生きる世界と冒険譚

山田浩輔

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第二十四話 隔絶の決戦

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 立ち止まったルーカスを見てイワンは声をかける。
 「生きていたのか...逃げないのか?」
 「決めてやる、ここでお前は俺に負ける」
 ルーカスの余裕そうな笑みにイワンは笑う。
 「何か企んでいるな?」
 イワンは銃を構えると口を開き、それと同時にルーカスは避ける動作を取ると次の瞬間、地面が大きく揺れる。
 「な....!?」
 ルーカスは驚きながらも走り出し、ルーカスが走るたびにたちまちマグマへと変貌し、イワンの周りはマグマで囲まれ、さらにはルーカスに向けて銃を撃つ。
 「ファイア、ファイア、ファイア」
 
 詠唱する時に銃の方向を確認しつつルーカスは避けようとするがそれでも避けることはできず、次々と体に被弾し、動きはよろめき始める。
 イワンが銃をリロードし始めた瞬間にルーカスは距離を詰めようとするが、イワンは手を前に出し、力を込めると大量のマグマが放出される。
 「くそ...!」
 ルーカスは距離を取るが、その時に腕に僅かにかかり、その瞬間、浸透して風穴が開く。
 「ぐあああああ!!」
 ルーカスは必死に痛みに耐え、移動を続けるがイワンは銃を向ける。
 「終わりだ」
 イワンが詠唱をしようとしたその時、後ろからジャンが現れる。
 「おらあああ!!」
 ジャンはナイフを手に持ち、イワンの首元に一撃入れようとするが、イワンは防御の構えをとり、イワンの手の甲にナイフが当たった瞬間にナイフの刃が溶ける。
 「まさかジャンが来るとはな」
 ジャンは後方に飛ぶと溶けたナイフをイワンに投げる。
 イワンはそれを避けると手に力を込め、火球をジャンに向けて放つ。
 火球は変則的に弧を描くように飛ぶと、ジャンの目の前で破裂し、マグマが飛び散る。
 「熱っ!」
 直接あたりはしなかったものの、火花が衣服に燃え移り、燃え上がり始めるとルーカスはジャンに向かって魔力結石を投げる。
 「ウォーター!!」
 魔力結石から水が飛び出し、服に水がかかる。
 「ありがとうございます!」
 
 ルーカスとジャンは走り続けるが、だんだんと足場が少なくなり始める、銃や石、イワンに抵抗をし続けるが体力は確実に減り始めていた、そんな時、上空から液体が流れ、イワンの頭に満遍なくかかる。
 「ぐ...これは...ガソリンか...!?」
 イワンが上を見上げるとそこにはユリアがいた。
 イワンは上着を脱ぐとルーカスに投げつけ、火花がかかり一気に燃え上がるがルーカスはそれを躱わす。
 「炎を封じた!」
 ルーカスは好機を生かすため、危険を承知で距離を詰めようとしたその時、ココとホセが現れた。

 「なんかやばいとこ来た!!」
 「まずいかもです...!」
 イワンはココを見ると、一目散に走り出し、ココを捕まえる。
 「こいつさえいれば!!」
 「離して!!」
 「ココ様を離せ!!」
 ココは必死に抵抗するがイワンは離さない、ホセはイワンに殴りかかるがイワンは銃を構える。
 「ファイア」
 銃弾はホセの眉間へ命中し、ホセは倒れる。
 「ホセ!!」
 ココはホセの死体に手を伸ばそうとするがイワンは一切力を抜かず、そのまま走り出す。
 「くそ...まずい! 逃げられる!」
 ルーカスが銃を構えたその時、風が吹き荒れ、イワンを取り囲み、ルーベルが現れる。
 「へーリオス様を離せ」
 ルーベルは杖を構えると詠唱する。  
 「ブラスト!」
 衝撃波がイワンに命中し、イワンは体勢を崩し、力が緩んだ一瞬でココはイワンから離れる。
 ココはホセのところへ駆け寄り、身体を揺する。
 「ホセ! ねえホセ!!」
 涙を流しながらホセに語りかけるが既に息を引き取り、返事を返すことはない、ルーベルはココを引っ張り上げる。
 「へーリオス様、ご無事ですか?」
 「私よりも、ホセを!」
 ココは泣きながらルーベルに乞うがルーベルは首を横に振る。
 「もう助かりません...それよりも、今はあいつらです!」
 
 ルーベルはルーカス達に向けて杖を向ける。
 「待ってくれ、今は休戦としないか...」
 ルーカスは休戦を提案するとルーベルは周りを見ると杖を下ろす。
 「どうやら俺が思っているよりも状況は複雑らしいな...いいだろう、手伝ってやる」
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