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第5話 電脳の地獄『胃袋の刑』Ⅰ
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私は木村から2人のアカウントと位置情報を聞き出した。
まずは工藤の方から尋ねることにした。
工藤は電脳世界ではKという名前で活動しており、主にアイテム販売や転売でPを稼いでいるらしい。
そして私は奴の経営するアイテムショップにたどり着き、その扉を開けた。
「すいません、今は開いていますか?」
「は? システム不具合でそれどころじゃないんだ、帰ってくれ」
中に工藤はいた。驚いたことに現実の容姿通りのアバターだ。
しかし、ずっとアイテムメニュー欄を睨み続けているだけでこちらを見向きもしない。
「ご、ごめんなさい」
「ん? あんたどっかで見たことのある……あの有名ユーザーか? 姫とか呼ばれている」
「ええ、まぁ……一応」
まさか工藤にまで認知されているとは思わなかった。しかし、当然ではあるが私の正体には気付いていない。
「ほう……」
工藤はようやくアイテムメニューを閉じ、嘗め回すような視線を私に浴びせる。
「まぁ、いい。入りなよ。今この世界は無法地帯な様なものだ。いくら電脳世界とはいえ、外にいるのも不安だろう」
そう言って工藤は私を店の奥へと案内する。
店の奥にはアイテムメニューに収まりきらなかったレア武器・アイテムが山ほど陳列されていた。
「……すっごい武器とアイテムばっかり。こんなものどこから……」
「この世界にも人脈が必要だ。色々な筋の連中から買い取るんだよ。そして、それをまた違う奴へ売る。そうやって俺はPを貯め続け、今やこの世界じゃ唯一無二の富豪さ」
工藤は得意げにメニューを開き、所持Pの数値を私に見せつける。
確かに桁違いの数値だった。
「……随分と、小賢しいんですね」
「……なんだと」
だが私の反応は予想外だったのか、工藤は苛立ちの表情を浮かべる。
確か現実の世界でも工藤はそれなりの家柄の人間だった。そのプライドか、電脳世界であっても富豪を演じているのだろう。
「だって、せっかく電脳世界で好きなように生きられるっていうのに……クエストにも出ず、冒険もせずただチマチマとアイテム転売だなんて……楽しいですか?」
「黙れ!」
私の挑発に工藤はまんまと乗り、すぐに首へと手を伸ばす。
「忘れていないか? この世界は今、無法地帯なんだよ。暴力規制もそれを取り締まる運営部も機能を停止している。つまり、こういう事だってできるんだよ」
工藤の手はぎりぎりと私の首に食い込む。
電脳世界であっても、その感覚は忠実に再現されている。
「……はは」
「……何が可笑しい」
「その小賢しさと暴力的な特徴……やっぱり工藤君らしいね」
「っな! なぜ俺の情報を……」
私の言葉に工藤は激しく動揺する。
個人情報も明かしていない電脳世界の中で、何故私が工藤の情報を知っているのか。
工藤は反射的に首から手を引いていた。
「木村君から聞いたんだよ、君と桐ケ谷君のアカウント」
「あの豚ッ……だが、何故俺と桐ケ谷……」
「……あの時もこうやって首が折れそうなくらいに締めてくれたよね? 藤ヶ谷 飛鳥の首を」
その名を聞き、工藤は一瞬で表情が曇った。
だが、それは一瞬ですぐに不敵な笑みへと表情は変わった。
「お前……学校に顔を出さないと思ったら、電脳世界に入り浸ってたってわけか」
「おかげさまでね。けれど、今になってはそれにも感謝している。だって、君たちに地獄を見せる舞台と能力が整ったんだから」
僕の得意げな態度に、工藤は吹き出した。
「っは……電脳世界なら俺に勝てるとでも? 見ろよ、俺はレアアイテムを星の数ほど所持してる。クエストで雑魚モンスターを相手にして持て囃されてるだけのお前が! 俺に勝てるとでも思っているのか?!」
工藤の背後には数えきれない程のレア武器とアイテム。通常はクエストで使うものだが、運営部の規制も機能していない今は、それを私に向けることもできる。
「うん、アイテムじゃ勝てないよ。けれど、アイテムが無ければ君は無力ってことになる」
だが、それは工藤の手元にあった場合だ。
手元からそれがすべて消えれば、工藤は途端に無力となる。
私はメニューを開き、チート行為の操作を行った。
「なっ……なんだ、これは! おい! お前何をした!」
すると工藤の背後に陳列されていたアイテムも武器も全てが消えていた。
「邪魔そうだったから移動させたんだよ」
「馬鹿な……どうやって」
私はメニューを工藤の方へ向ける。
そこには、チートソフトのインストールされた痕跡が記されていた。
「これ、木村君に貰ったんだ。これさえあればこの世界じゃ無敵なんだってさ」
「あの豚野郎……リアルで会ったら殺してやる」
工藤は地団駄を踏みながら怒っている。
「怒るのもいいけどさ、早くしないと君のアイテム全部消えちゃうけどいいのかなぁ」
「このクソアマ……」
工藤は私の胸倉を掴み上げる。
「俺のアイテムをどこへやった……答えろ!」
「私が答えなくても、行けば嫌でも分かるよ」
「あ?! 御託はいいからさっさと……」
「本当にいいの? その場所に案内して」
私はニヤニヤしながら工藤に問う。
「くどいぞ! リアルで殺されたくなかったらさっさと……」
「んじゃ、テレポート使うね。捕まって」
慣れた手つきでメニューを開き、テレポート機能を使う。
