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2章:少女は女神に出会う
Ⅱ
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美女さんの言葉に、私は口をあんぐり開けたまま固まった。
・・・・・・・・・ど、どういうこと??転生??
・・・そういえば、ゆみさんがそんな物語が好きだって言ってたような。
悪役令嬢とかざまあ?とか色々あるって・・・
でも、確かあれって元々物語を知ってて、自分の死を回避する話が多いって言ってた気がする・・・。
・・・はっ!もしかして、私もそうなるのかな!?
でも、乙女ゲームはやったことないし、少女漫画はほとんど読んだことないから、たとえ転生しても分からないと思うんだけど!?
ぐるぐると思考を巡らせていると、美女さんが手をパンっ!!!と叩いた音で我に返った。
「もう~!そんなに考え込まないで~!寂しいじゃないの!」
ぷく~っと頬を膨らませる美女さん。
「ご、ごめんなさい。」
とっさに謝ると、美女さんはにっこり微笑んで「冗談よ~。」と軽く流しながら、説明を始めてくれた。
「転生って知ってるかしら~?・・・知ってるのならその説明は省くわね。あなたを転生させようと思ったのは、あなたに助けて欲しい子がいるからなの。あなたの願いは『自由になったら困ってる人を助けて幸せになってもらいたい』って願いよね~?それならちょうどいいやって思ったのよ~。・・・ごめんなさいね?あなたを都合のいいように使ってしまうようだけれど、許して欲しいわ~。」
申し訳なさそうなその言葉を、私は頭の中で何回も再生させて考えた。
そして、案外あっさりと答えが出た。
「確かに美女さんは私のことを都合のいいように使おうとしてるとは思います。でも、それってつまり私の願いを聞いて、それで私を選んでくれたってことですよね?それに、自由になれたらっていう願いも叶えてくれるんですよね?それなら私は喜んでお引き受けします!」
真っ直ぐ美女さんを見つめる。
嫌な気持ちになんてならなかった。
それに嬉しかったんだ。
誰かに、なにかを頼まれるっていうことが・・・。
生きてた時は、むしろ頼ってばっかりで・・・そうするしかなかったんだけどさ。
美女さんはびっくりした表情をしたあと、困ったように微笑んだ。
「ありがとう~。何だか悪いわね~。」
「気にしないでください!お互いにお願いごとをしただけですし・・・。それに、美女さんは私のお願いごとを叶えてくれるんです。だから私も、美女さんのお願いごとを叶えます!人を助けて幸せになってもらいたい───それは、小さい頃からずっと変わらない願い事ですから。」
私が笑って言うと、美女さんは今まで見た中で最も美しい笑みを浮かべた。
「ふふっ、本当にありがとう~!!あなたに頼んでよかったわ~!もちろん、もし本当に嫌だと思ったら投げ出してくれても構わないわ。あなたにもあなたの人生があるから。」
ぎゅっと抱きしめられ、耳元でそう囁かれた。
まさかそんなことを言われるとは思わなかったから、びっくりしたけど、でも私は・・・。
「そうですね・・・そういう保険があってもいいかもしれません。ですが生憎、私の中には『投げ出す』っていう言葉はありません!そうなってしまうこともあるのかもしれませんけど・・・・・・でも、私は私の目でその子のいい所も悪い所も受け入れたいと思ってます!だって、美女さんが幸せになってもらいたいって思う子なんですよ?安心してください!私は投げ出しません!絶対に見捨てません。」
私はぎゅっと抱きしめ返した。
「そう言って貰えて心強いわ~。」
美女さんはさらに強く私を抱きしめて、離れた途端に指を鳴らした。
パチンッ!
軽やかな音が響いたと同時に、キラキラと星が瞬いた。
指パッチンだっけ?ここちゃんが得意げによくやってたな。
そんなことを思っていたら、目の前に丸いテーブルが現れた。
そして、その上には分厚い本が置かれている。
・・・・・・なんだろう?これ?
