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第245話 大きいとやっぱり見ちゃうよね? 配信
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次の日----私の家に、タメリックさんが、見慣れぬ修道女さんと共にやって来た。
その修道女さんは、たゆんたゆんっと揺れる大きな胸が黒いローブ越しでも分かる、同性の私ですら魅了されてしまうご立派な物を持っていました。
「ススリアさん。今日はご時間をいただき、ありがとうございます。こちら、極北支部からの聖職者、クロブさんです」
「初めまして、ススリアさん。私、ただいまご紹介に預かりましたクロブと言います。よろしくお願いします」
ぺこりっと、頭を下げるクロブさん。そうやって彼女が頭を下げると、彼女のご立派な代物がめちゃくちゃ揺れていた。
そして、その様子をガンマちゃんが、じーっと見つめていた。
「……ガンマちゃん?」
「大丈夫ですよ、巨匠! あとで、ちゃんと編集したのをお届けしますから♪」
届けるな、届けるな。
ガンマちゃんは、いったい何を撮影してたんだか……?
「それは勿論、彼女のご立派な----」
「言わなくて良いから。あと、普通に撮影していた映像を消しといてね」
うん、ガンマちゃんは気付いてないかもしれないけど、それは普通にアウトな奴だよ。配信に載せたりしたら、完全に怒られて配信停止処分になるくらいの代物だからね。
それは普通にセクシャルハラスメント、いわゆるセクハラって奴だからさ。
「むっ……マスターに提案したい事があるのですが」
このタイミングで言わないでくれるかな、ベータちゃん。
いったいどういう事を言おうとしているのかは、だいたい予想はつくんだけれども。
「----というか、これ以上は話もきちんと進まないし、出来たら早めに用件を教えてくれないかな?」
「これは失礼しました。確かに、私どもが押し掛けている身ですので、そちらの要件には迅速に正解させていただきたく思います」
うん、朝食を食べていると言ったにも関わらず、非常識にも直接自宅に乗り込んできたんだから、せめてこちらの要求は迅速に聞いてね?
クロブさんの話によると、クロブさんが持って来た作物----レッドコーンについての調査依頼であった。
クロブさん----というか、彼女が所属している極北支部では、豊穣の神であるジビエ神様の詳細が分かる前から、畜産業などを行って来たそうだ。
牛や豚、山羊や鶏などを育てていたんだそうだ。レッドコーンはそんな家畜たちの餌として、クロブさん達が作っていた飼料の1つらしい。
このレッドコーンの優秀な点は、さほど手間暇をかけずとも大量に実るという点だ。
極北支部は、名前から想像する通り、雪深い山岳地帯にある。
人の出入りがまったくないという訳ではないが、緑は少なく、水は少ないという過酷な環境である事は確かだ。そんな過酷な環境だからこそ、育てられる作物はかなり限定されている。
その1つがレッドコーンであり、過酷なこの土地でも、少ない水でも、大量に、なおかつ時期を問わずに短期間で育つ優秀な作物なんだそうだ。味はすこぶる悪いが……。
以前より、このレッドコーンを育て、牛や豚などに与えていた。そうしてレッドコーンを食べた牛達から牛乳や卵などをもらったり、あるいはお肉として提供させてもらったりしていたんだそう。
しかし、今より数か月前から、レッドコーンを食べた家畜たちに異変が起き始めた。
----以前よりも食べる量が大幅に減った。
----牛乳や卵を出す頻度が減った。
----味も以前よりも美味しくなくなった。
この事態に対し、ジビエ神様に相談したところ、私に相談しろという命がくだり、ここまでやって来た、んだそうだ。
「(神様も、丸投げってするんですね)」
どうやらジビエ神様というのは、作物や家畜などを健やかに育てる神であるが、残念ながらその味やらは保証してくれないんだそうだ。
簡単に言えば、『半年かかる作物を3か月で育つようにする』だの、『豚を一回り大きく太らせる』だのといった事は出来る。しかしながら、『味が悪いので美味しくなるようにして欲しい』だとか、『今よりも牛肉の脂を減らして欲しい』と言ったことは出来ないんだそうだ。
あくまでも、大きく、そして肥やすことが豊穣神ジビエ神様とやらの力なんだとか。
「なるほど。だからこそ、レッドコーンをいつものように与えたはずなのに、家畜達が元気がないのがおかしい、と」
「はい、その通りです。我々はいったい、どんな不正解を犯したのか、見当もつかず……」
「私からもお願いします。なんとか、調べて貰えないでしょうか?」
事情はよーく分かったが、これ、本来はジビエ神様とやらが解決すべき案件なんじゃないかな?
