【R18】犬猿の仲の幼馴染は嘘の婚約者

おうぎまちこ(あきたこまち)

文字の大きさ
66 / 71
ハネムーン後の物語「隠し子騒動?」

12※

しおりを挟む



 それだけ言ったかと思うと、彼が抽送運動をはじめた。

「あっ、あ……ギルっ……あっ……」

「ルイーズ……お前の中はいつも気持ちが良いな……」

「あっ、あん……あっ、あ……いつも以上に奥に当たってる……」

 臀部に彼の下腹がぶつかっては跳ね返り、ぱちゅんぱちゅんと淫らな音が鳴った。
 ギシギシとベッドが軋む。
 ランプの明かりでできた自分たちの影が、まさしく獣のように折り重なって前後に揺らめく。
 抜き差しを繰り返され、肉壁に肉棒が擦れると否応なしに全身に快感が駆け抜けていく。

「あっ、ギルっ、あ、あ……気持ち良いの……」

「ルイーズ……っ……」

 いついかなる時もスマートなギルフォードだが……

(普段はあんなに余裕そうなのに、こんなに余裕がないギルは初めてかも……)

 なぜだか妙に嬉しくてたまらない。
 だが、次第にそんなことさえ考えられなくなっていく。
 腰を掴まれたまま何度も恥骨がぶつかってきて、どんどん快楽に身を委ねるだけになっていく。
 自白剤のせいだろう。 
 大胆な発言が増えていく。

「すごい、奥まで当たって気持ち良い……ギルっ、好き、もっと……私の中に入ってきて……」

「ルイーズ、俺もだ、もっとお前の中に深く潜りたい……」

「ギルっ……貴方が足りないの……もっと、もっと深くに来て……」

 そうして、頭の中が快楽に支配されてしまった頃、相手の熱棒が律動をはじめる。

「ルイーズ……出すぞ……」

「来て、ギル……」

 ひときわ強く、彼の下腹と私の臀部がぶつかった。
 ものすごい熱をもった白濁液が、下腹の中で奔流する。

「ああっ……――!」

 絶頂を迎えた私の身体をギルフォードが逞しい腕で抱き寄せてきた。
 二人して寝っ転がる。
 呼吸を整え、何も喋れないぐらいぐったりと疲れていたが、どうしても正直な気持ちを伝えてくて、彼に向かって声をかける。

「ギル……今日も気持ち良かったわ……」

「そうか、それなら良かった」

 ちょうど私の頭の上にあるギルフォードの頭がもぞりと動いた。腰をぎゅっと抱きしめられると、ますます幸福な気持ちが高まっていく。
 だけど、ちゃんと謝らないといけない。

「ごめんなさい、ギル……おかしな疑いをかけちゃって……」

「いいや、俺も噂話を適当に流しちまったせいもある、ルイーズのせいじゃない」
 彼が首筋の顔を埋めてくると、きゅうと再び女性の芯が疼く。両脚をもぞりと動かすと、彼の長い両脚が絡みついてきた。

「お互いが好きっていうだけでこんなにも気持ちが良いのね……てっきり他の女性にも似たような行為をしているからなのかなって、ずっと勘違いしちゃってたわ……」

 すると、ギルフォードが喜色交じりの声音で告げる。

「結構前からずっとイメージしてたんだ」

「イメージ……?」

「そうだ、馬術だろうが、武術だろうが、一緒だろう……だから……元々――」

 そこまでいうと、ギルフォードが口を噤んだ。

「ギル?」

「いいや、今のはなしだ、忘れてくれ……」

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
公爵令嬢アンジェリカは六歳の誕生日までは天使のように可愛らしい子供だった。ところが突然、ロバのような顔になってしまう。残念な姿に成長した『残念姫』と呼ばれるアンジェリカ。友達は男爵家のウォルターただ一人。そんなある日、隣国から素敵な王子様が留学してきて……

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...