生きる世界と冒険譚

第二十一話 地下街崩壊

　「DNA？　地球？　光合成？　どういうことですか...？　僕にはこの本に書いてあるほとんどがわかりません、どんな意味が...」
　ホセが頭を抱えているとポールは答える。
　「わからないことは多いです、この本は不明な概念というものが多いです、ただ一つ、ドラゴンは植物の類であるということです、そしてこの生物は、光から力を得るということです」
　「なんというか...思ったよりも単純ですね...しかしこの龍人というのを木下さんが作ったというのなら...ココ様はへーリオス様ではないということでしょうか...？」
　「だから言ったじゃん！　私はへーリオスじゃないって！」
　ココは頬を膨らませながら言い、ホセは謝る。
　

　「ところで...なぜこれを見せたのですか？　ポール様」
　ホセの言葉にポールは話す。
　「この本は、昔から保存され続けた本ではあるのですが...かつて存在した龍神、これの名は記されてはいません、しかしへーリオスという名が突然普及し、そして信仰することで祈祷も発言しました、今まで龍信仰というのは何代か存在しましたが、祈祷を使える時点でほぼ確実と考えて良いでしょう」
　「そうなのですか...へーリオス様は本当に龍神なのですね？」
　「ええ、そうなりますね」
　その時だった、突然に爆発音が鳴り響き、4人が外に出ると地下街の天井に大穴が空き、日光が降り注いでいた。

　「な！？」
　リアムが驚いているとドラゴンが次々と入り込み始める。
　「まずい！　このままでは被害が...！」
　ポールとリアムは走り出すと街中へと走り出す。
　「ココ様、僕たちは安全なところへ行きましょう！！」
　「うん！」
　ホセはココの手を引きながら教会へ入ろうとしたその時、銃を持ったアストラをホセは目にし、ホセはココの前に出る。
　「ココ様！　危ない！」
　「ファイア」
　銃弾はホセの頬を擦る。
　「外した、ファイア」
　教会へと走るがホセは足に銃弾を喰らい、跛行しながら逃げ、アストラが追おうとすると、ルカが立ち塞がる。
　「お久しぶりです、腕はまだ治ってないようですね？」
　ルカはダイナマイトをアストラに投げ飛ばし、地面に着弾した瞬間に爆発を起こす。
　「再現できているでしょう？　あの武器の残りカスから作り、さらに改造を加えた逸品、ぜひ楽しんでください、ファイア」
　ルカは銃を撃ちながらダイナマイトを投げ、アストラは避ける暇もなく吹き飛ばされ、両足を失う。
　「まずい」
　アストラは銃を構えるがルカは銃を下ろす。
　「残念ですがここまでです、さようなら」
　アストラが後ろに目を向けるとそこにはドラゴンがいた。
　ドラゴンはアストラの顔に噛みつこうとしたその時、アストラの体に鎖が巻きつき、鎖の元へ引かれる。
　「おっと、仲間がいましたか、ですが私が戦う必要はない」
　
　そこには義手をつけたフォルトがいた。
　「間に合った...」
　フォルトはアストラに巻き付いた鎖をすぐに解くとカラクリ人形にアストラを乗せると刀を構える。
　「来ます！」
　ドラゴンは二人に向かって尻尾を振るうがアストラを乗せた人形は後ろに飛ぶとクロスボウを連射する。
　「まさかこの人形を操れるとは」
　アストラが感心してるとフォルトは否定する。
　「模倣の力です、避けたり移動はさせられますが攻撃はできません...援護は任せます！」
　人形はドラゴンの周りを走り出し、ドラゴンの気を引くとフォルトはドラゴンの目に剣を突き刺すと手を離す。
　「ファイア！！」
　剣が爆発しドラゴンは暴れ出し、アストラとフォルトはドラゴンから離れ、ドラゴンは悶え苦しみながら倒れる
　「一体何を？」
　「あれは私の亡き友人が作った武器、爆裂剣です、表面が硬い生物に使うくらいしかできませんがね...自爆しかねないので実用的ではないですがね」
　二人はドラゴンに目もくれず、教会へと向かった。