【R18】突然すみません。片思い中の騎士様から惚れ薬を頼まれた魔術師令嬢です。良ければ皆さん、誰に使用するか教えていただけないでしょうか？

後日談

4

　すると、神妙な面持ちをしていたアーサーだったが――

「分かった、今回はお前たちの厚意に甘えよう。だが、明日の訓練は今日の倍だ、それで良いか？」

　やっぱり余計なこと言わなきゃ良かったといった雰囲気を出していたが――

「俺たち騎士に二言はありません！」

　それだけいうと、皆はぞろぞろと帰っていった。

（昼間からアーサー兄さまと一緒に過ごせるなんて、幸せだわ……）

　そんなことを思っていると――
　そっと背後からアーサー兄さまに抱きしめられる。

「リーリア」

　耳元で甘い声で囁かれるとドキンと心臓が跳ねた。

「お前が無事で本当に良かった」　

「兄さま……」

　心底安堵した声。
　本当に心配してくれたのだと分かる。

「ありがとうございます……」

「そういえば……汗をかいてしまったな」

「そうですね、お風呂を沸かしますから……」

「そうだ、なあ……子どもの時以来、一緒に風呂に入ろうか？」

「え？」

　突然そんなことを言われて羞恥で顔が真っ赤になってしまう。
　それを見たアーサー兄さままで真っ赤になってわたわたしはじめた。

「リーリア、すまない、今のは言葉の綾でだな……！」

（お兄様、遠い王都から走ってきてくれたんだもの……）

　何か御礼がしたい……。
　恥ずかしいけれど、意を決して告げる。

「分かりました、兄さま……お風呂に一緒に入ります」

「……！？」

　かくして――我々は真昼間からお風呂に一緒に入ることになったのだった。