混色の元ダンジョンマスター様。

摂政

文字の大きさ
26 / 40

ダークエルフと、区別判別。

しおりを挟む
 ダークエルフの長所の1つとして、その漆黒の肌が暗闇では姿を隠すことが出来る。それだけダークエルフ達の肌が黒いという事なのだが、今のところは、俺からして見れば邪魔でしかない。
 俺の只今の居城は、滝の裏にある洞窟のダンジョンなのだが、洞窟だけあって暗い。そしてダークエルフ達の肌も暗い。これから彼女達もこのダンジョンに居る以上、いちいち「この暗闇、彼女達居るかな?」「あっ、ごめん! 居たの?!」みたいなやり取りをしたくない。

 と言う訳で、折角俺の配下の一員になって貰ったので、俺の能力である【混色能力】を使うことにした。
 真っ黒い肌だが、色を付ければ少しは判断出来るだろう。ダークエルフ達同士は顔が分かるんだろうけれども、俺達は分からないから。

 彼女達には、俺が生物の身体に色を与える事が出来て、なおかつソラハやササの身体の色は俺の能力である事を説明する。ダークエルフ達は納得してくれて、色を与える事をして欲しいと懇願してきた。
 ……実際はただ顔の判別程度なのだが、戦力が増える事は良いから良いんだけど。

「あれ……? 増えてる?」

 色を発動する為に、ステータスを確認してみると、【混色能力】のレベルが上がっていた。
 いつの間に……。


=====
名前;マスティス・タウスト
職業;元ダンジョンマスター 【混色】の魔王 魔王(仮)
保有スキル;魔物使役 剣術Lv.2 猛毒耐性 混色能力 《黄金の力》
評価;C+(最大Sー最低F)

【混色】の魔王
……【混色】を司る魔王。あらゆるものに色を付け加える事ができる。色によって得られる能力が違ってくる。
【レベル1】
・配下の魔物に色を付け加える事が出来る。
・使える色は【赤】、【青】、【黄】。
【レベル2】
・物に対して色を付け加えることが出来る。
・仕える色は【緑】、【紫】、【橙】。
=====


「……緑に、紫に、橙色かぁ。
 また効果の詳しい説明がないから、軽く使えないなぁ」

 まぁ、とりあえずこの状況について、覚えて置くかな。

「……まっ、いっか。とりあえず、先に後ろに居る3人さん。こちらに来てくれますか?」

「はいっ!」
「了解ですっ! 了解っ!」
「……りょーかい」

 怪しむ事なく、ラウ様とリドの2人の後ろにいた3人組のエルフ達がこちらへと近付く。口調はまったく違うのだけれども、やっぱり顔を見ても違いがなにも分からない……。

「とりあえず、名前を先に教えて貰えるかな?」

「はいっ! ラスンと申します!」と槍のダークエルフ。
「了解! 了解! ソドーだよぉ~!」と剣のダークエルフ。
「……アーロ」と弓のダークエルフ。

 ……うん。ラスン、ソドー、アーロね。
 とりあえず、覚えておこう。

「じゃあ、3人には赤を――――」

「「「いえいえっ! そんな滅相なっ!」」」

 ……あれ? なんでそんな、いきなり「そんな恐ろしい!」なんて感じで否定するの?
 話を聞いて見ると、ササやソラハに対巣感情は憧れ……と言うより、あんなのになるだなんて想像出来ないから、別のにして欲しいとの事である。

「じゃあ、黄色とかは? 黄色なら能力が分かってるから、そう変なことにはならないだろうし」

 怖いのは、能力を得た瞬間にその人間の身体が壊れてしまう事。説明がないというのはそういう事があり得るからこそ、俺は怖くて使った事がない未使用の色を使ってないんだから。
 3人はササやソラハでないなら、という事ならオーケーみたい。
 ……どれだけヤバすぎる存在だと思われてるんだ? ササと、ソラハは。

