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第206話 ピエームちゃんのための、外付けバッテリー開発配信
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コ・ラホ領にて、雷神石と呼ばれる特殊な石を大量購入した私。カゲミツくんにその石を荷物として持ってもらい、私達はイスウッドの自宅へと帰還した。
帰還するなり、私はタラタちゃんを呼び寄せた。
「師匠、今日はどうしたんですか?」
「あぁ、今日から新しい魔道具の開発に着手するんだけど、タラタちゃんも手伝って欲しい」
何故なら、今までやったことのない、新しい魔道具の開発なのだから。
研究室に、タラタちゃんと共に入った私は、早く説明をして欲しいとワクワクしているタラタちゃんに、今回作る魔道具の説明を始める。
「今回作る魔道具は、ピエームちゃんを治す治療用の魔道具です。原理としては、外付けのバッテリーを作って、心臓に直接魔力を供給します」
この雷神石というのは、常に微弱ながら魔力の雷を発する特殊な鉱石だ。そしてこの雷神石を2つ近付けると、その間に雷が流れて繋がるという特殊な性質を持っているのだ。
まるで磁石のようだ。あれもN極から、もう一方のS極へと、磁力が流れているんだったよな。確か。
私はこの性質を利用して、ピエームちゃんを救おうと思っているのである。
ピエームちゃんがずっと寝たままなのは、彼女の心臓部分にある魔力を蓄積する器官。この器官の魔力量がゼロになっているからだ。
それ以外に肉体的な問題はなく、逆に言えばこの問題さえ解決できれば、ピエームちゃんを目覚めさせることが出来るだろう。
いままでは、その心臓部分にある魔力を蓄積する器官に、どうやって魔力を送り込むのかが課題だったのだが、その課題をこの雷神石なら解決できるのである。
「師匠、それでどうやって解決するつもりですか?」
「雷神石を棒状にして、ピエームちゃんを挟む。名付けて、ハンバーガーのお肉作戦です」
私の言っている意味が分かってないのか、頭に疑問符を浮かべるタラタちゃんに分かりやすく説明するために、ベータちゃんにハンバーガーを作ってもらった。
このハンバーガーの肉の部分をピエームちゃんとして、話を進める。
私達がいまから作るのはこのお肉を挟む、パンの部分。お肉をハンバーガーとして完成させている上下2枚のパンの部分を作る。
「そしてこの上のパンから下のパンへと、ソースをしっかりと染み込ませて落とすと、その間にあるお肉もソースでべっとりになる。このソースが、ピエームちゃんを起こすのに足りない魔力だとする」
「……??」
良く分かってないようだが、話を続けよう。
雷神石を平べったい棒状にして、一方をお腹に、もう一方を背中に貼る。
そうすると雷神石はもう一方の雷神石に向かって、雷を放つ。雷神石から放たれる雷の魔力は、間に挟まれているピエームちゃんの身体を通っているのである。
「2つの雷神石を通る雷、これは魔力だ。そして、雷神石を使って魔力のやり取りをしている中で、間にいるピエームちゃんの魔力も蓄積されるという寸法だ」
「いまいち良く分かってないのですが……とにかく、この雷神石を棒状にするのが、今回の仕事でしょうか?」
「いや、そのまま棒状にして、ピエームちゃんに貼り付けるだけなら、それでよかったんだけど」
ただ棒状にするのではない。もし仮に、棒状にするだけなら、わざわざタラタちゃんに手伝いをお願いしないっての。
「雷神石を加工しておく。もう片方の雷神石に魔力を送る機能はそのままに、雷の属性変化の部分だけなくす。あと、激しい戦闘の際に取れたらいけないので、その辺の調整も必要となって来る。
----私は戦闘の際でも落ちないようにする工夫を考える。もう一方の雷の属性変化の部分は頼める?」
「了解しました!」
よしっ、課題が2つある時は、2人それぞれに1つの課題解決を頼む。これが一番効率がいい解決方法である。
私は、戦闘の際でもズレ落ちない、だけれども肉体に直接貼る事を考慮して肉体を傷つけない、接着方法の開発。
タラタちゃんは、雷属性の魔力を直接ピエームちゃんの身体に流す訳にはいかないので、"魔力がもう一方の雷神石に向かって流れる"という性質を有したまま、雷属性で無くすことの開発。
互いに、やるべき事は決まった。
こうして、ピエームちゃんを救うための、魔力保持装置の開発が始まったのである。
(※)雷神石
コ・ラホ領にのみ産出される特殊な鉱石の一種。鉱石の中に無限の魔力生成機能があり、その石の中に耐え切れなかった魔力が、魔力の雷として石の外に溢れる
2つ以上の雷神石を近くに置くと、その石の間に魔力の雷が流れ、お互いに行き来するという性質があり、この性質をススリアは磁石のようだなと表現した
普通、雷属性の素材は強い熱を加えると、その雷属性が消滅してしまうのだが、この雷神石を使った武器は高温で熱しても、雷属性を保持し続けるという特殊な性質があり、この性質を武器として応用できないかと、ツブア・コ・ラホ領主は武器として利用。その武器を見て、1人のアマゾネスが、そんな強い武器を持っているツブア領主の事を一目惚れした結果、サクラア・コ・ラホが産まれる事となった
