ~。」
ということだった。
その口調は、まるで世間話をするおばさん達みたいに軽いものだった。
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