 と言う訳で、3人のダークエルフに黄色の能力を用いて色付けして行く。3人とも同じ色にして欲しいというリクエストだったので、せめてもの判別として模様で判別出来るようにした。
 ラスンは顔に三角模様、ソドーの顔にはハート模様、アーロの顔には一直線に、それぞれ黄色い色でマークをつけておく。ちなみに模様の意味は三角模様は槍の先端部分、ハート模様は剣の真ん中にある部分、一直線は弓が直線に飛んで行くから……うん、理解して貰えなくても良い。これは単なる自分なりの判別だから。

 ちなみに、3人のステータスは以下のとおりである。


=====
名前;ラスン
種族;ダークエルフ
保有スキル;自然同調 暗視 気配遮断 剣術Lv.2 槍術Lv.3 弓術Lv.2 《黄色の力》
評価;E+(最大Sー最低F)

名前;ソドー
種族;ダークエルフ
保有スキル;自然同調 暗視 気配遮断 剣術Lv.3 槍術Lv.2 弓術Lv.2 《黄色の力》
評価;E+(最大Sー最低F)

名前;アーロ
種族;ダークエルフ
保有スキル;自然同調 暗視 気配遮断 剣術Lv.2 槍術Lv.2 弓術Lv.3 《黄色の力》
評価;E+(最大Sー最低F)
=====

 ……なに、この間違い探しみたいなの。
 3人ともステータスが似たり寄ったりで、本当に分かり辛い。違いと言えばそれぞれの剣術、槍術、弓術のレベルが少しずつ違う程度なんだけれども……うん、もっと分かるようにスキルを増やして欲しいなぁ。
 後、《黄色の力》は俺の《黄金の力》の下位互換のようなものらしい。それぞれのスキルをレベルアップして強力にするのだが、俺のと違って1つのスキル、それも俺ほど強くはならないみたい。それでも同じスキルレベル帯にしてみれば強いらしい。

 さて、続いてはお姫様であるラウ様とやらと、3人組の隊長核であるリド。
 2人の希望は3人とほぼ同じ。ササとソラハの代名詞たる赤と青以外。なおかつ3人の使う黄色以外……というご注文となると、やはり新しく増えた3色のどれかなんだよなぁ。
 本当にどんな能力かが分からないから、あまりお勧めしたくないないんだけれども。

「お願いします、私と姫様にはどの色が与えられますか?
 是非とも、魔王様のお力を受けたく!」

「うけたくぅ~」

 いやいや、どの色が与えられるかって……そもそも、そちらの新しい色発言がなければ、赤と青と黄色で分けようと思っていたのに。
 と言うか、今の発言は完全に「あなたなら、他の選択肢を用意してくださってますよね!」というそんな大きすぎる信頼が見えるんだけれども。俺が出来なかったらどうする気だったんだろう、全く……。

「とりあえずその条件で与えれるとしたら、緑色。橙色の【2色だけ】だな」

 本当は紫色もあるんだけれども、今重要なのはダークエルフの判別である。それなのに紫色だなんて、黒色の漆黒の肌と合わせると、色合いが似てて分かり辛いので、初めから選択肢に入れてない。
 入れてあると選ばれる可能性もあるので、初めから選択肢にないのならば選ぶ事もないだろう。

「……なるほど、では姫様には緑色を。そしてわたしには橙色をお与えいただければ幸いでございまする」

「まするぅ~」

 ……どうでもいいのだが、ちょっとばかり姫様とやらの精神年齢が低すぎやしませんか?
 とにかく、俺は彼女達のお願いを受け入れた。別に反発する理由もないし、ダークエルフ3人組は素直に受け入れてしまっているからこそ、ここで否定してしまうとどうしてなのかと質問されてしまう可能性大だし。

 ――――と言う訳で、ラウ姫様には緑色、リドには橙色を与えて見たのだが。


=====
名前;ラウ・ダークキングダム
種族;ダークエルフ・トルゥース
保有スキル;自然同調 暗視 気配遮断 王家の力 真祖返り 【緑の力】 《エルフ・キングダム》
評価;C(最大Sー最低F)

