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Main Story〜アルファな彼とオメガな僕。〜

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 完全に理性が戻ってくる気配は、まだ当分ない…そんな僕を抱っこして危なげなく脱衣所に入ると、そのまま浴室へと入る。
 お湯はまだそんなには張られていないものの最新の物なので直ぐに沸くだろう…

 崇陽は椅子を引き寄せると僕を抱きあげたまま座る。シャワーのお湯が僕にかからないように気をつけながら温度を調整していた。
 そして丁度良くなったのか…僕を見て崇陽は「かけるぞ」と声をかけてきた。
 頷き返すと、ゆっくりと足にお湯をかけてくる。いきなり身体へかけてこないのは崇陽なりの配慮だろう…

 「大丈夫か?熱すぎるとかはないか?」と僕に確認してくる崇陽に「だいじょーぶ、きもちいいよ」と言って肩へ凭れてニコニコ笑っていると崇陽も目尻が下がり少しだけ口元がつり上がる。

 ナニかしてくるのでは?と思っていたが、普通に洗ってくれた。ベタベタした感じがなくなり身体がスッキリとする。
 全て・・を洗い終えた崇陽は僕を浴槽へと浸ける。そして、心配気な顔をしてこう言った。

 「ふちをしっかりと掴んでいろ。できるな?」と…僕は「うん!」と元気良く返事をしてニコーっと笑ったが…何ともいえない表情で見られた。
 『本当に大丈夫か?』とでも言いたげな表情に見えた…

 ムゥっとなりつつ崇陽を見上げて浴槽の縁へとしがみつくと漸く崇陽は自分の身体を洗い汚れを落としていく。
 暫く見ていると、身体に付いた泡を落とし始めた…やはり、何だか色っぽい…ムラムラしてきた自分に羞恥を覚えるよりも先に身体が動く…

 立ち上がろうとしてバランスを崩し、崩れ落ちそうになった。浴槽の縁で顔面強打する勢いだったので目を瞑って衝撃に備えるが…一向にこない。痛みもこない…

 怪しく思い目を開けると、目の前が肌色一色になっていた…崇陽だった…
 ポタポタと落ちる水滴がさらに崇陽を色っぽく見せてくる。

 「言ったそばから…」と呆れた声音で呆れた顔を隠そうともしない崇陽に両手を伸ばす。僕の意図を察したのか、怒る事もなく僕を抱き上げた。

 怒られない事をいい事に、僕は何の躊躇いもなくギュッと崇陽に抱きついた。

 「どうした?」

 そう言いながら宥めるように僕の背中を撫でてくる。僕は返事の代わりに崇陽の顔を両手で挟んでキスをした。
 察しの良い崇陽なら、恐らくこれで直ぐに理解してくれるだろう…
 
 
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