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後日談
後日談6 夫は妻の子どもがほしい(後編)④※
しおりを挟むそうして、デュランダルとフィオーレは、二人そろって口を開き、それぞれの言葉の続きを紡いだ。
「――お前の将来を想像した絵を持ったりなんてことは……な」
「――他の女性と身体の関係を持ったりすることは……」
ひよひよと、小鳥が鳴く音が聴こえる。
(――ん?)
フィオーレの頭の中は疑問符でいっぱいになる。
「他の女との身体の関係――?」
「私の将来を想像した絵――?」
またしても、二人して同時に口を開いた。
(ん? ん?)
「あの……綺麗な女の人は……私……?」
混乱するフィオーレの頭から、少しだけデュランダルの顔が離れる。
彼は毒づいた。
「ちっ……知られたくなかったってのに……」
「え? え? だって、私の将来の姿……?」
「そうだよ……離れてる間、お前がもっと大人の女になったら、どんな女になるんだろうって、ずっと考えてて――それで……ああ、やっぱり気持ち悪いと思われてんじゃねぇかよ――マジで落ち込んできた……」
画家か何かに描いてもらったものなのだろう。
流麗な筆致で描かれた女性は、どこか儚げで、可愛らしいというよりも、ただただ美しかったのを覚えている。
フィオーレは振り返ると、デュランダルの顔を覗き込みながら訴えた。
「あ、あの――まさか、あの絵が私だとは思っていなかったんです。てっきり、私以外の女の人だと……」
「ああ? まさか、俺がお前の絵を所持していたことじゃなくて、俺が他の女と何かあると思って落ち込んでたのかよ?」
すごみのある口調で言われ、フィオーレはこくこくと頷いた。
「だって、デュランダル様……」
「何かあるわけねぇだろうが――前に言ったはずだ、俺はお前以外の女は抱かねぇって……まあ、疑われるような過去を持ってる俺が悪いのか――」
「……ごめんなさい……」
夫のことを一時でも疑った自分を、フィオーレは心の内で責めた。
デュランダルは、そんな彼女の頬にそっと手を添わせたかと思うと、ゆっくりと口づけてくる。
唇同士がしばらく触れ合った後、すぐに離れた。
「いや、紛らわしいことをしちまったな……」
「デュラン様……」
今度は、膝立ちになったフィオーレの方からデュランダルにそっと口づけ返した。
そのまま彼に抱き寄せられ、深い口づけに移行する。
「んっ……デュラン様っ……あ……」
「フィオ――」
はだけたシャツの隙間から、フィオーレの背にデュランダルの手が伸びる。
そのまま愛撫され、快感で彼女は背をのけぞらせた。
「んんっ……」
「ああ、やべぇな――俺の服を着てるお前――」
彼の手が、そのまま彼女の下衣に侵入する。
そのまま下着越しに、彼の長い指が、彼女の割れ目をなぞっていった。
「んんっ……あっ、あ……」
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