【R18】冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい

おうぎまちこ(あきたこまち)

文字の大きさ
86 / 228
第3章 身体だけの関係?

15-3

しおりを挟む


 ましてや――身体が繋がりあって、ちょっとだけ距離が近づいたと思っていた相手だけに、冷たい態度を取られてしまって、想像以上に動揺している。

(恭司さんはそんな人じゃないって分かっているはずなのに……)

 なんだか嫌な胸騒ぎがしている。
 そもそも――自分が思っているよりも、恭司は自分に歩み寄ってきているつもりさえないかもしれないのだ。

(せっかく最近はだいぶ前向きになっていたんだけどな……)

 美桜が前向きになれたキッカケをくれたのが恭司なのだ。
 他人の反応に依存してはいけない。
 頭では分かっている。
 だけど……。

「おい、恭司!」

 少しだけ先を歩いていた恭司のそばに男性が歩みよってきた。
 長身で筋肉質な恭司よりも、さらにガッチリした雰囲気の男性だ。陽気な雰囲気を醸している。

(確か、難波副社長さん)

 恭司のマンションに泊っていた時に、電話口で声だけ聴いていたので、ピンと来たのだ。
 そうして、難波が恭司に向かって軽快な口調で告げる。

「どうしたんだよ、お前? 歩いて出勤するの、好きじゃないって、あれだけ愚痴ってたのに」

 俯き加減だった美桜はパッと顔を上げた。
 どうたら恭司が歩いて出勤するのは珍しいようだ。
 すると、恭司の声が風に乗って届く。

「気が向いたんだよ」

「最近お前、熱でもあるのか? ああ、そういやあ、電話で……」

「難波、公私混同するな」

 恭司が難波をぴしゃりと制した。

「悪い、恭司」

 難波が両手を擦り合わせながら謝罪している。
 恭司が淡々と答えた。

「いや、俺の言い方も悪かった。人間だから、完全に公私を切り分けることができないのは分かっている。現にお前も嫁と楽しそうな時は、仕事がはかどっているしな。だが、むやみやたらとプライベートの事情を仕事に持ち込むのは良くない。そうは思わないか?」

 すると、難波が怯えた表情を浮かながら、小さな悲鳴を上げた。

「……どうした!? 恭司、お前がそんな誰かに優しい発言をするなんて……! 天変地異の前触れか……!?」

「仕事を増やすぞ」

「いや、それはやめてくれよ。ただ、かなり驚いただけだって。珍しいもの見たから、今日は良いことがあるかもなあ」

 どうにも難波副社長は陽気で前向きな性格の人物のようだ。はた目から見ても、表情がくるくる変わって、恭司とは正反対な雰囲気を醸している。
 そうして――恭司が一瞬だけ美桜のいる方へと振り返ると、すぐに前を向く。

「まあ、俺も朝から飼い猫の様子を見れたから安心したよ」

 ドキン。
 美桜の心臓が跳ねた。

(飼い猫? それって、もしかして……)

 恭司と難波が玄関へと先に入って行った。
 ミオも自動扉を潜り抜けながら、反省する。

(お仕事モードなんだ。確かに恭司さんの言う通り、公私混同は良くないよね)

 美桜はクスリと笑った。
 私生活だと、年上なのにイタズラをしかけてくる少年のような印象があるけれど……。

(すごく仕事ができる若手社長さん、カッコイイな)

 それに……。

(さっきの恭司さんの話、ミオちゃんのことかもしれないけど……もしかしたら、私の様子を見たくて歩いてたのかもしれないし……自惚れかもしれないけど、そうだったら嬉しいな)

 美桜はふんわりと笑った。
 先ほどまで、少しだけ猫背ぎみな美桜だったが、背筋をまっすぐに伸ばして、会社の中へと足を踏み入れたのだった。


しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています

紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、 ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。 「もう君は、僕の管理下だよ」 退院と同時に退職手続きは完了。 住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。 外出制限、健康管理、過保護な独占欲。 甘くて危険な“保護生活”の中で、 私は少しずつ彼に心を奪われていく――。 元社畜OL×執着気味の溺愛社長 囲い込み同棲ラブストーリー。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない

二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。 ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。 当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。 だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。 ――君の××××、触らせてもらえないだろうか?

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

処理中です...