人に丸投げせずに、イスウッドの酒工場に良く顔を出して味を見に来ているカンロ神様みたいに、自分で動くべき案件なんじゃないだろうか。
まぁ、神様に文句を言った所で、その文句が届くはずもあるまい。
「ベータちゃん。とりあえず、解析をお願いね」
「了解しました、マスター」
普段なら、解析業務は演算処理能力が高いガンマちゃんへお願いしている。しかしながら、今回のような食べ物に関しては、ガンマちゃんよりも、家事能力に特化させてあるベータちゃんの方が適任だ。
彼女に任せれば、毒の有無、カロリー量の把握、さらには各栄養素の量の分析などを、ガンマちゃんよりも瞬時に、なおかつ詳細に分析してくれるのだ。
そうして、ベータちゃんに、レッドコーンを渡してみた結果----彼女は、こう答えた。
「間違いないです。これ、毒です」
その修道女さんは、たゆんたゆんっと揺れる大きな胸が黒いローブ越しでも分かる、同性の私ですら魅了されてしまうご立派な物を持っていました。
「ススリアさん。今日はご時間をいただき、ありがとうございます。こちら、極北支部からの聖職者、クロブさんです」
「初めまして、ススリアさん。私、ただいまご紹介に預かりましたクロブと言います。よろしくお願いします」
ぺこりっと、頭を下げるクロブさん。そうやって彼女が頭を下げると、彼女のご立派な代物がめちゃくちゃ揺れていた。
そして、その様子をガンマちゃんが、じーっと見つめていた。
「……ガンマちゃん?」
「大丈夫ですよ、巨匠! あとで、ちゃんと編集したのをお届けしますから♪」
届けるな、届けるな。
ガンマちゃんは、いったい何を撮影してたんだか……?
「それは勿論、彼女のご立派な----」
「言わなくて良いから。あと、普通に撮影していた映像を消しといてね」
うん、ガンマちゃんは気付いてないかもしれないけど、それは普通にアウトな奴だよ。配信に載せたりしたら、完全に怒られて配信停止処分になるくらいの代物だからね。
それは普通にセクシャルハラスメント、いわゆるセクハラって奴だからさ。
「むっ……マスターに提案したい事があるのですが」
このタイミングで言わないでくれるかな、ベータちゃん。
いったいどういう事を言おうとしているのかは、だいたい予想はつくんだけれども。
「----というか、これ以上は話もきちんと進まないし、出来たら早めに用件を教えてくれないかな?」
「これは失礼しました。確かに、私どもが押し掛けている身ですので、そちらの要件には迅速に正解させていただきたく思います」
うん、朝食を食べていると言ったにも関わらず、非常識にも直接自宅に乗り込んできたんだから、せめてこちらの要求は迅速に聞いてね?
クロブさんの話によると、クロブさんが持って来た作物----レッドコーンについての調査依頼であった。
クロブさん----というか、彼女が所属している極北支部では、豊穣の神であるジビエ神様の詳細が分かる前から、畜産業などを行って来たそうだ。
牛や豚、山羊や鶏などを育てていたんだそうだ。レッドコーンはそんな家畜たちの餌として、クロブさん達が作っていた飼料の1つらしい。
このレッドコーンの優秀な点は、さほど手間暇をかけずとも大量に実るという点だ。
極北支部は、名前から想像する通り、雪深い山岳地帯にある。
人の出入りがまったくないという訳ではないが、緑は少なく、水は少ないという過酷な環境である事は確かだ。そんな過酷な環境だからこそ、育てられる作物はかなり限定されている。
その1つがレッドコーンであり、過酷なこの土地でも、少ない水でも、大量に、なおかつ時期を問わずに短期間で育つ優秀な作物なんだそうだ。味はすこぶる悪いが……。
以前より、このレッドコーンを育て、牛や豚などに与えていた。そうしてレッドコーンを食べた牛達から牛乳や卵などをもらったり、あるいはお肉として提供させてもらったりしていたんだそう。
しかし、今より数か月前から、レッドコーンを食べた家畜たちに異変が起き始めた。
----以前よりも食べる量が大幅に減った。
----牛乳や卵を出す頻度が減った。
----味も以前よりも美味しくなくなった。
この事態に対し、ジビエ神様に相談したところ、私に相談しろという命がくだり、ここまでやって来た、んだそうだ。
「(神様も、丸投げってするんですね)」
どうやらジビエ神様というのは、作物や家畜などを健やかに育てる神であるが、残念ながらその味やらは保証してくれないんだそうだ。
簡単に言えば、『半年かかる作物を3か月で育つようにする』だの、『豚を一回り大きく太らせる』だのといった事は出来る。しかしながら、『味が悪いので美味しくなるようにして欲しい』だとか、『今よりも牛肉の脂を減らして欲しい』と言ったことは出来ないんだそうだ。
あくまでも、大きく、そして肥やすことが豊穣神ジビエ神様とやらの力なんだとか。
「なるほど。だからこそ、レッドコーンをいつものように与えたはずなのに、家畜達が元気がないのがおかしい、と」
「はい、その通りです。我々はいったい、どんな不正解を犯したのか、見当もつかず……」
「私からもお願いします。なんとか、調べて貰えないでしょうか?」
事情はよーく分かったが、これ、本来はジビエ神様とやらが解決すべき案件なんじゃないかな?
人に丸投げせずに、イスウッドの酒工場に良く顔を出して味を見に来ているカンロ神様みたいに、自分で動くべき案件なんじゃないだろうか。
まぁ、神様に文句を言った所で、その文句が届くはずもあるまい。
「ベータちゃん。とりあえず、解析をお願いね」
「了解しました、マスター」
普段なら、解析業務は演算処理能力が高いガンマちゃんへお願いしている。しかしながら、今回のような食べ物に関しては、ガンマちゃんよりも、家事能力に特化させてあるベータちゃんの方が適任だ。
彼女に任せれば、毒の有無、カロリー量の把握、さらには各栄養素の量の分析などを、ガンマちゃんよりも瞬時に、なおかつ詳細に分析してくれるのだ。
そうして、ベータちゃんに、レッドコーンを渡してみた結果----彼女は、こう答えた。
「間違いないです。これ、毒です」
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