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本編

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 彼が腰を動かすと、魔獣よりも大きな熱塊が侵入してくる。

「ああっ……兄さまっ……熱いっ……」

「リーリア……中、きついな……」

 頬に何度も口づけられながら、獣の侵入に耐える。

「……っ……」

「ああ、もう全部入ったよ……」

 初めては緩和の魔術をかけてもどうしても痛いというが、アーサー兄さまの優しい口づけのおかげで痛みはほとんどなくて……
 全てを飲み込むと下腹がアーサー兄さまでいっぱいで。痛み以上に愛しい彼と繋がっている喜びが強かった。

「アーサー兄さま」

「俺の可愛いリーリア」
 
 何度も頬に口づけを落とされた後、唇を重ね合わせる。

「痛くないようにする、もっとお前を気持ちよくさせたいんだ、リーリア」

「もっと気持ちよくなれるの?」

「ああ……初めてだから、ゆっくり動くよ……」

 そうして、彼がゆっくりと腰を揺り動かしはじめると、全身が揺れ動く。
 優しく優しく全身をゆすられると、肉壁が肉棒に擦れてとても気持ちが良かった。

「あっ、あっ、あっ、あっ……」

「リーリア、すごく気持ちが良いな……」

 ぐちゅぐちゅと淫らな水音が鳴り響く。
 熱塊が蜜道の間を何度も行き来した。
 
「あっ、は、あ、あ……」

 私のことを労わりながらも、徐々に腰の揺さぶりが強くなっていく。
 ギシギシとベッドが鳴った。
 膨張しきった熱塊が律動をはじめる。

「ふあっ、ああっ、あっ、もう、ダメっ、ああっ……!」

「俺もだ、リーリア、出る……」

 そうして――

「ああっ……――!」

 下腹の中で熱の奔流が渦巻く。
 あまりにも熱くて蕩けてしまいそうだ。

「リーリア、最高だったよ……」

「あ……ぅ……」

 そうして、何度も何度も口づけを落とされる。

 幸福感に包み込まれていると――

 パリン。

「ん?」

 なんと、惚れ薬の小瓶が私の手元に落ちていたのだ――!

「あ……」 

 思いがけず吸ってしまって、少しだけ咳込んでしまう。
 ちゃんと惚れ薬は完成していたようだ。
 甘酸っぱい香りが鼻腔を突いてくると、これまで以上にふわふわした感覚に襲われた。

「大丈夫か、リーリア!」

「大丈夫です、アーサー兄さま……げほっ……」

 アーサー兄さまの端正な顔立ちを目にした瞬間、鼓動が早くなる。

(これはまずいかも……)

「うう……惚れ薬を嗅いでしまいました」

「リーリア、惚れ薬をもうすでに惚れている人間に使ったら、どうなるんだ?」

「それは……」

 ドクンドクンドクン。
 自分の心臓の音がすごくうるさい。
 アーサー兄さまのことを見上げた。

「もっともっとお兄様のことが好きになってしまいます」

 アーサー兄さまの顔が一気に上気していく。

「そうか……ああ、まだ物足りなさそうな顔をしているな……」

「……兄さま……」

 先ほど結ばれたばかりなのに――
 どうしようもなくアーサー兄さまとまた結ばれたいという欲望が、奥底から湧き上がってくる。

(ダメよ、兄さまは疲れているんだから……)

 だが、その時、下半身に熱塊を感じた。

「ひゃっ……!」

「リーリア、すまない……お前が可愛すぎて、つい……」

「体液採取も含めたら、もう六回目では……」

「さっきも言っただろう、お前がそばにいれば何回でも大丈夫だって……」

 そうして、口づけをちゅっと落とされる。

「あ……」

「愛しているよ、リーリア、お前は満足いくまで、今夜はずっとお前を愛し続けるよ」

「アーサー兄さま……」

 こうして――

 効き目以上に効きすぎた惚れ薬の効果が切れるまで、ずっと愛し続けたのでした。




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