私は本を見ながら首を傾げた。
・・・・・・・・・ど、どういうこと??転生??
・・・そういえば、ゆみさんがそんな物語が好きだって言ってたような。
悪役令嬢とかざまあ?とか色々あるって・・・
でも、確かあれって元々物語を知ってて、自分の死を回避する話が多いって言ってた気がする・・・。
・・・はっ!もしかして、私もそうなるのかな!?
でも、乙女ゲームはやったことないし、少女漫画はほとんど読んだことないから、たとえ転生しても分からないと思うんだけど!?
ぐるぐると思考を巡らせていると、美女さんが手をパンっ!!!と叩いた音で我に返った。
「もう~!そんなに考え込まないで~!寂しいじゃないの!」
ぷく~っと頬を膨らませる美女さん。
「ご、ごめんなさい。」
とっさに謝ると、美女さんはにっこり微笑んで「冗談よ~。」と軽く流しながら、説明を始めてくれた。
「転生って知ってるかしら~?・・・知ってるのならその説明は省くわね。あなたを転生させようと思ったのは、あなたに助けて欲しい子がいるからなの。あなたの願いは『自由になったら困ってる人を助けて幸せになってもらいたい』って願いよね~?それならちょうどいいやって思ったのよ~。・・・ごめんなさいね?あなたを都合のいいように使ってしまうようだけれど、許して欲しいわ~。」
申し訳なさそうなその言葉を、私は頭の中で何回も再生させて考えた。
そして、案外あっさりと答えが出た。
「確かに美女さんは私のことを都合のいいように使おうとしてるとは思います。でも、それってつまり私の願いを聞いて、それで私を選んでくれたってことですよね?それに、自由になれたらっていう願いも叶えてくれるんですよね?それなら私は喜んでお引き受けします!」
真っ直ぐ美女さんを見つめる。
嫌な気持ちになんてならなかった。
それに嬉しかったんだ。
誰かに、なにかを頼まれるっていうことが・・・。
生きてた時は、むしろ頼ってばっかりで・・・そうするしかなかったんだけどさ。
美女さんはびっくりした表情をしたあと、困ったように微笑んだ。
「ありがとう~。何だか悪いわね~。」
「気にしないでください!お互いにお願いごとをしただけですし・・・。それに、美女さんは私のお願いごとを叶えてくれるんです。だから私も、美女さんのお願いごとを叶えます!人を助けて幸せになってもらいたい───それは、小さい頃からずっと変わらない願い事ですから。」
私が笑って言うと、美女さんは今まで見た中で最も美しい笑みを浮かべた。
「ふふっ、本当にありがとう~!!あなたに頼んでよかったわ~!もちろん、もし本当に嫌だと思ったら投げ出してくれても構わないわ。あなたにもあなたの人生があるから。」
ぎゅっと抱きしめられ、耳元でそう囁かれた。
まさかそんなことを言われるとは思わなかったから、びっくりしたけど、でも私は・・・。
「そうですね・・・そういう保険があってもいいかもしれません。ですが生憎、私の中には『投げ出す』っていう言葉はありません!そうなってしまうこともあるのかもしれませんけど・・・・・・でも、私は私の目でその子のいい所も悪い所も受け入れたいと思ってます!だって、美女さんが幸せになってもらいたいって思う子なんですよ?安心してください!私は投げ出しません!絶対に見捨てません。」
私はぎゅっと抱きしめ返した。
「そう言って貰えて心強いわ~。」
美女さんはさらに強く私を抱きしめて、離れた途端に指を鳴らした。
パチンッ!
軽やかな音が響いたと同時に、キラキラと星が瞬いた。
指パッチンだっけ?ここちゃんが得意げによくやってたな。
そんなことを思っていたら、目の前に丸いテーブルが現れた。
そして、その上には分厚い本が置かれている。
・・・・・・なんだろう?これ?
私は本を見ながら首を傾げた。
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