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後日談
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しおりを挟む「陛下、お妃様、おめでとうございます」
「はいはい、どうも」
「わぁい、ありがとうございます」
唐突に結婚が決まったので、後日、結婚式を上げることになった。
城に大勢の民衆たちが駆けつけ、若い国王夫婦の門出を祝ってくれた。
城庭は、歓声と拍手喝采と熱気とに包まれていた。
(ジュリーお姉様はあそこね)
失脚したばかりの宰相の養子だったジュリーお姉様は、お城の影からこっそり祝ってくれていて、陛下と私の方に手を振ってくれた。
(お姉様も参加出来て良かった)
その後、私が正妃になった祝宴が、王城内で盛大に開かれたのだ。
現在、謁見の間にある高い段の上にある豪奢な椅子二つに、ウルフィウス陛下と私はそれぞれ並んで座っている。
(たか~~い)
海外から来た使者の人たちが、祝辞と共に、祝いの品や各国の特産品などを献上してくるの。それを陛下と私は、にこにこ笑って受け取っていた。
(いっぱ~~い)
後宮に入ってからというもの、色々な贈り物をされていた私だったけれども、今日は普段の十倍以上豪勢な純白のドレスに着替えさせられていた。
ふんわり膨らんだ袖に、フリルがふんだんに施された襟、きゅっとくびれた腰の下、愛らしいチュールが幾重にも折り重なっている。乙女心にキュンとくるデザインだ。
(ふんわり~~)
とはいえ、朝から支度をして以降、もう月が昇りはじめている。
結構な長丁場だ。
(お祝いされて嬉しいけれど、ちょっとだけ疲れて来た)
「マリー、疲れたの?」
「はい、元気が取り柄ですが、さすがに疲れてきました!」
「うん、かろうじて元気そうだな――よし」
「ひゃあっ……!」
まだ使者たちの口上の途中だというのに、ウルフ陛下が私を抱きかかえてきたのだ。
「すまない妃の具合が悪いらしい。あとは外務大臣と新宰相に、国王代行を頼んだ。じゃあな――」
「具合が悪いなら仕方がない」「まあ普段は真面目に政務に励まれているので……」と大臣たちが必死に説明をしてくれているのを見ながら、謁見の間を後にしたのだった。
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