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終章
「ようやくね。執念実ってのご婚約おめでとう」
あちこち違和感を覚える祝いの言葉に、マリーローズは少しばかり戸惑うも、根っから深く考えない質であるから、それ以上は気にしなかった。
「ありがとう。ケイトリン嬢」
マリーローズより先に答えたのは、エドワードだった。二人は一緒に昼食を終えて、廊下を歩いていたところでケイトリンから声をかけられた。
あの日公爵邸で、吐息攻撃に陥落して、半ば夢うつつで署名したのは婚約誓約書だった。
先に父が署名を済ませていたし、目の前で公爵夫妻がペン先をじっと見ていた。何より、隣に座るエドワードの圧が半端なかった。
憧れの君、マリーローズの王子様は、現実の婚約者となった。
それからは、朝夕の通学も昼食も、勿論、昼休みや中休みもすべて、マリーローズの持てる時間はエドワードのものとなった。
傍から見たなら息が詰まるような執着ぶりである。高貴な生まれと見目麗しい姿から、エドワードは学園でも相当の人気があったのだが、マグマのような執心ぶりには、学生たちもすっかり引いてしまった。
寄せる波があるなら引く波がある。今のところ、引いた波が戻ってくる気配はない。
猛愛を向けられてなお、涼しい顔をしている、むしろ、ほんのり頬を染めてはにかむマリーローズは「勇者」と陰で呼ばれている。ラブ・ウォーリア、愛の戦士という古典的な渾名まで得ていることを彼女は知らない。
今もエドワードから肩を抱き寄せられて、そんなにぴったりくっついては歩きにくくはなかろうかという後ろ姿だった。
そんな二人に声をかけたケイトリンこそ、真の勇者なのかもしれない。
「お似合いよ、お二人とも。特別な意味で」
粘着タイプと被粘着タイプのカップリング。甲と乙、凸と凹、まさに神業的な合致である。
「ふふ、ありがとうごさいます。ケイトリン様」
素直に礼を言うマリーローズ。ケイトリンはそんな彼女をわかっているから、もう一度「よかったわね」と言った。
ケイトリンは、幼い頃から二人のことを知っている。王弟である公爵の三男は、父よりも伯父である国王陛下に似ているらしい。
マリーローズは王妃教育のエキスパートから教えを授かっており、今現在で間違いなく才媛である。
父親は国王の側近で、彼女の人生は、真っ直ぐ延びる光り輝く平らな道を歩くようなものだと思われた。間違えても小径で小石にけ躓いたりしない。
そんな二人は、王家主催の幼子のお茶会でも目を引いていた。
ケイトリンは婿を取らねばならない身であったから、同年代の子女らをじっくり観察していたのだが。
凄い眼差しの強さだわ。
あまりに強烈な熱視線に、ぞわりと寒気がした。
何?あれ。焼き尽くすような視線。ビーム?目からビームを放っているの?
それは明らかに異様な光景なのだが、呑気な幼子たちはそのことに気づいていない。
彼女、大丈夫かしら。あんなビームを集中照射されて、焦げちゃうのでは?
ビームの的となっている少女は、噂に違わぬ美しい姿でソーサー片手にお茶を飲んでいる。
呑気?それとも鈍感?
ケイトリンには、どうにも後者に思えてならなかった。
灼けつくような視線を放つエドワードと、全身舐めるような熱視線を照射されながら涼し気な笑みを浮かべるマリーローズ。
聡いケイトリンにはわかっていた。
彼女、きっと逃げられない。
だから、あれほど虎視タンタカタンとマリーローズを狙っていたエドワードが、ようやく婚約までこぎつけたと聞いて、「随分、時間がかかったのね」としか思わなかった。
蟻退治という課題をクリアするまではと、引き伸ばされていた婚約であることは、流石の彼女も知り得なかった。
今からあんなに抱き寄せて、これからどうなっちゃうの?風紀委員が萎縮して注意もできないなんて、それってどう?
