星の輝くこの夜に

Aruje

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吸血衝動(R15表現有り)

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森の中を15分程歩くと少し血の臭いが漂って来た。

それは奥に進む程濃くなり私の本能的な物を引き出させ、

私の視線を、前を歩くソフィアの首元に引き寄せる。

(かなり衝動が強いな…)

私はそう感じながら己の理性で欲求を捩じ伏せる。

すると自然と息が荒くなり前のソフィアが振り返り聞いてきた。

「大丈夫?かなり息が荒いけれど」

そう言い無警戒に私に寄ってくる、

その行動に私は。

(あぁ…此方に来るな…)

より強くなる欲求を抑えるために力を使い膝をつく。

そんな私の異常な状態を見て彼女はより近寄ってくる。

目の前に彼女が来た時、私は遂に衝動を抑えきれなくなり、

地面に彼女を押し倒した。

私は急な事で混乱した彼女の上に乗り手を押さえつけ、

首に噛みつく寸前で私は何とか堪え。

「私から少し離れてろ!」

そう怒鳴り何とかソフィアから私は離れ木に寄り掛かる。

それを聞いて彼女は言った。

「貴方は吸血鬼なの?」

彼女はそう質問してきたが、今の私に答える余裕は無かった。

それを感じ取ったのかソフィアは、

何故か急に衣服を緩め私に近寄ってきて、

こう言った。

「私の血を吸いなさい、それで貴方が苦しまなくて済むなら」

そう言われた私は彼女の瑞々しい肌に牙を立てる感触や、

その純潔の血の味を想像してしまい。

遂に我慢出来ずにもう一度彼女を押し倒し、首筋に牙を立てた。

「ん…、はぁ…」

傷をつけた首筋から流れ出る血が口内を満たす。

肉を断つ感触、柔らかな肌、甘い血の香り。

それら全てが私を満たし欲情させる…。

「もっと頂戴…」

私はそう言い、意地汚い音を立てながら血を啜る。

(あぁ…彼女を犯したい…もっと欲しい…)

血に酔った私は彼女の胸を揉む。

それに対して彼女の漏らす甘い声が更に私を興奮させた。

そう私が思っているとソフィアが遂に息を荒くしながら言った。

「もう…限界…」

そう言い彼女は力が抜けた様に後ろに倒れようとして、

私は牙を抜き、彼女を支えた。

そこで正気に戻った私はソフィアに対して謝った。

「済まない…」

私がそう言うとソフィアは力無く言った。

「構わない、一度は貴方に助けられた命です」

「それに、急に知らない人に吸血するよりまだましでしょ?」

そう言い、更に続けた。

「それにまた少し間隔を空けてからなら別に構わないわ」

「胸を触られたのは驚いたけれど」

そう言われ私は彼女にもう一度謝り、彼女に近寄り。

回復魔法を掛けた。

「これで痕は残らないと思う…」

そう言い私はソフィアに聞く。

「歩けそうか…?」

そう聞くとソフィアは。

「えぇ、もう大丈夫」

そう言い立ち上がろうとしてよろめき私が抱き止める。

その様子を見て私は。

「もう少し休んでからいこうか…」

私の問いかけに対してソフィアは小さく。

「そうしましょう…」

と言ったので、私は近くの木を背中にするように、

彼女を運び暫くの間休む事にした。



















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