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後日談 クリスマス〜日本とドイツ〜
1-18※
しおりを挟む美桜はふんわり笑った。
恭司が慈愛に満ちた手つきで髪を撫でてくるものだから、なんだかすごく気持ちが良い。
「来年には子どもが生まれてる。だから、二人きりのクリスマスは今年が最後だ」
恭司に言われると、少しだけしんみりした。
「言われてみれば確かに……私ももう少し二人きりの生活を楽しみたかったかなあとも思ったりしますけど、きっと子どもが生まれてのクリスマスはすごく賑やかで楽しいと思います」
美桜は笑顔で返す。
「あんたのいう幸せな家族ってやつだな。まあ、子どもはさっさと寝かせたら、二人きりの時間も確保できるんじゃないか?」
「結構起きちゃうらしいですよ?」
しばらく恭司が黙っていたが……。
「その時はミオにでもあやしてもらおう」
時々、恭司は本気か冗談か分からないことを言ってくる。
しかしながら、おそらく冗談のはずだ?
「泣いているのに放置はネグレクトになるからダメです……!」
「……だったら仕方ないな。夜によく寝る男に育てよう。俺が日中に体をとことん動かしてやる」
恭司の発言に、美桜は首を傾げた。
「まだ男の子かどうか分かりませんよ?」
「あんたに似た娘が生まれたら、四六時中、心配しないといけないな」
「むう、そんなことないですよ」
美桜は頬を膨らませて抗議する。
(それにしても良かった)
幸せな家庭が良く分からないと話す恭司だったけれど、子煩悩な父親になってくれそうだ。
「ふふ、この調子だと、毎年一人ずつ増えてたりして……なんて、さすがに無理ですね!」
すると。
恭司が口の端をゆるりと吊り上げた。
「毎年一人か。まあ、それも悪くないな」
美桜は冷や汗を流した。
(うっかり発言によって、大変なことになりそう……!)
口は禍の元である。
「美桜、あんたが望むなら、どれだけ家族が増えても構わない。とはいえだ、経済的に問題がないが、母体に負担がかかりすぎないように配慮はしないとな」
恭司の発言に美桜はぱあっと胸の内が明るくなった。
「恭司さん、優しいです。明るい家族計画を立てましょうね!」
「ん? まあ、俺としてはあんたに好かれたくて必死なんだよ」
「必死そうにはあんまり見えないですけど……?」
「ポーカーフェイスはわりと得意だからな。さて……どうだ? 身体の調子は?」
恭司が美桜の黒髪を耳にかけてやる。
「そうですね。わりとまだまだ元気です」
すると、恭司がそっと美桜の唇を奪ってきた。
「んっ……」
彼に髪を撫でられながら、唇を何度か啄まれると、夢見心地でふわふわした。
「だったら、もう一回だ。今度は俺が優しく動いてやるから」
恭司はやはり体力が有り余っているようだ。
「お手柔らかにお願いします」
「美桜、あんたの頼みなら、そうするさ」
恭司が唇を奪ってくる。
しばらくすると、まるで獣が小動物を捕獲したかのように、荒々しさが増してくる。
彼が彼女の尾てい骨を優しい手つきで撫でてきた。
「んっ……はふっ、恭司さんっ……」
「まだまだバテるなよ、美桜……」
二人が口づけ合うと妄りな水音が立ちこめる。
まだ繋がりあったままだったけれど、美桜の内側で恭司の熱塊が再び硬度を増した。
そうして、初めて迎えたクリスマス――二人は飽きることなく愛し合い続けたのだった。
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