73 / 125
第9章 洗脳の刑
第73話 美味なる悪夢
しおりを挟む
僕は思い立ったら直ぐに行動に繋げる。今回だって例外では無い。
「さて……皆、席に着いたね」
僕はこの味を葵と茜……二人にも知ってもらいたく、二人を食事の席に招いた。身体も満足に動かせない二人を部屋まで連れて来るのはそれなりに骨が折れたけれど。
開頭の影響か、葵は四肢が麻痺した様に満足に動かせない様だった。椅子に座る事すら困難な様だったので無理矢理に身体を椅子に縛り付け、体制を保たせる。
神経も血も通わない人形の手足しか持たない茜は車椅子に乗せ、部屋まで案内した。既に心が壊れ、完全に廃人と化した茜も椅子に行儀良く座る事は困難だったので、車椅子に胴体を縛り付けて体制を保たせる。
「最高に奇妙な光景ね、これ」
ティエラが対面で向かい合う壊れた少女達を目にして、吐き捨てる。
壊れた少女二人と僕たち。この四人が少女の脳を調理し、食そうとしている。
この世にこれ程までに奇怪で、狂気に満ちた空間があっただろうか。
そして、これ程までに心踊る空間があっただろうか。
「……あ、お……ぃ……」
「おねぇ、……ぇ、ちゃ……ん……」
二人の少女が対面の席で向き合い、互いの名を口にする。
疲弊し、汚れ、壊れてしまった互いの変わり果てた姿に、二人の少女は目を見開き涙を浮かべる。
それはして感情というより、反射的な反応なのかもしれない。無意識のうちに涙が溢れ出てきてしまったという印象だった。
「ああ……君たちが涙するのも分かる。君達二人を離れ離れにさせてしまってすまなかったね。そのお詫びとして……今日は君達を昼食に招いたんだ」
僕は美しき姉妹愛を目の当たりにしひどく心を痛める。
必要な事だったとはいえ、姉妹を離れ離れにさせてしまった。さぞ不安だった事だろう。
だが、ようやく姉妹が再開する場を設ける事ができた。それは大変に喜ばしい事だ。
「二人とも、ここに来てからまともな食事をしてないだろう? たまには料理らしい料理を舌で楽しんで欲しいんだ」
僕が片手を上げると、その合図でティエラが二人の料理を運んで来る。銀色の皿に盛り付けられた醜悪な料理……桜色の、皺だらけ肉のカケラが乗せらている。
「……な、に……?」
二人は口を開いたまま、目の前の料理に唖然とする。今までの人生の中でも目にした事のない奇怪な外見のそれに。
「まぁ、まずは味わってくれ。さぁ」
再び僕が合図すると、ティエラがフォークで脳の一部を切り崩してやり、まずは脳の持ち主である葵に味わせようとする。
「何で私が……」
そして、そのカケラをフォークで掬い上げ、葵の口の中に放り込む。
「ぐっ……けほっ……」
「吐いたらこのままフォークで目ん玉抉り取るから。溢さず全部綺麗に飲み込みなさい」
銀色のフォークを眼球に向けると、葵はゆっくりと口の中のモノを噛み砕き、唾液に浸し、舌で転がす。
「口の中で唾液と旨味を混ぜ合わせるんだ。どうだい? 不思議な、経験した事の無い様な食感だろう?」
そして、何を食べさせられているのかすら分からないまま、葵は自らの口内で自らの脳の味を楽しんだ。
「さて……皆、席に着いたね」
僕はこの味を葵と茜……二人にも知ってもらいたく、二人を食事の席に招いた。身体も満足に動かせない二人を部屋まで連れて来るのはそれなりに骨が折れたけれど。
開頭の影響か、葵は四肢が麻痺した様に満足に動かせない様だった。椅子に座る事すら困難な様だったので無理矢理に身体を椅子に縛り付け、体制を保たせる。
神経も血も通わない人形の手足しか持たない茜は車椅子に乗せ、部屋まで案内した。既に心が壊れ、完全に廃人と化した茜も椅子に行儀良く座る事は困難だったので、車椅子に胴体を縛り付けて体制を保たせる。
「最高に奇妙な光景ね、これ」
ティエラが対面で向かい合う壊れた少女達を目にして、吐き捨てる。
壊れた少女二人と僕たち。この四人が少女の脳を調理し、食そうとしている。
この世にこれ程までに奇怪で、狂気に満ちた空間があっただろうか。
そして、これ程までに心踊る空間があっただろうか。
「……あ、お……ぃ……」
「おねぇ、……ぇ、ちゃ……ん……」
二人の少女が対面の席で向き合い、互いの名を口にする。
疲弊し、汚れ、壊れてしまった互いの変わり果てた姿に、二人の少女は目を見開き涙を浮かべる。
それはして感情というより、反射的な反応なのかもしれない。無意識のうちに涙が溢れ出てきてしまったという印象だった。
「ああ……君たちが涙するのも分かる。君達二人を離れ離れにさせてしまってすまなかったね。そのお詫びとして……今日は君達を昼食に招いたんだ」
僕は美しき姉妹愛を目の当たりにしひどく心を痛める。
必要な事だったとはいえ、姉妹を離れ離れにさせてしまった。さぞ不安だった事だろう。
だが、ようやく姉妹が再開する場を設ける事ができた。それは大変に喜ばしい事だ。
「二人とも、ここに来てからまともな食事をしてないだろう? たまには料理らしい料理を舌で楽しんで欲しいんだ」
僕が片手を上げると、その合図でティエラが二人の料理を運んで来る。銀色の皿に盛り付けられた醜悪な料理……桜色の、皺だらけ肉のカケラが乗せらている。
「……な、に……?」
二人は口を開いたまま、目の前の料理に唖然とする。今までの人生の中でも目にした事のない奇怪な外見のそれに。
「まぁ、まずは味わってくれ。さぁ」
再び僕が合図すると、ティエラがフォークで脳の一部を切り崩してやり、まずは脳の持ち主である葵に味わせようとする。
「何で私が……」
そして、そのカケラをフォークで掬い上げ、葵の口の中に放り込む。
「ぐっ……けほっ……」
「吐いたらこのままフォークで目ん玉抉り取るから。溢さず全部綺麗に飲み込みなさい」
銀色のフォークを眼球に向けると、葵はゆっくりと口の中のモノを噛み砕き、唾液に浸し、舌で転がす。
「口の中で唾液と旨味を混ぜ合わせるんだ。どうだい? 不思議な、経験した事の無い様な食感だろう?」
そして、何を食べさせられているのかすら分からないまま、葵は自らの口内で自らの脳の味を楽しんだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる