混色の元ダンジョンマスター様。

摂政

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ゴーレムを、カスタマイズする!

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 ゴーレムとは、物体を素材にして作られる人工の魔物である。
 一般的には鉄や岩などで作られるが、基本的にはゴーレムの身体の素材は何でも良い。草花のような植物でも、液体のような水でも、死体のような骨でも良い。
 必要なのは身体の部分になる素体、そして魂の核となる命令式‐‐‐‐この2つだけである。
 素体によって強さに大きく幅があるこのゴーレムは、使い手を選ぶ魔物である。


「‐‐‐‐クォォォ」

「という訳で、ニパンさんから貰ったのはこのゴーレムという事か」

 ササ、ソラハさん、そしてラウ姫をここいらの探索に行かして、俺はニパンさんからいただいたこのゴーレムを《吸血鬼の双冠城》攻略用に調整していた。
 3人を探索に向かわせた理由としては、3人が居ても意味がないからである。ゴーレムの調整に使う【混色】のスキルは、俺にしか使えないので、3人が居る必要がない。
 それに彼女達は今回の戦いには使えない。なにせ、俺の【混色】のスキルが初めての魔物でも十二分に使えるのを確認するのが目的。なので、3人に出番はない。
 それが、3人に外に探索に向かわせた理由である。

 俺がニパンさんから貰ったのは、ごく一般的な鉄の身体のゴーレム。
 大きさとしては恐らく2mくらい、だろうか。腕も、足も、ごく一般的な太さで、若干各関節が脆くなっている程度だろうか。

「さて、とりあえずまずはお前のステータスを見せて貰うぞ。ゴーレム」

 疑似的に俺の配下となっているため、このゴーレムのステータスも見ることが出来る。


======
名前;
種族;アイアン・ゴーレム
職業;仮配下
保有スキル;リセット
評価;

【仮配下】
……元の主から暫定的に借り与えられた配下としての証。借りた者は返しましょう。

【リセット】
……特定の条件の元、条件期間終了時に全ての変化を無かったことにするスキル。
《条件》→《吸血鬼の双冠城》との攻略戦終了まで
======


 まっさら、本当に何もない空白のステータス画面。
 なにもなくて、これからどうするべきかの手際が問われる所だろう。

「俺が魔物を強化するのは【混色】の能力で、今までの皆の協力のおかげでそれぞれの色から出来る効果についても、分かってるし、それでどう強化するかを考えるか」

 今、俺が使える色は全部で6種類。けれども、使った際の能力をきちんと把握しているのは、4種類だけである。


======
【赤色】…物体の固定能力。硬度が増し、固定したモノは治癒によって物体を再生する
【青色】…自分周囲の速度を遅くする。遅くした分、威力が増す
【黄色】…物体を黄色の力で覆う事によって、攻撃力と防御力を大幅に高める武器補正スキル
【緑色】…死んだ際に周囲の素体を吸収して、自らの身体を強化再構築する

【橙色】…赤色と黄色の、合同スキル? リドにインストールするも結局分からなかった
【紫色】…未だ一回も試したことがない未知のスキル
======

 とりあえず、使える【混色】のスキルとしては、【赤色】・【青色】・【黄色】・【緑色】の4色だけだろう。後の2色に関しては、どういうスキルか分からないために今回のように実験に使うのはよした方が良いだろう。

「よしっ、今分かっているスキルでゴーレムをカスタマイズしていくか」

 俺はそう言って、ゴーレムに【混色】スキルを用いてゴーレムのカスタマイズを始めていく。


 まず最初に、関節部の強化。
 金属などの物体を素材にしたゴーレムの場合、一番使っている関節部が一番摩耗して弱くなってしまっている。だからこの部分を強化しておかないと、ゴーレム一番の弱点になってしまうんだよな。
 それなので、その関節部に【黄色】で強化しておく。物体としての硬さを求めるのならば固定・治癒の力である【赤色】が向いているのだが、【赤色】は硬くするのには長けているだけで、柔軟に動かすとしたら武器として使用できる【黄色】の方が向いているだろう。

 関節部を強化したところで、今度は攻撃手段についてもきちんと高めていく。
 まずササの赤い糸を腕と足に巻き付けて、二回りくらいどちらの厚さも太くコーティングしておく。ササはこの赤い糸を使って、新しい身体を作っていたが、実際にはこうして纏わせて硬い身体を作る方法も採用して欲しいものである。
 背中には【青色】を使って、攻撃の範囲強化も自在にできるようにしておく。

 死者蘇生スキルである、【緑色】は蘇生前提スキルなので使わないでおいた。
 これは反則だ、これを使ってしまうと手に負えない化け物が生まれる可能性が高い。ラウ姫とか、話を聞いてくれなかったらただの化け物である。
 この【緑色】は、出来れば封印しておきたいスキルである。

 後は使った3色を他の身体部分に与えて‐‐‐‐

 ‐‐‐‐出来上がり、と。


======
名前;
種族;アイアン・ゴーレム
職業;仮配下 魔王(仮)の配下 三色を与えられし者 混色の黒
保有スキル;リセット 《赤の力》 《青の力》 《黄色の力》 《黒の力》
評価;?

《赤の力》
……物体の固定能力。硬度が増し、固定したモノは治癒によって物体を再生する。

《青の力》
……自分周囲の速度を遅くする。遅くした分、威力が増す。

《黄色の力》
……物体を黄色の力で覆う事によって、攻撃力と防御力を大幅に高める武器補正スキル。

【三色を与えられし者】
……【混色】の魔王によって、三色の色を与えられし者の称号。3つの色を自由自在に使いこなす。

【混色の黒】
……《赤の力》・《青の力》・《黄色の力》の三色を与えられたことによって、生まれた《黒の力》を手に入れた称号。

《黒の力》
……いおえ3いえfwぽいえふぃpwpふぃおうぇぴおfpうぇpふぃおwぺfぴうぇpふぃ
======


「やべぇ、なんか変な能力が追加されてる」

 ……なんだよ、黒って。
 そんなの、俺は追加した覚えは一つもないんだが。

 多分だが、《黒の力》の説明文がこんな変な形になっているのは、使ってみれば直るだろう。
 リセットしたいなぁ……うーん、リセットのスキルは俺が使える訳ではなくて、条件によって発動するスキルなので、使えないんだよなぁ。

「よし、仕方ない。ゴーレム、試運転……いや、試し戦闘をするぞ」

「クォォォ……」

 俺はそう言って、ゴーレムと共に《黒の力》の試し撃ちをする。


 ‐‐‐‐結果として、《黒の力》も封印決定となりました。
 うん、あのスキルも封印しておこう。
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