22 / 22
番外編※マクシミリアンside4
しおりを挟む帰りの馬車。
ぐったりするテレーゼを抱きしめ、彼女の髪を梳きながらマクシミリアンは告げる。
「やりすぎたな……大丈夫か、テレーゼ?」
ちょっと疲れた様子の彼女はふわりと微笑む。
「貴方とちゃんと夫婦になれて、本当に幸せなんです……」
妻の言葉に夫は歓喜した。
「俺もお前を妻に出来たことを誇りに思うよ……」
ガタゴト揺れる馬車の中、摘んできたコスモスの花が揺れる。
二人して、穏やかに微笑んだ。
「……それにしても大胆でしたね、マクシミリアン様……普段はわりと常識的な行為をするのに」
「言われてみればなぁ……まあ、お前が可愛かったから仕方がないな――お前の方もやけに大胆だったな」
「ええ、そうですね……わりと恥ずかしがりなのに……マクシム様が好きだからでしょうか」
すると彼がまた高揚する。
「ああ、まずい、またお前のことが欲しくなってきた」
「だったら、どうぞ、私のことをもらってください……」
「テレーゼ……愛している……」
そうして二人は馬車の中でも、愛し合った。
まさかベルナルドの「コスモスの花」の催眠がまだかかったままで、二人ともコスモス畑で思わぬ大胆な行動に出てしまっていたことに――後日マクシミリアンは気づいて、甥の末恐ろしさに慄いたのだった。
応援ありがとうございます!
11
お気に入りに追加
642
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
誤字報告です。
番外編マクシミリアンside3の最後の方のテレーゼの名前がテレーズになっています。
Emu:N様、ありがとうございます、修正いたしました!
唯一人の英雄、ではなく
只一人の英雄、ではないですか?
ご指摘ありがとうございます!
修正致しますね!