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第204話 ん妖杖の威力を確かめえる配信
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「という訳でカゲミツくん。これがサクラアさんに渡すために作った杖だよ」
【んはじめましてだよ、兄弟! ん妖杖【アルバトロス】であある】
そう言って私は、カゲミツくんの目の前に、先端に本が取りつけられた杖を差し出す。その杖を受け取ったカゲミツくんはというと、じーっと妖杖【アルバトロス】を見つめていた。
「……ボスの目には、私がこの無駄にお喋りな杖と同じに見えているのですか?」
【んしつれいな奴だあな! んお前のために、サクラアさんの所に嫁ぐつもりなあのに!】
嫁ぐって……ただ武器として渡すだけなのに。
----妖杖【アルバトロス】。
この杖は、偽獣鉄を溶かして鍛造して作った杖であり、アマゾネスの血を引く『魔法使い』サクラアさんのために作った"戦闘が楽しくなる杖"だ。
魔法というのは、魔法を行使するために生み出された特殊文字の組み合わせによって放たれる。その特殊文字とは、古の時代に使われていたとされる古代魔術文字である。つまりは、"今は使われていない特殊な文字"というのが、魔法に適した文字とされる。
そして、この魔法に適した文字の中には、前世の漢字もその1つとして使えるのである。
この妖杖【アルバトロス】は、杖の先端につけてある本に、合計1000文字以上の漢字を刻み込んである。
杖に魔力を込めると、本に書いておいた漢字が、魔力量に応じて光り輝く仕様になっている。勿論、その横には詠唱の際に必要となるであろう読み仮名も振ってある。
魔力を込め、本に書いてある文字を読むと、いつもよりも強力な魔法が使えるようになる。
魔法というのは、同じ現象を起こす場合、文字数が少なければ少ないほど、強力なモノとして発動されるらしい。
同じ火炎を放つ魔法も、普通なら『ほのお』で3文字だが、漢字を使えば『炎』とたった1文字。単純計算で3倍の威力になるという事だ。
勉強も、戦闘も、目に見えて強くなっていると実感できる時こそ、楽しいと思える瞬間であろう。
この妖杖【アルバトロス】は、そうなるようにデザインして作り上げた魔法の杖である。
【んもう兄貴は自分勝手で困るなあ!】
決して、このようなおしゃべりになるように作り上げたつもりは、一切ないのだが。
……やはり、偽獣鉄がこうなる鍵なのだろうか?
偽獣鉄は、【助けて】という特徴的な音が、溶かす際に流れてくるんだけど、あれは単にそう聞こえるだけだった。しかし今、アルバトロスは完全にこちらの言葉を理解した上で話をしているとしか思えない。
正直、偽獣鉄を使えば妖刀を作れるという事を初めて発見した際は、そのまま切れ味を確かめた後、危険かも知れないと炉に溶かしちゃったからな。
第2弾となる妖刀【厄狐丸】も、すぐにカゲミツくんの心臓に使ったから、全然検証とかは出来てない。
今度、偽獣鉄を使って検証用に武器を作ろうかなと考えていると、カゲミツくんがアルバトロスを指差して、抗議する。
「ボス! 流石の私でも、この杖を渡したら、私に求婚しなくなる可能性がないと言い切れないのですが!」
【んもう心配性だなあ! ん安心してくうれ! ん無事にサクラアさんの杖として、役目を果たすう!】
「…………」
そんなに、心配そうな目でこちらを見ないでくれ。カゲミツくん。
正直な所、これで良いかどうか、「ん」ばっかり言っているアルバトロスを見てたら、心配になるだろうけど、大事なのは性能面! アマゾネスの血を掻き立てる、カゲミツくんの妖刀と同じ妖気を放つかどうかだから。
「とりあえず、試し撃ちするか。よろしくな、アルバトロス」
【ん任せろおう! んすごい魔法を撃たせてやある!】
信じられないといった様子のカゲミツくんと共に、試し撃ち会場----すなわち、家の裏手の庭の方へと回りこむのであった。
既に裏手には、魔法用の盾を持って待っていたデルタちゃんの姿があった。
「ボス、お待ちておりました。こちら、いつでも発射していただいて大丈夫でございます」
「ご苦労さん、デルタちゃん。では早速、これより妖杖【アルバトロス】のテストを開始しよう」
私はそう言って、【アルバトロス】に魔力を込めると、杖の先端の本。そこに書かれている文字のうちの2つが、光り輝き始める。
光り輝いている文字は『風』、『雪』。そしてその横には、『ふぶき』とルビが振ってある。
この2文字を組み合わせても前世の記憶だと『ふぶき』とは読めないはずなのだが、まぁ、厳密にそこまでこだわる必要はないので、ざっくりとしたニュアンスとして認識するくらいで良いだろう。
「では行くぞ、デルタちゃん! ----"【風雪】"!」
----ごぉぉぉぉぉぉぉ!!
妖杖【アルバトロス】から、物凄い勢いの風と雪が、1つの巨大な凍える竜巻となって、杖から放たれる。放たれた雪の突風は、デルタちゃんの持っていた魔法用の盾にぶち当たり、当たった部分を凍り付かせていた。
----実験は成功! 思った通り以上の威力を発揮できた!
