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新学期編

星野時斗は自己紹介したくない

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「ま、真立!?」

「はい!真立ですっ!理奈でいいですよ」 

これで聞き直したのは2回目である。よくよく彼女

を見てみると、雪にとても似ている。自己紹介まで

そっくりだ。

「お姉ちゃん笹山高校に通ってるだろ?」

「はい、お姉ちゃん知ってるんですか?」

「雪ちゃんなら、一緒のくらすだよぉ?」

「私だけじゃなくて姉までお世話になっていたなん

て!重ね重ねお世話になりました。何かお礼をさせ

てください!」

いや、今日クラスメイトになったばっかりだから! 

しかも姉の方は俺がお世話になったんだが。

「まぁ今日はもう遅いしまた今度でいいよ」

なんならお礼されるようなことしていない。

「では、連絡先交換しませんか?」

え、、、、、?

Eeeeeeeeeeeeeeeeee!!

ついに俺のスマホに青春が!とりあえず交換する俺

と理奈。涙は見られていないはずだ。そして、後ろ

からの無言の圧力も気づかれていないはず。てかや

めい、咲。

「じゃあこれから姉諸共よろしくお願いします

っ!」

あぁかわええ。

家に帰ると、今日一日について整理した。

真立姉妹、雪と理奈と知り合いになった。

先生は美少女だった。

クラスの居心地は悪くない。

え?これって最高じゃね!?

一人満足に浸っていると電話がかかってきた。理奈

である。

「り、理奈からだとぉぉぉぉ!」

荒れ狂う心拍数を押さえ電話に出る。

「もしもし?先輩ですか?」

あぁ、いい声。

「あぁ、そうだけど、どうかしたの?」

「先輩の名前聞いてなかったなって、お姉ちゃんが

お礼言いたいって言ったので教えてもらえれば、嬉

しいんですけど」

ええ子や。天使やないかぁ。

「俺の名前は星野時斗だよ?」

「ガタァン!」

電話の向こうで派手な音がした。

「ほ、星野って、あのスター会社の息子さんです

か!?」

あ、またやっちまったああああああ!

「怖がらないで!そんなん全然気にしなくていいか

ら!」

焦る俺。くそぉここまでか。

「え?別に気にしませんよ?星野さんだろうが神様

だろうが私を助けてくれたのには変わりありませ

ん」

うそぉ!?なんて子だ!惚れてまうやろ。

結局お礼は理奈の要望で、今週末に一緒にお出かけ

する時にすることに決まった。ってこれデートじゃ

ね!?

まぁいいや。土曜が楽しみだ。






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