帰還するなり、私はタラタちゃんを呼び寄せた。
「師匠、今日はどうしたんですか?」
「あぁ、今日から新しい魔道具の開発に着手するんだけど、タラタちゃんも手伝って欲しい」
何故なら、今までやったことのない、新しい魔道具の開発なのだから。
研究室に、タラタちゃんと共に入った私は、早く説明をして欲しいとワクワクしているタラタちゃんに、今回作る魔道具の説明を始める。
「今回作る魔道具は、ピエームちゃんを治す治療用の魔道具です。原理としては、外付けのバッテリーを作って、心臓に直接魔力を供給します」
この雷神石というのは、常に微弱ながら魔力の雷を発する特殊な鉱石だ。そしてこの雷神石を2つ近付けると、その間に雷が流れて繋がるという特殊な性質を持っているのだ。
まるで磁石のようだ。あれもN極から、もう一方のS極へと、磁力が流れているんだったよな。確か。
私はこの性質を利用して、ピエームちゃんを救おうと思っているのである。
ピエームちゃんがずっと寝たままなのは、彼女の心臓部分にある魔力を蓄積する器官。この器官の魔力量がゼロになっているからだ。
それ以外に肉体的な問題はなく、逆に言えばこの問題さえ解決できれば、ピエームちゃんを目覚めさせることが出来るだろう。
いままでは、その心臓部分にある魔力を蓄積する器官に、どうやって魔力を送り込むのかが課題だったのだが、その課題をこの雷神石なら解決できるのである。
「師匠、それでどうやって解決するつもりですか?」
「雷神石を棒状にして、ピエームちゃんを挟む。名付けて、ハンバーガーのお肉作戦です」
私の言っている意味が分かってないのか、頭に疑問符を浮かべるタラタちゃんに分かりやすく説明するために、ベータちゃんにハンバーガーを作ってもらった。
このハンバーガーの肉の部分をピエームちゃんとして、話を進める。
私達がいまから作るのはこのお肉を挟む、パンの部分。お肉をハンバーガーとして完成させている上下2枚のパンの部分を作る。
「そしてこの上のパンから下のパンへと、ソースをしっかりと染み込ませて落とすと、その間にあるお肉もソースでべっとりになる。このソースが、ピエームちゃんを起こすのに足りない魔力だとする」
「……??」
良く分かってないようだが、話を続けよう。
雷神石を平べったい棒状にして、一方をお腹に、もう一方を背中に貼る。
そうすると雷神石はもう一方の雷神石に向かって、雷を放つ。雷神石から放たれる雷の魔力は、間に挟まれているピエームちゃんの身体を通っているのである。
「2つの雷神石を通る雷、これは魔力だ。そして、雷神石を使って魔力のやり取りをしている中で、間にいるピエームちゃんの魔力も蓄積されるという寸法だ」
「いまいち良く分かってないのですが……とにかく、この雷神石を棒状にするのが、今回の仕事でしょうか?」
「いや、そのまま棒状にして、ピエームちゃんに貼り付けるだけなら、それでよかったんだけど」
ただ棒状にするのではない。もし仮に、棒状にするだけなら、わざわざタラタちゃんに手伝いをお願いしないっての。
「雷神石を加工しておく。もう片方の雷神石に魔力を送る機能はそのままに、雷の属性変化の部分だけなくす。あと、激しい戦闘の際に取れたらいけないので、その辺の調整も必要となって来る。
----私は戦闘の際でも落ちないようにする工夫を考える。もう一方の雷の属性変化の部分は頼める?」
「了解しました!」
よしっ、課題が2つある時は、2人それぞれに1つの課題解決を頼む。これが一番効率がいい解決方法である。
私は、戦闘の際でもズレ落ちない、だけれども肉体に直接貼る事を考慮して肉体を傷つけない、接着方法の開発。
タラタちゃんは、雷属性の魔力を直接ピエームちゃんの身体に流す訳にはいかないので、"魔力がもう一方の雷神石に向かって流れる"という性質を有したまま、雷属性で無くすことの開発。
互いに、やるべき事は決まった。
こうして、ピエームちゃんを救うための、魔力保持装置の開発が始まったのである。
(※)雷神石
コ・ラホ領にのみ産出される特殊な鉱石の一種。鉱石の中に無限の魔力生成機能があり、その石の中に耐え切れなかった魔力が、魔力の雷として石の外に溢れる
2つ以上の雷神石を近くに置くと、その石の間に魔力の雷が流れ、お互いに行き来するという性質があり、この性質をススリアは磁石のようだなと表現した
普通、雷属性の素材は強い熱を加えると、その雷属性が消滅してしまうのだが、この雷神石を使った武器は高温で熱しても、雷属性を保持し続けるという特殊な性質があり、この性質を武器として応用できないかと、ツブア・コ・ラホ領主は武器として利用。その武器を見て、1人のアマゾネスが、そんな強い武器を持っているツブア領主の事を一目惚れした結果、サクラア・コ・ラホが産まれる事となった
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