問題は、これを渡す相手が、貴族の子女という事だ。
……ちょっと、というか、かなーり物騒な贈り物になりそうなので、大丈夫だろうか?
多分これ、その気になれば国を落とせるレベルになっちゃったんだけど。
【んはじめましてだよ、兄弟! ん妖杖【アルバトロス】であある】
そう言って私は、カゲミツくんの目の前に、先端に本が取りつけられた杖を差し出す。その杖を受け取ったカゲミツくんはというと、じーっと妖杖【アルバトロス】を見つめていた。
「……ボスの目には、私がこの無駄にお喋りな杖と同じに見えているのですか?」
【んしつれいな奴だあな! んお前のために、サクラアさんの所に嫁ぐつもりなあのに!】
嫁ぐって……ただ武器として渡すだけなのに。
----妖杖【アルバトロス】。
この杖は、偽獣鉄を溶かして鍛造して作った杖であり、アマゾネスの血を引く『魔法使い』サクラアさんのために作った"戦闘が楽しくなる杖"だ。
魔法というのは、魔法を行使するために生み出された特殊文字の組み合わせによって放たれる。その特殊文字とは、古の時代に使われていたとされる古代魔術文字である。つまりは、"今は使われていない特殊な文字"というのが、魔法に適した文字とされる。
そして、この魔法に適した文字の中には、前世の漢字もその1つとして使えるのである。
この妖杖【アルバトロス】は、杖の先端につけてある本に、合計1000文字以上の漢字を刻み込んである。
杖に魔力を込めると、本に書いておいた漢字が、魔力量に応じて光り輝く仕様になっている。勿論、その横には詠唱の際に必要となるであろう読み仮名も振ってある。
魔力を込め、本に書いてある文字を読むと、いつもよりも強力な魔法が使えるようになる。
魔法というのは、同じ現象を起こす場合、文字数が少なければ少ないほど、強力なモノとして発動されるらしい。
同じ火炎を放つ魔法も、普通なら『ほのお』で3文字だが、漢字を使えば『炎』とたった1文字。単純計算で3倍の威力になるという事だ。
勉強も、戦闘も、目に見えて強くなっていると実感できる時こそ、楽しいと思える瞬間であろう。
この妖杖【アルバトロス】は、そうなるようにデザインして作り上げた魔法の杖である。
【んもう兄貴は自分勝手で困るなあ!】
決して、このようなおしゃべりになるように作り上げたつもりは、一切ないのだが。
……やはり、偽獣鉄がこうなる鍵なのだろうか?
偽獣鉄は、【助けて】という特徴的な音が、溶かす際に流れてくるんだけど、あれは単にそう聞こえるだけだった。しかし今、アルバトロスは完全にこちらの言葉を理解した上で話をしているとしか思えない。
正直、偽獣鉄を使えば妖刀を作れるという事を初めて発見した際は、そのまま切れ味を確かめた後、危険かも知れないと炉に溶かしちゃったからな。
第2弾となる妖刀【厄狐丸】も、すぐにカゲミツくんの心臓に使ったから、全然検証とかは出来てない。
今度、偽獣鉄を使って検証用に武器を作ろうかなと考えていると、カゲミツくんがアルバトロスを指差して、抗議する。
「ボス! 流石の私でも、この杖を渡したら、私に求婚しなくなる可能性がないと言い切れないのですが!」
【んもう心配性だなあ! ん安心してくうれ! ん無事にサクラアさんの杖として、役目を果たすう!】
「…………」
そんなに、心配そうな目でこちらを見ないでくれ。カゲミツくん。
正直な所、これで良いかどうか、「ん」ばっかり言っているアルバトロスを見てたら、心配になるだろうけど、大事なのは性能面! アマゾネスの血を掻き立てる、カゲミツくんの妖刀と同じ妖気を放つかどうかだから。
「とりあえず、試し撃ちするか。よろしくな、アルバトロス」
【ん任せろおう! んすごい魔法を撃たせてやある!】
信じられないといった様子のカゲミツくんと共に、試し撃ち会場----すなわち、家の裏手の庭の方へと回りこむのであった。
既に裏手には、魔法用の盾を持って待っていたデルタちゃんの姿があった。
「ボス、お待ちておりました。こちら、いつでも発射していただいて大丈夫でございます」
「ご苦労さん、デルタちゃん。では早速、これより妖杖【アルバトロス】のテストを開始しよう」
私はそう言って、【アルバトロス】に魔力を込めると、杖の先端の本。そこに書かれている文字のうちの2つが、光り輝き始める。
光り輝いている文字は『風』、『雪』。そしてその横には、『ふぶき』とルビが振ってある。
この2文字を組み合わせても前世の記憶だと『ふぶき』とは読めないはずなのだが、まぁ、厳密にそこまでこだわる必要はないので、ざっくりとしたニュアンスとして認識するくらいで良いだろう。
「では行くぞ、デルタちゃん! ----"【風雪】"!」
----ごぉぉぉぉぉぉぉ!!
妖杖【アルバトロス】から、物凄い勢いの風と雪が、1つの巨大な凍える竜巻となって、杖から放たれる。放たれた雪の突風は、デルタちゃんの持っていた魔法用の盾にぶち当たり、当たった部分を凍り付かせていた。
----実験は成功! 思った通り以上の威力を発揮できた!
問題は、これを渡す相手が、貴族の子女という事だ。
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