なのになんだかどうでもよくなる、ほのぼのとしたマリーローズの姿に、
「まあ、いっか」
さっぱり気質のケイトリンは、さらりと納得した。
自分こそエドワードを参考にして、婚約者の心を完全陥落させようと思う。ケイトリンの婚約者は三つ年下の伯爵家の子息で、こう言ってはなんだが、物凄く可愛い。
ひと様の恋愛模様よりも、自分の恋物語を育むことのほうが大切なのである。
彼女は知らない。
マリーローズにうっかり婚約者との交流や、二人の間に芽生えた恋を打ち明けるうちに、マリーローズが二人の恋物語を密かに執筆することを。
それは後に「LADY Kの初恋」というタイトルで刊行されて、人気を博すこととなる。王都に空前の「年下男子」ブームを巻き起こすのだが、それも今は神のみぞ知ることである。
『親愛なるマリールイーズ様』
マリーローズは、姉と慕う女性に文をしたためている。
初恋の想い人と、この度、婚約が結ばれたこと。
彼がヒュースコート公爵の三男で、将来は文官となって父であるロバートソンの補佐官を目指していること。
婚約者は爵位も領地も継がないから、自分は彼と結婚したなら、恋愛小説家と家政を両立させて、職業婦人になろうと思っていること。
文を書きながら、数え切れないほどの偶然が重なって、エドワードとの縁が結ばれた幸運を噛み締める。
彼の深緑色ノートが、マリーローズのビリジアンの瞳に寄せていたことも先日知ったばかりである。
マリーローズも、エドワードの青い瞳を想って紺碧色のノートにしたと打ち明けると、彼は、
「知ってるよ。君のことならすべて」と言った。
「お待たせ。ん?文を書いているの?」
誰に?と言って、マリーローズの手元を覗き込むようにエドワードが顔を寄せてきた。
彼は放課後に教師との話(婚約者と、もうちょっと離れて歩くように注意を受けた)があって、マリーローズはその間、図書室でマリールイーズへの文を書いていた。
エドワードの吐息が頬をかすめる。その前に、鼓膜に響く甘い囁きを耳元で吹き込まれた。
俯いていた顔を上げれば、エドワードは思いのほか接近しており、彼の真っ青な瞳に自分のとぼけた顔が映っている。
マリールイーズ様。私、とても幸せなの。
ただ、貴方の瞳に映るだけで、こんなに幸せ。
いつかまた、あの雪深い子爵領を訪ねたい。
暑い夏も涼しいし、風光明媚な秋の風景はどんな絵画も及ばない。あの風景をエドワードにも見せてあげたい。
聖夜の季節は、リースに山査子の実をたっぷり飾る。真っ赤な山査子の実を見ると、子爵邸を思い出す。
不思議な縁で繋がっているマリールイーズ。
同じくエドワードとは、不思議な縁で結ばれた。
彼の瞳に映るだけで、胸の内側からとろりと蕩ける蜜が滲むようだった。
エドワードを見つめたままマリーローズが微笑めば、彼もまた綺麗な瞳を糸のように細めて、いつものように、うっそりとした笑みを浮かべた。
完
あちこち違和感を覚える祝いの言葉に、マリーローズは少しばかり戸惑うも、根っから深く考えない質であるから、それ以上は気にしなかった。
「ありがとう。ケイトリン嬢」
マリーローズより先に答えたのは、エドワードだった。二人は一緒に昼食を終えて、廊下を歩いていたところでケイトリンから声をかけられた。
あの日公爵邸で、吐息攻撃に陥落して、半ば夢うつつで署名したのは婚約誓約書だった。
先に父が署名を済ませていたし、目の前で公爵夫妻がペン先をじっと見ていた。何より、隣に座るエドワードの圧が半端なかった。
憧れの君、マリーローズの王子様は、現実の婚約者となった。
それからは、朝夕の通学も昼食も、勿論、昼休みや中休みもすべて、マリーローズの持てる時間はエドワードのものとなった。
傍から見たなら息が詰まるような執着ぶりである。高貴な生まれと見目麗しい姿から、エドワードは学園でも相当の人気があったのだが、マグマのような執心ぶりには、学生たちもすっかり引いてしまった。
寄せる波があるなら引く波がある。今のところ、引いた波が戻ってくる気配はない。
猛愛を向けられてなお、涼しい顔をしている、むしろ、ほんのり頬を染めてはにかむマリーローズは「勇者」と陰で呼ばれている。ラブ・ウォーリア、愛の戦士という古典的な渾名まで得ていることを彼女は知らない。
今もエドワードから肩を抱き寄せられて、そんなにぴったりくっついては歩きにくくはなかろうかという後ろ姿だった。
そんな二人に声をかけたケイトリンこそ、真の勇者なのかもしれない。
「お似合いよ、お二人とも。特別な意味で」
粘着タイプと被粘着タイプのカップリング。甲と乙、凸と凹、まさに神業的な合致である。
「ふふ、ありがとうごさいます。ケイトリン様」
素直に礼を言うマリーローズ。ケイトリンはそんな彼女をわかっているから、もう一度「よかったわね」と言った。
ケイトリンは、幼い頃から二人のことを知っている。王弟である公爵の三男は、父よりも伯父である国王陛下に似ているらしい。
マリーローズは王妃教育のエキスパートから教えを授かっており、今現在で間違いなく才媛である。
父親は国王の側近で、彼女の人生は、真っ直ぐ延びる光り輝く平らな道を歩くようなものだと思われた。間違えても小径で小石にけ躓いたりしない。
そんな二人は、王家主催の幼子のお茶会でも目を引いていた。
ケイトリンは婿を取らねばならない身であったから、同年代の子女らをじっくり観察していたのだが。
凄い眼差しの強さだわ。
あまりに強烈な熱視線に、ぞわりと寒気がした。
何?あれ。焼き尽くすような視線。ビーム?目からビームを放っているの?
