8 / 26
本編
8※
しおりを挟む突然何を言い出すのだ、この陛下は……。
「こっちが『ええ?』だよ……しゃあねぇな……」
彼の身体が覆いかぶさってくる。
厚くて硬い胸板が、乳房を押しつぶしてきて、なんだか落ち着かない。
脚の間に硬い何かが当たってきて、やたらと熱く感じた。
顔中にキスの雨を降らされたかと思うと、ちゅっちゅっと音を立てながら肌の上に口づけられ続ける。
「んっ……くすぐったいっ……」
こみあげてくる笑いを必死に耐えた。
だが、我慢できずにきゃっきゃっと笑ってしまった。
「情緒みたいなものがないなぁ……まあ良いか」
ぼやいているわりに陛下は少しだけ楽しそうだ。
そんな彼の様子を見ていると、なんだか胸と下腹部がきゅうっと疼いてしまった。
気が遠くなるほどの長い時間をかけて、彼に全身に口づけられていく。
「んんっ……ひゃあっ……!」
その時、彼が私の脚の間に指を差し入れて来た。くちゅりと水音が鳴った。
「くすぐったそうだったけれど、ちゃんとこっちは潤ってるようで何より」
そのまま彼の指がくちゅくちゅと弄りはじめる。
「ふえっ……はぅっ……あっ……だ、ダメです、湯あみはしたけれど、そんなところ、触ったらっ……け、警吏を呼びます……よ」
「残念、近衛の騎士達が警護してくれるけど、警吏はいないんだな、これが……」
「んっ……ぅっ……あっ……」
そのままヌルヌルと粘膜を弄られ、ひどく敏感な芽を弄られると、全身に甘い痺れが走った。
「ああっ……――!」
下の口を覆う襞がひくひくと蠢く。じわりと芯から何かが溢れ出してくるのが分かる。
(何? 体が……変っ……)
それからもしばらく全身を撫で擦られ、弄られる。
脚の間がどんどんヌルヌルになっていく。
彼の指が蠢くたびに、何度も何度も頭が白くなって、気が遠くなるほどに果てた。
「ねえ、本当に誰にも触れられたことないんだよね?」
「も、もちろんですっ……んんっ……」
「俺の手先が器用なのか、君の感度が高いのか……ちょっと区別がつかなくなってきたな」
もう何回目か、痙攣を起こした脚の間に、先ほどから触れてきている熱塊の先端がぐちゅりと狭穴に触れてくるではないか。
「あっ、ああっ……!」
「指で弄ったし、たぶん、これで俺のも入るかな? 夜が明ける前に、痛いのを終わらせようか……」
外を見れば、確かに明るみはじめている。
彼は宣言通り、夜通し愛撫してきていたようだ。
「ウルフ陛下、今から一体何が……?」
「これが本当の君の仕事だ……シーツ掴むか俺の背にしがみついてな」
「はぅ……」
「良い感じに眠そうだな。眼が覚めるかな? はたまた気を失っちゃうかな? まあ、一瞬だ」
そうして、熱杭が穿ってくる瞬間、甘い微睡みの中に私は意識を手放したのだった。
11
あなたにおすすめの小説
どうせ運命の番に出会う婚約者に捨てられる運命なら、最高に良い男に育ててから捨てられてやろうってお話
下菊みこと
恋愛
運命の番に出会って自分を捨てるだろう婚約者を、とびきりの良い男に育てて捨てられに行く気満々の悪役令嬢のお話。
御都合主義のハッピーエンド。
小説家になろう様でも投稿しています。
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
王弟殿下の番様は溺れるほどの愛をそそがれ幸せに…
ましろ
恋愛
見つけた!愛しい私の番。ようやく手に入れることができた私の宝玉。これからは私のすべてで愛し、護り、共に生きよう。
王弟であるコンラート公爵が番を見つけた。
それは片田舎の貴族とは名ばかりの貧乏男爵の娘だった。物語のような幸運を得た少女に人々は賞賛に沸き立っていた。
貧しかった少女は番に愛されそして……え?
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
婚約者の番
ありがとうございました。さようなら
恋愛
私の婚約者は、獅子の獣人だ。
大切にされる日々を過ごして、私はある日1番恐れていた事が起こってしまった。
「彼を譲ってくれない?」
とうとう彼の番が現れてしまった。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
じゃない方の私が何故かヤンデレ騎士団長に囚われたのですが
カレイ
恋愛
天使な妹。それに纏わりつく金魚のフンがこの私。
両親も妹にしか関心がなく兄からも無視される毎日だけれど、私は別に自分を慕ってくれる妹がいればそれで良かった。
でもある時、私に嫉妬する兄や婚約者に嵌められて、婚約破棄された上、実家を追い出されてしまう。しかしそのことを聞きつけた騎士団長が何故か私の前に現れた。
「ずっと好きでした、もう我慢しません!あぁ、貴方の匂いだけで私は……」
そうして、何故か最強騎士団長に囚われました。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる