県学園!

こんぶ

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入学式

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──愛西市

愛知県西部に位置する。
面積約66.70㎢
人口約60000人。
人口密度約900人/㎢

尾張地方、海部に所属する。

──────────────

「愛西さん…うふふ」

「なんだよ、気持ち悪い…」

「わりーかよ~」

「はぁ、良いよなぁ、お前は…俺の周りの女は皆めちゃくちゃに冷てーぜ…」

「…はっはっはっ、席運なら俺の方に分があったようだな」

「…はぁ…」


俺と碧南は二人で放課後の校舎を歩いていた。

っと、どうでもいい豆知識だが、西三河では、授業と授業の間の小休憩のことを放課と呼ぶ。まぁつまり、放課後という概念はほとんど無い。
学校が終わる、と言う。

「…さっさと帰らないと…先生に何か言われるぜ…」

「そうだな。ん、あれは自動販売機…」

校内にあるのか!?

「まぁ購買があるんだしあるんじゃないか?」

へぇー。感動だ。中学の時は全くそう言うのがなかったからな。


「…っとと、もう下校完了だぜ…さっさと(隠れて)帰らないとな」

「おう」

二人で(隠れて)帰った。


◇翌日。

入学式である。

「えー、本日は誠に…」

あれは…

学園長か。

「ん?学園長ってことはまさか…」

愛知様じゃないか!?

凄いなぁおい。


「では、職員の発表です。間違えました。配属されるクラス発表です」

『1-A 尾張・名古屋先生』
『1-B 尾張・海部先生』
『1-C 西・三河先生』
『1-D 東・三河先生』
『1-E 尾張・知多先生』

「…やっぱりか…」

あのファンキーな先生と一年間一緒とは…いや、三年間か?

よく分からないが、大変そうだな…

「…では、入学生代表、名古屋くん」

「──はいッッ!」

ぅお。覇気のある返事だな…

「僕は──(ペラペラ)」

──名古屋…か。

愛知県の周りの評価って言うのは、名古屋だけらしいからな。

他のところにもいろんな良いところはあるのになぁ。

「──ありがとうございました!」

あ、もう終わってた…



「はい、まぁね、入学式も終わった事だし、帰ってよろしい…と、言いたいところだが!それはちょっとダメなんだ…まぁ今日は先生紹介というのがあってだな、まぁそれに参加せねばならないのだ…あ、皆がね」

「…先生紹介?」

「そう。先生を紹介していくんだ。まぁあとでクラスを順々に回ってくるだろうからそういう感じ。色んな先生がいるからな。あっ、ちなみに先生は、こう見えて社会が担当なんだ。新しくやる、世界史ってののな」

へ、へー。この先生てっきり体育教師かと思った。

「…ほんじゃ、先生紹介だ」

──先生を紹介された。



「ね、ねぇねぇ西尾くん…」

「…?愛西さん?どうしたの?」

「あっ、いやぁ、何でも…何となく話しかけただけ…」

「ん?そう」

しかし、愛西さんが話しかけてくれるとは。いや、そもそもそういう娘ではないか。愛西さんは、誰にでも平等に優しいもんな…

「あー、そうそう、あと今日は係決めるぞ~」

「係?」

「そうだ。蟹江…中学ん時もあっただろ?」

…あったなぁ。委員会みたいな?

あれ?部活とかはどうなるんだろうか?

「…んじゃ、係決めるぞ~」



「…」

俺は雑用係になった。

「…ん?」

まてまて、何かおかしいぞ、今の文。

もう一度見直すか。

──俺は雑用係になった。

「んー?」


えっ、

ぇえええええええ!?

と言うのも、じゃんけんに負けに負けた俺が悪いのだが…
いや、最後に至っては勝ったな、俺。

「よぉ、君が西尾くんかい?」

「ん?そうだけど…何で知って…」

「岡崎くんから聞いたんだよ…さて、やろうか…」

「…?君は」

「僕?ぼくかい。僕はね、常滑って言うんだ…」

「そ、そうか…」

常滑くん。

「僕はね、雑用係に憧れてるンだ…」

「…何故?」

「だって、雑用係は、誰も出来ないような事が出来るんだ…」

「…」

そういう考え方もあるのか。

しかし俺はッッ!

愛西さんと同じ放送委員になるッッ!

「じゃんけんっ!」

ここで勝つわけにはいかないっ!!
さて、なにがくる?グーか。チョキか。パーか。考えなければ。いやそんな時間があるのか…?いやこの手の形…ん?まてよこれはいやチョキか。ならば俺はパーか。いやここはチョキに見せかけたグーの可能性があるからな。つまり俺はチョキを出せばいい。しかし、さらにそこにフェイントをかけているな、この常滑って奴は~…つまり、二重フェイントの先にあるもの、つまりパーを出すのか。つまり俺がグーを出せばいい。行くぞっ!!

「…ぽん!」

グー!!

「…あ」

相手は、チョキ…

「「だぁぁぁぁあっ!」」

二人の絶叫が重なった。



「…はぁ」

いきなり初日からこんな…はぁ。こんな…雑用ってある?いきなり先生に、あー、資料室からパンフレット運んできて、は無いだろう!?


「…はぁ」

「…どうしたんですか?」

「…ん?」

「えーっと、確か貴方は…西尾くん…でしたっけ?」

「…き、きみは?」

「私は瀬戸って言うの。よろしくね…って、私も雑用なんだ~」

「へー」

二人で荷物を運ぶ。

「こ、これ結構重いね…」

「持とうか?」

「い、いや一人で大丈夫…」

「えっ、いや本当に…」

その時瀬戸さんが、ぐらりとふらつく。

「──ッッ!危なっ!」

俺が咄嗟に運んでいたパンフレットを落とし瀬戸さんを支えた。

「あ、危ねー」

「た、助かりました…」

「…俺が持つよ…俺力は多少あるからさ…」

「はい、迷惑をかけるようですいません…」

「全然。むしろ嬉しいよ。人には適材適所があるんだから、出来る出来ないはしょうがないんだ」

「西尾くんは、優しいのですね…」

「?何?」

小さかったので良く聞こえなかった。

「…いや、何でもないです…」

「そうか…」

それを覗く者が一人。





「…ギリッ」


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