生きる世界と冒険譚

山田浩輔

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第八話 龍者の会議

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 「ココ様は炎を出せますか?」
 ホセの言葉にココは首を横にする。
 「使えないよ」
 
 「そうですか、龍神へーリオス様は炎を操る龍なのです、物凄い炎を扱うへーリオス様の力を信徒達は皆使えるのです、もちろん僕もこの通り」
 そう言ってホセは人差し指を立てるとオレンジ色の球体を指先に出す。
 「おお、あったかい!」
 ココが暖をとるがホセは球を掴むように消す。
 「私は身体を硬くすることと、空を飛ぶしかできないんだ~」
 気にする様子もないココはベットの上で伸びる。
 「んー! やっぱりふわふわは正義だね!」

 「そういえばココ様はどうやって言葉を覚えたのですか?」
 ホセの疑問にココは首を傾げる。
 「んーとね...どうだっけ? 言葉を覚えるって言ってもね~ちっちゃい頃は覚えてないし~」
 「そうですか、まあ幼い時の記憶を覚えてる人なんてなかなかいませんからね、きっと元から話せたのでしょう! 明日も早いしもう寝ましょう!」
 ホセは明かりを消すと真っ暗な中、布団を被る。
 「おやすみ~」
 ココも布団を被ると瞼を閉じて眠りにとついた。




 「ルイス様、会議の時間です」
 一人の男が教会の部屋にいるルイスに声をかけるとルイスは微笑みながら返す。
 「そんな時間でしたか、少々お時間を」
 そう言って3分もしないうちにルイスは部屋から出てきた。
 「それでは行きましょうか」

 

 ~マルセル地下街 集会所~

 円を囲むようにできた机の上にルイスが座ると次々とドラゴンの仮面を顔につけた者どもが入っていく。
 そうして皆が集まると青い龍の仮面をつけた男、リアムは両手を合わせると皆の前で司会を行う。
 「皆様に集まっていただいたのは他でもありません! 龍の少女についてです! 現在はこのマルセル街にてルイス殿が保護されています、ルイス殿、状況報告を!」

 ルイスは頭をポリポリと掻きながら立ち上がると口を開く。
 「へーリオス様には以前に演説をしていただきました、彼女を出したことにあり、寄付金は上昇、信徒の信仰もより深くなっております、しかしへーリオス様は記憶を失っているようで...」

 ルイスの言葉に赤い龍の仮面をつけた男、ポールが口を開く。
 「記憶...ですか....少女の記憶がないのならばこちら側に取り入れるには今しかないでしょう、ルイス殿のこれからの案はございますか?」

 
 「引き続き、経過の報告、そしてより前に出すことで信仰の拡大を狙います、記憶が戻った場合などは緊急で集合することにします」
 そうしてココの話が終わると次の話へとそのまま移行する。
 「それでは次の問題です! ドラゴン撲滅派の対処です!」
 
 そうしてルーベルが前に出る。
 「彼はルーベル、この前、撲滅派と接敵した者です、彼と接敵した人間はレイド人でした」
 ルーベルがこくりと頷くと黒い龍の仮面をつけた男、カイルが立ち上がり、思い出すそぶりをしながら手を顎にやる。
 「亜人か、ウィダーでは滅多に見ないが、放電ができるんだったかな?」
 「そうです、ですが彼はドワーフの発明か、刀から炎を出したのです、それにより、友人二人は焼死、そしてさらには小型のおそらく射撃武器によって、このように」
 ルーベルは撃たれた腕を見せ、布に包んだ血まみれの銃弾を見せる。
 「これは私の身体に入っていた物です、鉄と鉛の合金でできた球です」
 その球を見ると皆が周りとこそこそと話し出す中でポールは口を開く。
 「ドワーフの技術は入っているでしょうが...おそらくファラルの技術も伝来したのではないでしょうか...ファラルはドワーフと同等の技術を持つと聞きます」
 ルイスはポールの話を聞くとそのことを考察し、話し始める
 「おそらく、この技術を提供したものがいます、亜人の男なのか、果たして別の人間なのか、そこを含めて調査を行う必要があると思います」

 ルイスの言葉にリアムは指を立てると提案をする。
 「では、こちらから腕のいいスパイを派遣しましょう、ルーベル殿の経験もいるでしょう、場所はレセッダ、そこに隠されているはずです!」
 そうして会議は終演を迎えた。
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