【R18】突然すみません。片思い中の騎士様から惚れ薬を頼まれた魔術師令嬢です。良ければ皆さん、誰に使用するか教えていただけないでしょうか？

後日談

5※

　アーサー兄さまと私は、さっそく塔の中に戻ると、塔の一階にある浴室へと向かった。
　蔦模様が描かれた円形の窓が設けられていて、昼間なので光が差し込んでいる。
　レンガで囲った浴槽は大人が二人入ったら結構窮屈な大きさだ。

「えい！」

　魔術で湯を沸かすと、室内にはホカホカと湯気が立った。
　脱衣場にいるアーサー兄さまが感嘆の声を上げる。

「リーリアの魔術は相変わらず便利だな！」

「ありがとうございます！」

　アーサー兄さまに褒められると、なんだか気持ちがぽかぽかして嬉しい。
　私はニコニコしていたのだけれど――

「それに比べて俺ときたら……」

「……？」

　アーサー兄さまの表情が少しだけ陰った気がしたが、すぐに元のキリっとした表情に戻った。

「さて……」

　アーサー兄さまが、おもむろに目の前で騎士団のコートを脱ぎ始める。

「きゃあっ……！」

　思わず悲鳴を上げて赤面してしまった。
　心臓がドキドキして落ち着かない。

「リーリア、俺はまだコートを脱いだだけだぞ」

　アーサー兄さまはキョトンとしていた。
　それもそうだろう。
　目の前の彼はまだ白シャツを羽織っているのだから。

「だ、だって兄さまが唐突に服を脱ぎ始めるから……！」

「お前が風呂に一緒に入って良いと言い出したんだろう？　そもそも俺たち最近は毎晩一緒に裸で寝てるじゃないか……ほら、リーリアも脱げ」

「そ、それは……！」

　図星を指された上に脱衣を勧められてしまい、言葉に詰まる。

（兄さまの言い回しが直球すぎて恥ずかしい……！　確かに初めて結ばれて以来、毎晩夜の営みがあるけれど……）

　薄暗い場所で脱ぐのと、明るい脱衣所で相手の目の前で脱ぐのでは、やはりハードルが違う気がする。