テレポート先は……工藤にお似合いの地獄だ。
まずは工藤の方から尋ねることにした。
工藤は電脳世界ではKという名前で活動しており、主にアイテム販売や転売でPを稼いでいるらしい。
そして私は奴の経営するアイテムショップにたどり着き、その扉を開けた。
「すいません、今は開いていますか?」
「は? システム不具合でそれどころじゃないんだ、帰ってくれ」
中に工藤はいた。驚いたことに現実の容姿通りのアバターだ。
しかし、ずっとアイテムメニュー欄を睨み続けているだけでこちらを見向きもしない。
「ご、ごめんなさい」
「ん? あんたどっかで見たことのある……あの有名ユーザーか? 姫とか呼ばれている」
「ええ、まぁ……一応」
まさか工藤にまで認知されているとは思わなかった。しかし、当然ではあるが私の正体には気付いていない。
「ほう……」
工藤はようやくアイテムメニューを閉じ、嘗め回すような視線を私に浴びせる。
「まぁ、いい。入りなよ。今この世界は無法地帯な様なものだ。いくら電脳世界とはいえ、外にいるのも不安だろう」
そう言って工藤は私を店の奥へと案内する。
店の奥にはアイテムメニューに収まりきらなかったレア武器・アイテムが山ほど陳列されていた。
「……すっごい武器とアイテムばっかり。こんなものどこから……」
「この世界にも人脈が必要だ。色々な筋の連中から買い取るんだよ。そして、それをまた違う奴へ売る。そうやって俺はPを貯め続け、今やこの世界じゃ唯一無二の富豪さ」
工藤は得意げにメニューを開き、所持Pの数値を私に見せつける。
確かに桁違いの数値だった。
「……随分と、小賢しいんですね」
「……なんだと」
だが私の反応は予想外だったのか、工藤は苛立ちの表情を浮かべる。
確か現実の世界でも工藤はそれなりの家柄の人間だった。そのプライドか、電脳世界であっても富豪を演じているのだろう。
「だって、せっかく電脳世界で好きなように生きられるっていうのに……クエストにも出ず、冒険もせずただチマチマとアイテム転売だなんて……楽しいですか?」
「黙れ!」
私の挑発に工藤はまんまと乗り、すぐに首へと手を伸ばす。
「忘れていないか? この世界は今、無法地帯なんだよ。暴力規制もそれを取り締まる運営部も機能を停止している。つまり、こういう事だってできるんだよ」
工藤の手はぎりぎりと私の首に食い込む。
電脳世界であっても、その感覚は忠実に再現されている。
「……はは」
「……何が可笑しい」
「その小賢しさと暴力的な特徴……やっぱり工藤君らしいね」
「っな! なぜ俺の情報を……」
私の言葉に工藤は激しく動揺する。
個人情報も明かしていない電脳世界の中で、何故私が工藤の情報を知っているのか。
工藤は反射的に首から手を引いていた。
「木村君から聞いたんだよ、君と桐ケ谷君のアカウント」
「あの豚ッ……だが、何故俺と桐ケ谷……」
「……あの時もこうやって首が折れそうなくらいに締めてくれたよね? 藤ヶ谷 飛鳥の首を」
その名を聞き、工藤は一瞬で表情が曇った。
だが、それは一瞬ですぐに不敵な笑みへと表情は変わった。
「お前……学校に顔を出さないと思ったら、電脳世界に入り浸ってたってわけか」
「おかげさまでね。けれど、今になってはそれにも感謝している。だって、君たちに地獄を見せる舞台と能力が整ったんだから」
僕の得意げな態度に、工藤は吹き出した。
「っは……電脳世界なら俺に勝てるとでも? 見ろよ、俺はレアアイテムを星の数ほど所持してる。クエストで雑魚モンスターを相手にして持て囃されてるだけのお前が! 俺に勝てるとでも思っているのか?!」
工藤の背後には数えきれない程のレア武器とアイテム。通常はクエストで使うものだが、運営部の規制も機能していない今は、それを私に向けることもできる。
「うん、アイテムじゃ勝てないよ。けれど、アイテムが無ければ君は無力ってことになる」
だが、それは工藤の手元にあった場合だ。
手元からそれがすべて消えれば、工藤は途端に無力となる。
私はメニューを開き、チート行為の操作を行った。
「なっ……なんだ、これは! おい! お前何をした!」
すると工藤の背後に陳列されていたアイテムも武器も全てが消えていた。
「邪魔そうだったから移動させたんだよ」
「馬鹿な……どうやって」
私はメニューを工藤の方へ向ける。
そこには、チートソフトのインストールされた痕跡が記されていた。
「これ、木村君に貰ったんだ。これさえあればこの世界じゃ無敵なんだってさ」
「あの豚野郎……リアルで会ったら殺してやる」
工藤は地団駄を踏みながら怒っている。
「怒るのもいいけどさ、早くしないと君のアイテム全部消えちゃうけどいいのかなぁ」
「このクソアマ……」
工藤は私の胸倉を掴み上げる。
「俺のアイテムをどこへやった……答えろ!」
「私が答えなくても、行けば嫌でも分かるよ」
「あ?! 御託はいいからさっさと……」
「本当にいいの? その場所に案内して」
私はニヤニヤしながら工藤に問う。
「くどいぞ! リアルで殺されたくなかったらさっさと……」
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慣れた手つきでメニューを開き、テレポート機能を使う。
テレポート先は……工藤にお似合いの地獄だ。
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