白虎帝の寵姫

おうぎまちこ(あきたこまち)

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 けれども、彼は私を離してはくれない。
 それどころか、彼の正面を向けさせられると、こう告げられた。


「遅かれ早かれ、私は子を成さねばならない。それならば、他の狐のような女達よりも――子の母親は友達の君の方が良い。そうして、私は絶対に君たちを不幸な母子にはしない、ね?」


 彼の言葉がすうっと胸に染みこんでいく。
 身体中が熱くなって仕方がなくなっていく。
 しばらく二人の間に沈黙が流れる。

「陛下……」

「麗華」

 そのまま寝台へとなだれ込む。
 熱のこもった眼差しに射貫かれる。
 彼の手が私の襦へとゆっくりと伸びてきた。


「どうか僕に全てをゆだねてほしい」

「陛下」

 女性と見まがうごとき美しい顔が近づいてきたかと思うと、そっと唇をふさがれた。

「んっ……」

 口づけあいながら、彼の大きな手が衣服越しに身体に触れてくる。

「……陛下……」

「麗華――滑らかで心地よい触り心地だね」

 熱に浮かされたような口調で彼は告げながら、襦裙じゅくんをゆっくりと剥ぎ取っていく。いつの間にか生まれたままの姿になった。

「あ……」

 恥ずかしいと思って両手で身体を隠した私を見て、陛下がクスリと笑う。

「そんなに隠されると、ここから先に進めないよ。さあ、解いてごらん」
 
 促されるまま両手を開放し、相手に裸体を晒すと、恥じらいを覚えた。
 彼の両手に腕を解かれる。そうして、私の両手に指が絡んでくると、陛下がまっすぐに私の方を見てきた。

「さて、麗華、君と結ばれたいんだ」

 彼の言葉に緊張して震えながら返答する。

「それが妃の役目ならば」

「君らしく真面目な返答だね」

 そっと陛下の背中にしがみついた。
 彼の綺麗な黄金の瞳と目が合う。

「麗華」

 そうして、彼が私の頬を両手で包み込んできた。

「僕にとって君はずっと大切な人だ。これまでも、これから先も、ずっと」

「陛下」 

 その夜――私たちは夫婦として結ばれたのだった。
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