名前;リド
種族;ダークエルフ
保有スキル;自然同調 暗視 気配遮断 剣術Lv.Master 代謝操作 疲労軽減 【橙の力】 
評価;B-(最大Sー最低F)
=====

「(……ダークエルフ・トルゥース?)」

 スキルと名前から考えて、ダークエルフの上位者的存在だろうか
 ……固有スキル持ちである事も考えると、普通じゃないのは明らかで、面倒事に巻き込まれる可能性は大だなぁ。
 まぁ、《悪魔の声》が聞こえた時点で諦めてるけれども。




「ただいまぁ~、ご主人様! ササが今、帰りましたよぉ!」
「私も居るんですよ、ササちゃん。省略しないでください」

 ササとソラハの声が聞こえたと共に、ダークエルフ達の顔が一瞬にして真っ青になる。
 ……ササとソラハ、どれだけ怖がられてるんだよ。おい。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

天才王子、引き篭もる……いや、引き篭もれない

戯言の遊び
ファンタジー
平穏に暮らしたいだけなのに、なぜ問題が山積みなんだ……!?」 辺境に飛ばされた“元サラリーマン王子”、引き篭もるつもりが領地再生の英雄に――! 現代日本で社畜生活を送っていた青年・レオンは、ある日突然、 中世ヨーロッパ風の王国「リステリア」の第五王子として転生する。 怠惰で引き篭もり体質なレオンは、父王により“国の厄介払い”として 荒れ果てた辺境〈グレイア領〉の領主を任される。 だが、現代知識と合理的な発想で領内を改革していくうちに、 貧困の村は活気を取り戻し――気づけば人々からこう呼ばれていた。 『良領主様』――いや、『天才王子』と。 領民想いのメイド・ミリア、少女リィナ、そして個性派冒険者たちと共に、 引き篭もり王子のスローライフ(予定)は、今日もなぜか忙しい! 「平穏に暮らしたいだけなのに、なぜ問題が山積みなんだ……!?」 社畜転生王子、引き篭もりたいのに領地がどんどん発展していく! ――働きたくないけど、働かざるを得ない異世界領主譚! こちらは、以前使っていたプロットを再構成して投稿しています 是非、通学や通勤のお供に、夜眠る前のお供に、ゆるりとお楽しみ下さい

悪役令嬢の去った後、残された物は

たぬまる
恋愛
公爵令嬢シルビアが誕生パーティーで断罪され追放される。 シルビアは喜び去って行き 残された者達に不幸が降り注ぐ 気分転換に短編を書いてみました。

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。

國樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。 声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。 愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。 古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。 よくある感じのざまぁ物語です。 ふんわり設定。ゆるーくお読みください。

遺産は一円も渡さない 〜強欲な夫と義実家に捨てられた私、真の相続人と手を組み全てを奪い返す~ (全10話)

スカッと文庫
恋愛
「お前の価値なんて、その遺産くらいしかないんだよ」 唯一の肉親だった祖父を亡くした夜、夫の健一と義母から放たれたのは、あまりにも無慈悲な言葉だった。 四十九日も待たず、祖父が遺した1億2000万円の遺産をアテに贅沢三昧を目論む夫。だが、彼には隠し通している「裏切り」があった――。 絶望の淵に立たされた由美の前に現れたのは、亡き祖父が差し向けた若き凄腕弁護士・蓮。 「おじい様は、すべてお見通しでしたよ」 明かされる衝撃の遺言内容。そして、強欲な夫たちを地獄へ叩き落とすための「相続条件」とは? 虐げられてきた妻による、一発逆転の遺産争奪&復讐劇がいま幕を開ける!

裏切者には神罰を

夜桜
恋愛
 幸せな生活は途端に終わりを告げた。  辺境伯令嬢フィリス・クラインは毒殺、暗殺、撲殺、絞殺、刺殺――あらゆる方法で婚約者の伯爵ハンスから命を狙われた。  けれど、フィリスは全てをある能力で神回避していた。  あまりの殺意に復讐を決め、ハンスを逆に地獄へ送る。

本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います

こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。 ※「小説家になろう」にも投稿しています

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

処理中です...