それは明らかに異様な光景なのだが、呑気な幼子たちはそのことに気づいていない。
彼女、大丈夫かしら。あんなビームを集中照射されて、焦げちゃうのでは?
ビームの的となっている少女は、噂に違わぬ美しい姿でソーサー片手にお茶を飲んでいる。
呑気?それとも鈍感?
ケイトリンには、どうにも後者に思えてならなかった。
灼けつくような視線を放つエドワードと、全身舐めるような熱視線を照射されながら涼し気な笑みを浮かべるマリーローズ。
聡いケイトリンにはわかっていた。
彼女、きっと逃げられない。
だから、あれほど虎視タンタカタンとマリーローズを狙っていたエドワードが、ようやく婚約までこぎつけたと聞いて、「随分、時間がかかったのね」としか思わなかった。
蟻退治という課題をクリアするまではと、引き伸ばされていた婚約であることは、流石の彼女も知り得なかった。
今からあんなに抱き寄せて、これからどうなっちゃうの?風紀委員が萎縮して注意もできないなんて、それってどう?
なのになんだかどうでもよくなる、ほのぼのとしたマリーローズの姿に、
「まあ、いっか」
さっぱり気質のケイトリンは、さらりと納得した。
自分こそエドワードを参考にして、婚約者の心を完全陥落させようと思う。ケイトリンの婚約者は三つ年下の伯爵家の子息で、こう言ってはなんだが、物凄く可愛い。
ひと様の恋愛模様よりも、自分の恋物語を育むことのほうが大切なのである。
彼女は知らない。
マリーローズにうっかり婚約者との交流や、二人の間に芽生えた恋を打ち明けるうちに、マリーローズが二人の恋物語を密かに執筆することを。
それは後に「LADY Kの初恋」というタイトルで刊行されて、人気を博すこととなる。王都に空前の「年下男子」ブームを巻き起こすのだが、それも今は神のみぞ知ることである。
『親愛なるマリールイーズ様』
マリーローズは、姉と慕う女性に文をしたためている。
初恋の想い人と、この度、婚約が結ばれたこと。
彼がヒュースコート公爵の三男で、将来は文官となって父であるロバートソンの補佐官を目指していること。
婚約者は爵位も領地も継がないから、自分は彼と結婚したなら、恋愛小説家と家政を両立させて、職業婦人になろうと思っていること。
文を書きながら、数え切れないほどの偶然が重なって、エドワードとの縁が結ばれた幸運を噛み締める。
彼の深緑色ノートが、マリーローズのビリジアンの瞳に寄せていたことも先日知ったばかりである。
マリーローズも、エドワードの青い瞳を想って紺碧色のノートにしたと打ち明けると、彼は、
「知ってるよ。君のことならすべて」と言った。
「お待たせ。ん?文を書いているの?」
誰に?と言って、マリーローズの手元を覗き込むようにエドワードが顔を寄せてきた。
彼は放課後に教師との話(婚約者と、もうちょっと離れて歩くように注意を受けた)があって、マリーローズはその間、図書室でマリールイーズへの文を書いていた。
エドワードの吐息が頬をかすめる。その前に、鼓膜に響く甘い囁きを耳元で吹き込まれた。
俯いていた顔を上げれば、エドワードは思いのほか接近しており、彼の真っ青な瞳に自分のとぼけた顔が映っている。
マリールイーズ様。私、とても幸せなの。
ただ、貴方の瞳に映るだけで、こんなに幸せ。
いつかまた、あの雪深い子爵領を訪ねたい。
暑い夏も涼しいし、風光明媚な秋の風景はどんな絵画も及ばない。あの風景をエドワードにも見せてあげたい。
聖夜の季節は、リースに山査子の実をたっぷり飾る。真っ赤な山査子の実を見ると、子爵邸を思い出す。
不思議な縁で繋がっているマリールイーズ。
同じくエドワードとは、不思議な縁で結ばれた。
彼の瞳に映るだけで、胸の内側からとろりと蕩ける蜜が滲むようだった。
エドワードを見つめたままマリーローズが微笑めば、彼もまた綺麗な瞳を糸のように細めて、いつものように、うっそりとした笑みを浮かべた。
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