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やらかし夫夫(ふうふ)、番(つがい)になる
03ー大志Sideー
しおりを挟む小動物のように眠る可愛らしいオメガ…崇陽様との取引により手配されたオメガ。
崇陽様曰く「くだらない『格式至上主義』をほざく高慢なオメガ。容姿?知るか…興味ないから覚えてすらいない…。美醜に拘るならー…重要だろうが…貴様が番う相手を選べるわけないだろう。言葉に気をつけろ。だいたい俺は蒼以外、可愛く見えないし、興味もない。俺に聞くのは人選ミスのようなもの…分かったのならさっさと失せろ…」
義輝さん曰く「崇陽の事が相当なトラウマになってるねぇ。まぁ、大人しくて従順で扱いやすかったよ。容姿?オメガの中では可愛らしい方なんじゃない?僕は興味ないけどね~。どちらにしろ見れば分かるよ。好みなんて其々なんだし…好みじゃなければ最悪、自分好みの性格に調教すれば良いんじゃない?どうせ番う事になるんだし…」
という事らしい。容姿ではなく『どういった者』なのかを問うただけであり、さらに言えば気をつけておくべき点とかを知りたかったんだが…。
2人は性格と容姿を聞いてきたのだと解釈したようだ…。
☆
そして、連れて来られたとある建物の一室にてベッドへと寝かされていたオメガ。
名を聞けば『雪斗』という名前らしい。家族とは絶縁状態。崇陽様の逆鱗に触れた事により没交渉になる時期が早まっただけだと言っていた。
『アルファ至上主義』であるアルファ家系に生まれたようだ…。どんな扱いを受けていたのかはなんとなく想像がつく…。
出世に必要ならば雪斗を遠慮なく差出す事も厭わない…けれど、家の品格を損なわないように厳しい躾や沢山の習い事を強要されていたのだろう。
しかし、今回…越えてはいけない一線を越え、触れてはいけない人の逆鱗に触れてしまった。
容赦なく切り捨てられたに違いない…。『アルファ至上主義』のアルファ家系に生まれたオメガは例外なくそうされていた…。
まぁ、全て俺の見てきたモノだけだから…主観と偏見が入っている…。
雪斗は名前に違わず声も容姿も可愛く、性格も大人しく控え目で…恥ずかしがり屋なオメガの少年であるように見えた…。
俺と目が合うとハッとしたように目元を赤く染め恥ずかしそうに目を逸らす…。
その行動はアルファのオスの部分をダイレクトに刺激してくる。
アルファの本能がオメガを孕ませたい…と思うのと同時に、このオメガを大切にしてやりたいと思う俺の理性がせめぎ合っている…。
発情促進剤を打たれているのか…微かに発情のフェロモンがしていた。呼吸も少々乱れている。
決められている関係ー…とはいえ、番うならば良縁を結びたいというのは至極当然な思想だと思っている。あくまで俺はだけれど…。
☆
その後、それなりに打ち解ける事ができた俺たちは雪斗の発情の進み具合により、今現在、俺が雪斗を押し倒している状態となっている…。
「本当に良いのか?」
という愚かにも分かりきったその問いかけに雪斗は発情特有の潤んだ瞳を俺へ向けている。
そして、返事とばかりに俺の首へ腕を回してきた。物理的に近づいた距離にドキリと鼓動が高鳴った。
「僕っ、は、初めてだからっ…優しくお願いします…」
なんて震えた小さな消え入りそうな声で囁やきかけてくる。直後、俺のモノがさらに硬くなった。緩く勃ち上がりつつあったソレが完全に勃った瞬間である…
密着している状態だったので俺のモノの感触はダイレクトに雪斗へと伝わったのだろう…
潤ませた瞳のまま、さらに顔を真っ赤にして俺のソコを凝視している。
やがてゴクリと喉を鳴らし、震える手をそっと俺のソコへと伸ばしてくる…無意識ー…といったその行動に、触れられたその感覚に、思わず声が出そうになった。
抱き締めてしまえば壊れてしまいそうなほど華奢な身体…。扱いを間違えれば取り返しのつかない事になりそうなほどー…である。
その可愛らしく細いキレイな指先で俺のソコへと触れてくるのだ。興奮しないはずがない…。
触れてくる雪斗の指先の感覚に、息を荒くしている俺は壊してしまわないように、怖がらせてしまわないように細心の注意を払い様子を見ながらゆっくりと白く繊細な肌へ手を滑らせた。
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