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六の姫2
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物心の付く頃には、長子である第一王女は既に嫁いでいた。
年の離れた姉姫達は、王女教育や学園での学びに忙しく、なかなか会う事は無かった。
直ぐ上の二つ年上の姉とは居室も隣で気も合って、幼少期の記憶では大体がこの姉と過ごす事が多かった。
立太子を控える兄王子は父の側に部屋を持ち、母に溺愛されている幼子の弟は、常に母の側に置かれている。
一の姫を先頭にして王女達は順に部屋を割り与えられ、六番目のヴィオレットは宮の最奥の居室を住まいとしていた。
薄い色合いの金の髪は白銀にも見える。
肌も白く薄く、菫色の瞳のみが濃い色を示している。
影の薄い王女、六の姫。
木立に囲まれた庭園の広がる王女達の住処、最奥の部屋をヴィオレットは寂しいとは思わなかった。
政務に忙しい父王にも、弟につきっきりの母妃にも、滅多に会うことは無かったが、偶に会う兄も姉も皆優しかった。
大勢いる兄姉弟(きょうだい)の中にあって、己があまり注力されていない事に幼い頃から気付いていた六の姫は、生来の気質もあって、控え目で大人しい姫であった。
年の離れた姉たちは、そんな妹を不憫に思ってか、それとも弟ばかりに愛を傾ける母に呆れてか、ヴィオレットを案じている様であった。
聡い兄王子もそんなヴィオレットには気やすく接しており、時折遊んでくれるのがヴィオレットは嬉しかった。
父の妹が降嫁した公爵家には兄と同い年の従兄弟が一人おり、将来の側近候補と見做されているらしく、兄とは常に共にいた。
公爵譲りのシトリンの瞳を持つ従兄弟の、自分と同じ白銀にも見える薄い金の髪色に確かな血の繋がりを感じて、身近な親近感を得ていた。
兄がヴィオレットの相手をしてくれる時には大抵は従兄弟も一緒であり、日々を大人しく静かに過ごすヴィオレットにとって、彼らと触れ合う時間は特別なものであった。
すぐ上の姉と一緒に教育を受けたり刺繍などを習う時間は平穏で静かなもので、だから、兄達(男の子)と興じる遊びは、汗を掻きながら走り回り大きな声を発する事の出来る、心も身体も躍る時間であった。
姉は、汗臭い遊びは嫌よと呆れていたが。
だから、従兄弟からの激しい拒絶にヴィオレットは衝撃を受けてしまった。
年の離れた姉姫達は、王女教育や学園での学びに忙しく、なかなか会う事は無かった。
直ぐ上の二つ年上の姉とは居室も隣で気も合って、幼少期の記憶では大体がこの姉と過ごす事が多かった。
立太子を控える兄王子は父の側に部屋を持ち、母に溺愛されている幼子の弟は、常に母の側に置かれている。
一の姫を先頭にして王女達は順に部屋を割り与えられ、六番目のヴィオレットは宮の最奥の居室を住まいとしていた。
薄い色合いの金の髪は白銀にも見える。
肌も白く薄く、菫色の瞳のみが濃い色を示している。
影の薄い王女、六の姫。
木立に囲まれた庭園の広がる王女達の住処、最奥の部屋をヴィオレットは寂しいとは思わなかった。
政務に忙しい父王にも、弟につきっきりの母妃にも、滅多に会うことは無かったが、偶に会う兄も姉も皆優しかった。
大勢いる兄姉弟(きょうだい)の中にあって、己があまり注力されていない事に幼い頃から気付いていた六の姫は、生来の気質もあって、控え目で大人しい姫であった。
年の離れた姉たちは、そんな妹を不憫に思ってか、それとも弟ばかりに愛を傾ける母に呆れてか、ヴィオレットを案じている様であった。
聡い兄王子もそんなヴィオレットには気やすく接しており、時折遊んでくれるのがヴィオレットは嬉しかった。
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兄がヴィオレットの相手をしてくれる時には大抵は従兄弟も一緒であり、日々を大人しく静かに過ごすヴィオレットにとって、彼らと触れ合う時間は特別なものであった。
すぐ上の姉と一緒に教育を受けたり刺繍などを習う時間は平穏で静かなもので、だから、兄達(男の子)と興じる遊びは、汗を掻きながら走り回り大きな声を発する事の出来る、心も身体も躍る時間であった。
姉は、汗臭い遊びは嫌よと呆れていたが。
だから、従兄弟からの激しい拒絶にヴィオレットは衝撃を受けてしまった。
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