ヒビキとクロードの365日

あてきち

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8月

8月21日『噴水の日』

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クロード「ふぅ、まだまだ暑いですが、水の近くはやはり涼しいですね。ところで、言われるままついてきましたが、ここはどこなのですか?」

 ヒビキ「上野恩賜公園にある『竹の台噴水広場』だよ」

クロード「『うえの』というと、また東京ですか。確かこの近くには動物園があったはず。なんでも『ぱんだ』なる珍獣を見れるとか。興味があります」

 ヒビキ「獣人が動物園……想像しただけでシュールだ。でも行かないよ。今日8月21日は『噴水の日』だからね。今日は噴水を楽しもう」

クロード「まあ、噴水の近くは涼しいですし、炎天下で動物園を回るのはある意味苦行なので諦めますが、『噴水の日』とは一体何なのですか?」

 ヒビキ「1877年の8月21日に『第1回内国勧業博覧会』……要するに国内向けの博覧会が開催されたんだけど、会場となった上野公園中央の人工池に日本初の西洋式噴水が作られ始めたことが記念日の由来らしいね」

クロード「作られ始めた? では8月21日にはまだ噴水はなかったのですか?」

 ヒビキ「完成したのは9月8日だそうだよ。ちなみに、今俺達の目の前にあるのは当時のものじゃなくて、2012年にリニューアルされたものだね」

クロード「最古の噴水とかではないのですね」

 ヒビキ「日本で最古とされているのは、石川県にある日本三名園のひとつ『兼六園』の噴水だよ。1861年に作られたもので、動力は使われておらず近くにある池の水を、高低差を利用した自然の水圧で吹き上げる仕組みになっているんだ」

クロード「正直、そちらの方が記念日の由来としてはふさわしい気がします……確か、初めての西洋式噴水でしたか。その、最古の噴水とは何が違うのでしょう?」

 ヒビキ「えーと……何が違うんだろう? ……デザイン?」

クロード「どうして疑問形なのですか?」

 ヒビキ「うーん。『西洋式』の明確な定義って何だろう……? 一応、兼六園の噴水とは構造は全く違うんだよ? 池の水をポンプで汲み上げて、鉄菅を通って水が吹き出す仕組みだから」

クロード「ではやはり、構造の違いがポイントなのではないですか?」

 ヒビキ「どうかなぁ? 兼六園と同じ構造の噴水なんて日本以外にもたくさんあるから、あれが日本式噴水というにはちょっと語弊を感じるなぁ。当時が文明開化の明治時代だったことを考えると、やっぱりデザイン的な意味で『西洋式』という言葉を使ったんだと思うよ?」

クロード「微妙にややこしいというか判然としないというか、考えすぎでしょうか」

 ヒビキ「まあ、議論の必要性は感じないかな……あ、そろそろだよ」

クロード「そろそろ? 何が……おお! 一斉に池から水が噴出しました!」

 ヒビキ「竹の台噴水は30分おきにパターンを変えながら水が吹き出すんだ。夜はライトアップもされるから結構見どころのある観光スポットなんだよ」

クロード「『噴水の日』の存在意義には少々疑問を感じますが、ここの噴水自体は大変見ごたえがあって素晴らしいですね!」

 ヒビキ「楽しそうで何よりだけど……記念日を紹介している身で、そんな元も子もない感想は言わないように」



★★★★★
その他の記念日『献血の日』
※1964年8月21日。
※売血制度廃止。全ての輸血用血液は『献血』によって確保されることが決まった。


クロード「ヒビキ様の故郷には他にも色々な噴水があるのですよね?」
 ヒビキ「高さ日本一、世界でも第4位になる『月山大噴水』というのがあるよ」
クロード「噴水の高さ? 建築物の大きさのことですか?」
 ヒビキ「噴出する水の高さだよ。山形県の寒河江ダムの人造湖『月山湖』に作られた噴水で、112メートルの水が吹き出すんだ。最高記録は149メートルだって」
クロード「ひゃ、112メートル!? できればそっちに連れて行ってほしかったです」
 ヒビキ「また身もふたもないことを……」
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