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第4章 兄弟が愛した女性
21-3※
しおりを挟むそうして、美桜は背伸びをすると、恭司の肩口に手を載せ、白シャツを脱がせてやる。筋骨隆々とした胸板が露わになり、美桜はますますドキドキしてしまった。両方同時に脱がせようとしたら、途中で引っかかってしまったので、片腕ずつ脱がせることにする。
上腕から前腕にかけての逞しい筋や浮き出る血管が雄々しい。硬い皮膚に覆われた掌から伸びるしなやかな手指。この腕や手にいつも抱きしめられているのだと思うと心臓が慌ただしく脈打つ。
脱がせた白シャツを美桜が両手で抱えていると――。
「下も脱がせてもらえないか?」
「……っ」
美桜は赤面して俯いてしまった。
「さすがにハードルが高すぎます」
先月まで男性の裸を目にする機会さえなかったのに。
下半身の衣服を脱がせるなど――高難易度ミッションである。
「あ……」
恭司の手が美桜のプリーツスカートにかかる。
膝まで下げられてしまうと、そのままふわりと床に落ちて行った。
「俺のことを脱がせるのには抵抗があるのに、脱がされるのには抵抗がなさそうだな」
「抵抗しようとしたら、大変なことをされそうだから、静かにしてるんです」
美桜がそんな風に伝えると……。
「へえ、大変なことって、何なんだよ? 言ってみろよ?」
恭司の顔には愉悦に歪んでいる。
「だって……」
「だって?」
「……恭司さん、猫ちゃんみたいにすぐにペロペロしてくるじゃないですか」
「猫みたいにペロペロ? ああ、あれか……」
恭司がわざとらしく舌なめずりしてくる。
「気に入ってるならしてやろうか?」
「今日は大丈夫ですっ」
「へえ、殊勝な態度だな」
そうして、恭司が美桜の下着の紐に手をかける。
しゅるり。
衣擦れの音が聞こえた後、パサリと地面に落ちた。
「あんた、大人しい見た目してるけど、下着は結構エロいよな」
「……っ……恭司さん、言い方に品がなさすぎですっ!」
すると、恭司が美桜の顎を掴むと正面を向かされる。
「品がないもあるも……そんなものあってないようなもんだろう? 今から俺たちがやる行為には」
「……恭司さんが本能のままに生きすぎてるんです」
「男と女が何かするのに――仕事の時みたいに理性働かせてられないって。特に……」
そうして、恭司が劣情の宿る視線で射抜いてくる。
「口説いている女に対してはな」
「……っ」
美桜は恥ずかしくなって俯いてしまった。
(恭司さん、一応私のことを口説いてはくれてるんだ……)
そうでなければ身体の関係にはなっていないのかもしれないが、曖昧な関係が続いているので、どうにも自信が持てない節があった。
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