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囚われの輝夜姫は、月夜に喘ぐ
5※
しおりを挟む本来、貴族同士の結婚は、男から求婚の歌を送られ、女がそれに返すのが常だ。
だけど、私たちはその夜、ひそやかに二人だけの婚儀をおこなうことになった。
部屋の中にある薫物からは、かぐわしく優美な香りが漂う。
一番上に羽織っていた紅梅色の小袿、そうして淡紅梅の五衣を、共に脱がされる。
「輝夜……一目見て、お前から目が離せなくなった――美しい金の瞳をした、月の姫君」
白小袖と濃紫の張袴の姿になった私は、ほとんど裸同然の姿に近く、はずかしくてたまらない。
「俺が夫になった以上は、もう誰の目にも、好奇の目にはさらさせない」
しゅるりと、張袴の帯をほどかれる。
直衣を脱いだ彼も、指貫まで脱いでしまった。
そうして、私の白小袖に手をかけられ、二人とも生まれたままのすがたになった。
彼はゆっくりと、白い頂の頂点にある桜の蕾を食んで、愛撫する。
「あっ……んっ……」
「白い肌が桜のように色づいて、美しいな」
紅潮する肌について、そう言われ、羞恥が高まっていく。
言いながら、全身に紅い花びらを散らして遊ぶ。
可憐な花びらを開き、露わになった赤い窪地に潜む芽を彼が指で弄った。
「ひゃっ……ああっ……あんっ……」
「ここが気持ちいいんだな……小鳥のように、愛らしい嬌声を上げるな」
いつもなら上げないような淫らな声が、漏れ出てくる。
執拗に愛撫を続けられていくうちに、雷光でも点滅するかのように、頭の中が白み始めてきた。
「あ、あ、ダメ……ひぁぁっん……!」
絶頂を迎え震える身体を、蘇芳がぎゅっと抱きしめてくる。
ぬるぬると愛雫を溢れさせる花溝へと、いきり立った棒の先端をあてがわれた。
そうして扉を一気に貫かれる。
破瓜の痛みが鋭く走るが、次第に落ち着いていく。
「動いて良いだろうか?」
「はい……」
そうして、ゆっくりと彼の欲棒の抜き差しが始まった。
肉壁を肉棒が擦りあげていく感覚で、喘いでしまう。
「あっ、はっ、あ、あ、あ……」
次第に抽送の速度が増していく。
「俺で満たしてもいいだろうか?」
「はい……あ、あん、あ……ああっ……!」
紅い襞がぴくぴくと痙攣する。
そうして蜜腔の中に大量の白い精を注がれた。
「明日の夜、お前を俺の元へと連れて行く。迎えに来る。待っていてくれ……」
(婿が妻の元へ通うことが多いこの時世、そのようなことが本当にできるのかしら?)
だけど、それが嘘だったとしても――。
「はい」
彼の自分を救おうとしてくれる、その気持ちこそが嬉しかったのだ。
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