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囚われの輝夜姫は、月夜に喘ぐ

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 本来、貴族同士の結婚は、男から求婚の歌を送られ、女がそれに返すのが常だ。

 だけど、私たちはその夜、ひそやかに二人だけの婚儀をおこなうことになった。

 部屋の中にある薫物たきものからは、かぐわしく優美な香りが漂う。

 一番上に羽織っていた紅梅色こうばいいろ小袿こうちぎ、そうして淡紅梅たんこうばい五衣いつつぎぬを、共に脱がされる。


「輝夜……一目見て、お前から目が離せなくなった――美しい金の瞳をした、月の姫君」


 白小袖と濃紫の張袴はりばかまの姿になった私は、ほとんど裸同然の姿に近く、はずかしくてたまらない。

「俺が夫になった以上は、もう誰の目にも、好奇の目にはさらさせない」

 しゅるりと、張袴の帯をほどかれる。

 直衣のうしを脱いだ彼も、指貫さしぬきまで脱いでしまった。

 そうして、私の白小袖に手をかけられ、二人とも生まれたままのすがたになった。

 彼はゆっくりと、白い頂の頂点にある桜の蕾を食んで、愛撫する。

「あっ……んっ……」

「白い肌が桜のように色づいて、美しいな」

 紅潮する肌について、そう言われ、羞恥が高まっていく。
 言いながら、全身に紅い花びらを散らして遊ぶ。

 可憐な花びらを開き、露わになった赤い窪地に潜む芽を彼が指で弄った。

「ひゃっ……ああっ……あんっ……」

「ここが気持ちいいんだな……小鳥のように、愛らしい嬌声を上げるな」

 いつもなら上げないような淫らな声が、漏れ出てくる。
 執拗に愛撫を続けられていくうちに、雷光でも点滅するかのように、頭の中が白み始めてきた。

「あ、あ、ダメ……ひぁぁっん……!」

 絶頂を迎え震える身体を、蘇芳がぎゅっと抱きしめてくる。
 ぬるぬると愛雫を溢れさせる花溝へと、いきり立った棒の先端をあてがわれた。
 そうして扉を一気に貫かれる。
 破瓜の痛みが鋭く走るが、次第に落ち着いていく。

「動いて良いだろうか?」

「はい……」

 そうして、ゆっくりと彼の欲棒の抜き差しが始まった。
 肉壁を肉棒が擦りあげていく感覚で、喘いでしまう。

「あっ、はっ、あ、あ、あ……」

 次第に抽送の速度が増していく。

「俺で満たしてもいいだろうか?」

「はい……あ、あん、あ……ああっ……!」

 紅い襞がぴくぴくと痙攣する。
 そうして蜜腔の中に大量の白い精を注がれた。


「明日の夜、お前を俺の元へと連れて行く。迎えに来る。待っていてくれ……」


(婿が妻の元へ通うことが多いこの時世、そのようなことが本当にできるのかしら?)


 だけど、それが嘘だったとしても――。


「はい」


 彼の自分を救おうとしてくれる、その気持ちこそが嬉しかったのだ。

 

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